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パワプロクンポケットバトルロワイアル Part2

1 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 08:21:06 ID:gzAxFn9y0
野球バラエティゲーム・パワプロクンポケットシリーズのキャラクターでバトルロワイアルを行うスレです
参加型リレー企画ですのでどなたでも参加ください
参加条件はそれまでの話を熟読することと、パワポケを愛していることのみ。
投下された作品はそれまでに投下された話との矛盾がなく、
ストーリー進行に大きな支障を来すものでない限り、原則として採用されます。
ただし、明らかに荒らし目的と見なすことができる作品は除外されます。


パワポケロワ専用したらば
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11574/
※予約はここにある予約スレで行ってください。予約期間は三日間です。
MAP
http://www33.atwiki.jp/pawapokerowa/pages/13.html
まとめwiki
http://www33.atwiki.jp/pawapokerowa
前スレ
パワプロクンポケットバトルロワイアル
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1215357377/l50

【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。 (優勝者は願い叶う?)
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。


2 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 08:22:50 ID:gzAxFn9y0
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【地図】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。(ただし第一回放送まで支給されていない、もしくは見ることが出来ない)
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。

【『首輪』と禁止エリアについて】
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、『首輪』を填められている
(かならずしも首輪の形である必要性は無し。参加者の形態などによってはチップなどになっている)
首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ
(例外はなし。不死の怪物であろうと、何であろうと死亡)
開催者側は、いつでも自由に首輪を爆発させることができる
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ
『首輪』を外すことは専門的な知識がないと難しい
(下手に無理やり取り去ろうとすると、首輪が自動的に爆発し死ぬことになる)
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると、首輪が自動的に爆発する

【放送について】
放送は6時間ごとに行われる。つまり0時開始だとすると6時、12時、18時、24時ごとになる
放送内容
「禁止エリアの場所と指定される時間」
→出来るだけ離れた地点を2〜3指定。放送から1〜2時間前後ずつで進入禁止に
「前回の放送から今回の放送までに死んだキャラ名」
→死んだ順番、もしくは名簿順に読み上げ
「残りの人数」
→現在生き残っている人数。
「主催の気まぐれなお話」
→内容は書き手の裁量で



3 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 08:23:48 ID:gzAxFn9y0
【ステータス】
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
テンプレはこちら。

【地名/○○日目/時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典シリーズ】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものなどはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
       複数可、書くときは優先順位の高い順に)

【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24

【制限について】
裏出展の参加者→基本制限なし。移動速度、耐久力は制限有り?
メカ亀田→一部武器は制限?
超能力→体力消費増大?
死んだ人は生き返りません
友子の体内にある暗示装置→威力制限と疲労(程度は暗示の内容と書き手の裁量次第?)
しあわせ草ドーピング選手→ドーピング済みで銃を避けれる時期は要制限
それ以外の身体能力が少し上がった程度ならOK
しあわせ草→特に制限なし、よく効く薬草みたいなもの
霊体相手でも物理攻撃は必ず効く、ゲーム中で効かなくてもロワ会場では効く


4 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 08:24:31 ID:gzAxFn9y0
ネタバレ注意

【参加者・生存者状況・○=生存、●=死亡】
2/3【パワプロクンポケット】
●教頭 /○進藤明日香/○平山紀之
4/4【パワプロクンポケット2】
○荒井紀香/○曽根村/○二朱公人/○凡田大介
4/4【パワプロクンポケット3】
○たかゆき/○鋼毅/○三橋一郎/○四路智美
1/1【パワプロクンポケット4】
○天本玲泉
1/1【パワプロクンポケット4裏】
○プレイグ
1/2【パワプロクンポケット5】
○埼川珠子/ ●塚本甚八
1/1【パワプロクンポケット5裏】
○愛
3/3【パワプロクンポケット6】
○青野柴夫/○島岡武雄/○ほるひす
2/3【パワプロクンポケット6裏】
●落田太二 /○ヘルガ/○メカ亀田
6/7【パワプロクンポケット7】
○東優/○倉見春香/○芹沢真央/○七味東雅/ ●ブラウン /○レッド
1/1【パワプロクンポケット7裏】
○黒羽根あやか
7/8【パワプロクンポケット8】
○上川辰也/○黒野鉄斎/○白瀬芙喜子/○高坂茜/○灰原/ ●森友子 /○八神総八郎/○リン
3/4【パワプロクンポケット9】
●太田洋将 /○九条英雄/○椿/○夏目准
1/2【パワプロクンポケット9裏】
●エリ /○カネオ
5/6【パワプロクンポケット10】
●越後竜太郎 /○大江和那/○神条紫杏/○十波典明/○浜野朱里/○芳槻さら

2/2【パワプロクンポケット10裏】
○タケミ/○ピエロ

2/3【パワポケダッシュ】
○小波走太/ ●二ノ宮金太 /○芽森わん子

1/1【パワポケ甲子園】
○甲子園児

残り51/60


5 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 08:37:23 ID:H9i7JW4QO
>>1乙でやんす

6 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 10:28:06 ID:KAMlvatz0
>>1
超乙!
しかしながら名簿にアルベルトと新六、ふぐりと七原が抜けてるんだぜ


7 : ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:28:52 ID:gzAxFn9y0
白瀬、愛を投下します

8 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 12:29:54 ID:gzAxFn9y0
愛は周囲を警戒しながら北上していた。
忍者にとってこの手の隠密行動はお手の物、薄暗い闇の中を疾走していくその姿には一分の迷いもない。
草むらを疾走しながら愛は考える。
あの場に居た人間は少なく見積もっても五十人を超えていた。
そして、先ほど相対した三人は誰もが愛を殺し得ても不思議ではない相手だった。
それは純粋な実力が愛以上だと言う意味ではない。
愛の手持ちの武器がこの筒状のものだけという今の状況では戦闘に限界があるからだ。
現に何故か大した動きではなかった教頭斎に愛は殺されかけた。
その上、窮地に現われたあの女のように戦闘において優れた人間も居る。
だがあの傷では長くはない、死んではいないだろうが満足に動ける傷でもないだろう。
しかし、あの女ほどの腕前の人間がゴロゴロしていると仮定すると生き残ることは難しい。
様々な観点から見ても愛が確実に生き残れる方法は現時点では皆無。
贔屓目に見ても五分五分で死んでしまうだろう。
それも当然だ。
武器らしい武器はなく、忍術は威力も落ちていて体力の消費も著しい。
完璧に詰んだわけではないが苦しい状況に変わりはない。
だが、愛はまだ死ぬわけにはいかないのだ。
野球人形を完成させることで、ある国の殿と姫様の月光への覚えをよくして仕事を増やしてもらわなければいけない。
そのためなら戦えない、愛のような戦うための人間でないただの人を殺す事もやむを得ない。
愛は悪人ではないが忍者だ、任務を成功させるためには関係のない人々を殺す覚悟もしている。
とにかく今はどのようにして生き残るかを考えなくてはいけない。

「!」

そこで立ち止まる。
目の前に一人の女が居たからだ。
愛は身を低くして草むらに隠れ、女の様子を窺う。

9 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:30:32 ID:gzAxFn9y0
女の手元には見たことない種類の銃と、妙な形をした黒い盾が握られている。
今は何とか隠れているが、この距離で銃を相手に戦うのは無謀だ。
しかし、先ほどの教頭斎や背中を斬りつけた女もそうだが妙な服装をしている。
紫色の硬そうな素材を使った服装、南蛮から入ってきた新しい服なのだろう。
今の流行ものなのだろうか?
いずれにしろ貧乏一門である月光には縁のない代物だ。
さて、ここでどうするか。
忍術を使えば勝てない事もないが、かなりの体力を消費してしまい先ほどのように万が一があれば死んでしまう。
しかし、ここであの女を倒すとあの銃を得ることが出来る。
最高は銃だけを奪ってここを去り、あの女を生かして愛が動くことなく人数を減らさせる事だ。
先ほどのような醜態を晒さないためにも殺傷力の高い銃を奪っておきたいところ。
愛は身構えて姿勢をさらに低くする。
デイバックから筆記用具とコンパスを取り出して、女の左右に向かって投げつける。
そして、二つが落ちる前に静かに、だが素早く駆け出す。
愛の手刀が狙うのは女の首。
筆記用具とコンパスに気をとられる間の一瞬の隙があれば十分だ。
この手刀が当たらないわけがない、愛は忍者、つまりは暗殺の専門家である。
気絶をさせて小銃と他の武器を奪う、それが愛の狙いだった。

「なっ!?」
「動きはいい……だけど、残念賞ね。
 隠れる時はもっと慎重にしたほうがいいわよ」

だが、手に広がった感触は柔らかいながらも硬い首の感触ではなく鈍い痛みだった。
女の持っていた奇妙な黒い盾によって手刀は防がれたのだ。
つまり目の前の女は愛に気付いていた、そして愛はのこのこと誘いに乗ってしまったのだ。
だから筆記用具にもコンパスにも気をとられることなくその盾で防ぐ事が出来た。
愛は激しく動揺するが、それでも身体に動きが染み付いているのか考えるよりも早く次の攻撃へと移る。
だが、女は愛が攻撃へと移るよりも早く鋭い蹴りを放つ。
愛はそれを無理やり後方に下がる事で何とか避ける。
だが、これは一番してはいけない動き。
当然の如く女はその銃を発砲する。
愛が自分のした悪手に気付く頃には避けられるはずもなく脳天を撃ち抜かれ――。

10 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:31:05 ID:gzAxFn9y0

「……え?」

なかった。
銃からは弾は出ずにニヤついている女がいるだけだ。
女は銃を懐に納めて何もしてこない。
愛はその行動の真意が掴めずにうろたえていると女は口を開いた。

「ふふ、あんたも殺し合いに乗ってるのね」
「……あんた『も』ってことは」
「ええ、私も乗っているわ。さすがに『アレ』は私じゃ倒せないもの」

『アレ』とはあの巨大なからくりの事だろう。
確かにあれは凶悪なまでの強さを誇っている。
あの『ばりあー』なるもので近寄らせずに『びーむ』なるもので人を焼き払う。
なにより大きいというのはそれだけで強いのだ。

「かと言ってこの銃一本と自分の腕だけで全員を皆殺しに出来ると思うほど私は自信家じゃない。
 仮に私がこの場で一番強いと仮定しても、どんなアクシデントが起こるかわからないんだもの」
「……結局、何が言いたいの?」

愛は半ばこの女の言いたい事を察しつつも訊ねる。
女はニヤりと笑みを深くして言った。

「私と手を組まない?
 さっきの動きは見事だったわ、誘いに乗っちゃったのは減点対象だけどね」

予想通りの言葉だ。
確かに手を組めば生き残る可能性はグンと上がるだろう。
だが、同時に常に裏切りに怯えなければいけない。
相手は殺し合いに乗っていると明言しているのだ、握手をした瞬間に心臓を撃ち抜いてもおかしくはない。

「あんたも思ってたんでしょ、自分だけじゃ無理があるって。
 その包帯も誰かにやられたいい証拠じゃない」
「……信じられないわね、そんなこと」
「まあ、そうよね。
 殺し合いに乗って最後の一人になるってことと手を組むってことは大きく矛盾してるもの。
 でも一人だけで生き残れるかしら? それなら条件付きででも手を組むのが利口なやり方というものじゃない」
「条件?」


11 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:31:36 ID:gzAxFn9y0
その言葉に少しだけ興味が惹かれる。
条件付きとは一体どういう意味なのだろうか?

「ええ、例えばそうね。
 残りの人数が三割をきれば同盟は解消、次の放送までは命を狙わない期限付きの同盟とかね。
 もちろんこれは例えばの話、最後の二人になるまでずっと組んでいてもいいわよ」
「へえ……」

中々面白い話だ。
これがツボに嵌れば、かなり有利な展開になるだろう。
ツボに嵌る前に死んでしまう可能性もあるが、一人よりは確実性もある。
……目の前の女が裏切らないと言う前提がつくが。

「どう、いい話だとは思わない?」
「そうね……」
「嘘はつかないわ。どう、乗ってみる?」

目の前の女はそんな友好的な姿勢を見せていると言うのに隙はちっとも見せない。
かなりの食わせ物だがそれぐらいの方が同行者としては都合がいい。
このままでは袋小路、何時死んでもおかしくない。
二人なら戦闘の際にも楽だし、何より見張りが出来る分ゆっくりと身体を休めることが出来る。
愛は女に目を合わせて力強く頷いた。

「ええ、乗るわ」
「そう、友好的な関係が築けて私も嬉しいわ。
 私の名前は白瀬 芙喜子、あんたは?」
「私は愛、風賀の国に住む月光の忍者よ」
「…………は?」

先ほどまでの薄気味悪さすら感じる余裕が飛び去り、女は愛の言葉に目を丸くした。

12 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:32:13 ID:gzAxFn9y0


   ◆   ◇   ◆


白瀬は中々調子の良いスタートだと心の中で思っていた。
支給品はさおりちゃん人形とフライパンという目も当てられないものではあった。
だが、チンピラを一人殺して銃器を手に入れ、目の前の忍者装束の女とも同盟を組めそうなのだ。
白瀬が彼女と手を組もうと思った理由は主に三つ。
一つは先ほど言ったとおり自分一人では生き残れる自信がなかったから。
どんなに強力な装備で身を固めようと何が起こるかはわからない。
もう一つは愛の動きがCCRのエージェントと比べても、いやそれを十二分に上回る動きだったからだ。
白瀬や灰原、八神たちトップクラスのエージェントと何の遜色もない、かなりの腕前だ。
白瀬に手刀を振り下ろす時の動きに迷いがなかったこともポイントが高い。
最後の一つはあのホールで元同僚にして恋人である八神 総八郎らしき姿を見つけたから。
八神は身体能力、射撃の精度、その場の閃き、どれをとっても白瀬の一つ上をいっている。
まともにぶつかってはまず負ける。
と言ってもお人よしの八神が殺し合いに乗っていると思えないし。
ひょっとしたら、甘い彼のことだからとっくに気の狂った人間に殺されているかもしれない。
そんなことは白瀬は許せない。
強者ならば八神は容赦しないだろう、だから彼を殺せる可能性の高い弱者は一刻も早く殺さなければいけない。

「ええ、乗るわ」

そこまで考えていると目の前の女が返事をした。
100%の安心は出来ないが、当面の裏切りは恐らくない。
この女も馬鹿ではないはずだ。
同盟を組んでいたほうが何倍も有利だとはわかっているだろう。

「そう、友好的な関係が築けて私も嬉しいわ。
 私の名前は白瀬 芙喜子、あんたは?」

白瀬は尋ねる。
目の前の女はやはり警戒を解かずに口を開いた。

「私の名前は愛、風賀の国に住む月光の忍者よ」

その唐突な、頭を心配してしまう言葉に思わず白瀬は――。

「…………は?」


13 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:32:51 ID:gzAxFn9y0
そんな普段の姿とはまるで似合わない、間の抜けた声を発してしまった。
そして瞬時にその言葉の意味を理解しようと頭を働かせる。
『フウガ』の国。まず白瀬はそんな国を知らない、そして言い回し的に戦国時代のニュアンスを感じる。
そして戦国時代といえば武士と裏で暗躍する間者、つまり忍者が思い浮かぶ。
目の前の女、愛の服装は忍者忍者している。
白瀬はそこまで考えてようやく悟った。

(ああ――――電波ね)

不意に思い出す、歩行者天国で見かけた一つの集団を。
その中心にはピンク色の髪をしてフリフリの服を着た如何にも頭の悪そうな女が居た。
つまりは目の前の女はそれだ。
それと同種、ベクトルは全く違うようだが。

(……かといってせっかくの同盟、しかも相手は強者、ここで放り投げる理由にはならないわね。
 それに『風賀の国』という私の知らない組織の中の『月光』という部署なのかもしれない。
 そう思いなさい、思い込むのよ白瀬芙喜子)

何故電波がこんな戦闘能力を持っているのかは知らない。
知らないが、それはどうでもいいことだ、些事に過ぎない。
白瀬は必死に目の前の事柄から逃げていた。

「…………………………………よろしく」
「ええ、こちらこそ。貴方はどこの国のものかしら?」
「…………………………………日本よ日本、決まってるじゃない」
「ニホン? ああ、日の本ね、確かに決まってるわよね。
 その服装は南蛮由来のものかしら?」
「…………………………………エエ、ソウデスヨー」

白瀬は真剣に頭痛を感じていた。
これからこの電波に悩まされ続けると思うと当然ともいえる。
白瀬は頭を軽く振って真剣な表情に無理やり作り変えて愛へと向き直る。


14 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:33:28 ID:gzAxFn9y0
「同盟を組む際に二つつだけ約束して欲しい事があるのよ」
「……何かしら?」
「大したことじゃないわ。
 一つは危険な状況で見捨てても文句は言わない、相手を庇う必要なんて全くないって言うこと。
 もう一つはただある男、ひょっとするといないのかもしれないけど、八神 総八郎って男にだけは手を出さないで」
「? 別に構わないけど……殺されそうになった時は約束できないわ」
「ええ、そこまでは強要しないわよ」
「……良かったら話を聞かせてもらえないかしら、当たり障りがない程度で構わないから。
 恋人かしら? それとも自分の手で殺さないと許せない仇か何か?」
「彼とは一線を越えた仲よ」
「なるほど、その男を生かしたいのね」

愛は納得したと言わんばかりに首を縦に振る。
この薄気味悪い女にもそんな人間らしい思考があったのだな、と少し安堵しながら。
その愛に向かって白瀬は――。

「違うわ。
 私はただ彼をこの手で殺したいだけなの」

朗らかに、今まで以上に気持ちのいい笑顔でそう返した。

「………………………………は?」

今度は愛が愕然とする番だったようだ。
白瀬はそんな愛に気付いているのかいないのか言葉を止めようとしない。

「私は綺麗に死にたかったんだ。
 職業の関係上、御伽噺の主人公みたいに物語の後は平和に暮らしました、なんて結末は絶対に望めない。
 それでつい最近そのときが来たんだけど死に損なっちゃったわけ。
 ちょうど死に際を看取ってくれって頼んだ彼も居たんだけどね。
 その後、私は必死に考えて答えを出したの。
 私の死は彼に見届けてもらえなかった。だったら、彼の死に際は私が見届けるって決めたの。
 それをするには私が殺すのが一番確実でしょ?」


15 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:33:59 ID:gzAxFn9y0
とんでもない理屈である。
綺麗に死に損なったから代わりに彼氏は殺す、なんて理屈で殺される男の身にもなってみろと言うものだ。
白瀬は喋りすぎたかと少し反省した表情になり、コホンと咳払いをしてから愛に話しかけた。

「ところで貴女の武器はなにかしら? まさか何もないの?」
「使える武器は何もないわ。
 他には何か筒状のものが一つ……使用方法は書いてないわ」

愛がデイバックから取り出したものは変わった起伏を描いた重火器。
その重火器の名はパンツァーファウスト、いわゆるロケット弾である。

「へえ、当たり――って程でもないわね、一本だけなら」

確かに車ぐらいなら軽く吹き飛ばせる威力はあるだろうが一つだけならあまり有効だとは言えない。
それでもフライパンとさおりちゃん人形に比べれば十分に当たりというものだ。

「これは私が預かっとくわ。どうせあんたじゃ狙いもつけられないでしょ。
 代わりにフライパンあげるから」
「……正論だけどイラッと来るわね」

そんなふて腐れた愛を尻目に白瀬はふと考える。
パンツァーファウストを手に入れ凄腕の自称・忍者を仲間に出来た今もう一人を追う必要はあるのか。
攻め込むよりも防衛する方が勝率は高いことを考えると、どこかに拠点を築くのも面白いかもしれない。
だが、武器を持っているかもしれない人間を見逃すのは痛い。

さて、拠点を築くか、それとも先ほどまでの方針と同じくもう一人を探すか――


16 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:34:30 ID:gzAxFn9y0
【E−3/草原/一日目/黎明】
【白瀬芙喜子@パワプロクンポケット8表】
[状態]健康
[参戦時期]:最高の猟犬後
[装備]ベレッタM92(13/15)、ロケット弾
[道具]支給品一式(不明支給品0〜2)、予備弾倉×5、さおりちゃん人形@パワポケ6裏、ケチャップ(残り1/4程度)
[思考]
基本:優勝する
1:さて、どうする――?
2:戦力増強のため弱者から倒す、強者は後回し
3:愛と共に行動する
4:もし八神が参加していれば最優先で殺す

【愛@パワプロクンポケット5裏】
[状態]:右わき腹に傷(応急処置済み)
[装備]:なし、
[参戦時期]:月光ルート途中
[道具]:支給品一式、フライパン
[思考・状況]
1:自分が生き残ることが第一
2:そのためなら白瀬や他の人間を殺すのもやむ負えない
3:一先ずは白瀬と共に行動する

[備考]
※同盟を組む条件の詳細については後続の書き手さんにお任せします。


17 :最高の猟犬  ◆7WJp/yel/Y :2008/07/31(木) 12:36:09 ID:gzAxFn9y0
投下終了です
少し手違いで>>8の名前欄に書き忘れてしまいました
誤字脱字、矛盾、問題点の指摘お願いします

>>6
すみません……orz
脳内保管と次スレでの修正お願いします

18 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 13:11:34 ID:LQzjhb5IO
投下乙!
これはいい凸凹コンビになりそうだwww
やっぱり女マーダーのコンビは見ていてニヤニヤ出来ていいなw

19 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 14:01:57 ID:ovSN1BKr0
投下超乙です。
白瀬カッケーーーー!!!
このコンビは身体能力と頭脳ならトップレベルじゃね?武器以外は・・・
さて、北には野丸、西には平山と紀香か・・・

20 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 14:29:42 ID:KAMlvatz0
投下超GJ!
相変わらず文章うまいなあ・・・
そしてコイツら格好良すぎる
ちょったばかり気の狂ったカッコイイ二人の今後に期待大だぜ

21 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 20:24:37 ID:oFbHtbddO
投下GJ
クールな女はかっけえなあ……
白瀬、お前も十分電波だw

22 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/07/31(木) 22:57:59 ID:5wSAfGxF0
GJ!
これはいいマーダーコンビ
電波だけど二人共マーダーでは最強格なんだよな
相変わらず文が読みやすいですし、次回以降も期待してかまいませんね!?

23 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/31(木) 22:58:57 ID:5wSAfGxF0
やべ、トリ消しわすれた……

24 : ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:18:44 ID:qUsZaDjM0
タケミ、たかゆき、十波で投下します。

25 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:20:59 ID:qUsZaDjM0
「なかなか着かねえな」

「そうだね。これじゃあしばらくかかりそうだね」

タケミはたかゆきの足――もとい、キャタピラを眺めては、はぁとため息をついて呟く。
もう同じようなやりとりを5回はしている。
このロボット―――本人曰く人間だが―――は常に口を動かしていないと落ち着かないらしい。
ロボットなだけに表情の変化は無いのだが、口だけはガパガパと動かすことが出来るので、非常にやかましいのだ。
勿論それに関して本人に自覚があるはずもなく、旅の仲間が出来た嬉しさからか、
カラカラと笑いながら常にタケミに対して話をかけてくる。
タケミも人と話すのが嫌いなわけではないが、こんなにもペラペラと話し続けるほどの器量は持ち合わせていなかった。

とりあえずは、また話しかけてくるたかゆきを「はいはい」とか「そうだね」といった言葉で軽く相手にしながら、
手元の地図とコンパス、そして時計に目を落とす。
2人は泉から真っ直ぐ南に歩いてきていた。
泉を発っておよそ30分。現在時刻は丁度2時を回ったところだった。
多分、エリアとしてはC−6あたりには来た事になるのだろう。
目印が無いのでどうにも確認しづらいが、あのスピードであれだけ歩けばそんなもんだろう。
それでも一応、タケミは確認を入れることにした。

「ねぇ、たかゆき?」

「おう。なんだ?」

「あのさ。ちょっと聞きたいんだけどね。たかゆきって、なんか……現在地を特定したりとか、
どれだけ歩いたかを計る機能とかってついてないかな?」

ちょっとストレートに聞きすぎたかな、と思うと、思っていた通りの答えが返ってくる。

「おう、何だその機能ってのは。俺みたいな“人間”にはそんな便利な機能はついてないぜ」

わかったわかったと言いながらタケミは地図を作業着の胸ポケットにしまうと、コンパスと時計はしまわずに自分の首から提げる。
常に状況を把握しやすくするためにはとりあえずこんな感じにしておくのがいいのだろう、と考えてのものである。


26 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 01:21:31 ID:1JEY98Tg0
こうしえん

27 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:23:23 ID:qUsZaDjM0
地図で確認したところ、工場に向かうにはそろそろ西の方角に少しだけ歩みを変えなければならないらしい。
しっかりと角度を測って方向転換をするか、風に任せていけばいいのか迷うところだったが、
こんなにちゃんとした機器が揃っているんだから、しっかりと図ってみることにする。
そして、暗い中で目を凝らしながら「う〜ん」とコンパスを合わせていると、
コンコンとタケミの腰辺りをドリルの先端が突っついた。

「ん?どうしたの?」

「いや。あれ見てくれよ」

スッとたかゆきが手で指し示したその先をタケミも目で追っていくと、
そこにはポツリとひとつの影があるのが見えた。
暗くて遠くてよく見えないけれど、何となくその影は一緒に冒険をしているモグラ乗りの姿にも見えた。
勿論、彼であればタケミも喜んで駆け寄っているところだったのだが、どうも違うらしい。
よーく目を凝らしてみてみると、その影になっている人物は何かのユニフォームに、
つばのついた帽子をかぶっていた。
彼があんな格好でいるのは見た事が無い。
しかしそれよりも気になるのは彼が手にしているものであった。
それは下を向いているのではっきりと確認は出来なかったが、明らかに銃であることはわかった。
そして何と……こちらが気付いた事にあちらも気付いたのか、
それまで下を向いていた銃口をこちらに向けて歩み寄ってきたのだ。

「おい、どうするか?」

「う〜ん。ちょっとヤバイかもね」

タケミは作業着のポケットに手をやる。そこには先ほどしまった爆弾がひとつ。
こちらには恐らく銃弾のひとつやふたつ受けても死ぬことは無いだろう、たかゆきもいる。
いざとなったときには……タケミ自身がどうにかすることもできるだろう。
しかし、タケミは余計な戦闘はしたいとは思っていなかった。
出来ることなら、一人も傷つくことなくこのゲームが終わればいいと思っている。
しかし、目の前には銃を構えた男がいる。
どうするべきか。ここはやはり交渉を持ちかけるべきか。

「タケミ! 俺の後に隠れてろ!」

最善の方法を必死に考えるタケミに対して、たかゆきはやる気―――ならぬ、殺る気―――満々でいた。
ドリルをキュルキュとまわし、とろとろとした足取りで男の下へと走っていく。

「ちょっと……まずは話し合いからだからね」

とりあえずはタケミもたかゆきの後に続く形で歩いていった。


28 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:25:18 ID:qUsZaDjM0
☆☆☆

森さんの亡骸を背にして歩いていると、5分くらい経ってからだろうか。
後から何やら大声が聞こえてきた。
誰かが襲われたのだろうかとも思ったが、どうも様子が違う。
怒りと悲しみに満ちたその声は、明らかに人に襲われるそれとは違う。

もしかしたら……森さんの知り合いが……?

それはあまりにもタイミングが良すぎるとも考えたが、可能性はゼロではない。
そして同時に思い出す。森さんとの僅かな時間での会話を。

『貴方にだって待っててくれる恋人がいるだろうし、その娘を悲しませたくはないから』

『その娘、今でも本心では貴方を愛していると思うわ』

彼女は執拗に俺に恋人のことを語らせようとしていた。
何か意図があってのものか、彼女の本心からの言葉なのか、それはわからないが、俺は前者であると判断した。
そしてその一言ひと言が、彼女を死の淵へと追いやるスイッチとなっていたことも間違いないだろう。

そんな森さんとの会話を思い出す中で、俺は彼女と会話をしながらも、彼女自身のことは殆ど何も聞いていなかったことに気付いた。
俺がプロ野球選手だと話したときの反応を見ると、野球に関心があるのか、
もしくはプロの選手に知り合いがいるのか……と想像を膨らますことは出来ても、結局はよく分からない。
俺に恋人についての話を振ってくるくらいだし、案外綺麗な人でもあったので、恋人のひとりやふたりくらいはいるのだろう。

そんなことを思いながら、俺は震えるのだった。
もしも、もしも今の怒号が、森さんの知り合いだったら……。
そして万が一、彼女の恋人や家族にあたる人物であったなら……。
そう考えると後を振り返るのも恐ろしくなり、俺はスタスタと早足で歩き始めた。


29 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:26:59 ID:qUsZaDjM0
そんな俺が奇妙な“モノ”を発見したのは20分ほど歩いてからだった。
もうそろそろ後を気にしなくても大丈夫か、と思い始めたときのことだった。
「カカカカカカカ」と笑う(?)奇妙なそれは、
リボンと作業着と言うこれまたアンバランスな格好をする少女を伴って歩いているのだった。
誰がどう考えようと、それはロボット。
まぁ、小学生に戦隊ヒーローが参加しているのであれば、ロボットがいてもおかしくはあるまい。
問題は、こいつが信頼できる人間―――もとい、ロボットであるかである。
どちらかと言えば少女の方が話はしやすそうではあるが、二人の話す様子を見ても、
まずはこのロボットを介してからでないといけないようだ。
その場合こちらはどういったスタンスで対するべきか。
まずは相手の“本心”を、信頼するに足るかどうかの要素を聞きだすために。
少女ひとりであればこのマシンガンを突きつけておけばどうにか話してはくれるだろう。
勿論、それは最終手段ではあるが。
しかし問題はこのロボット。
話して通じそうにもないし、武器を見せたところで逆上してこちらが攻撃されて終わり、と言うこともあり得る。
「う〜ん」と少し考えてみるが、とても良い考えは浮かばない。
投手の心理を読むのであれば得意ではあるのだが、どうにも人間関係ともなると難しいものだ。

そして何だかんだと考えているうちに、少女とロボットがこちらに気付いてしまった。
あぁ……何やってんだ俺。万事休す。
野球で言えば……さしずめ、1アウト2,3塁でスクイズのサインを出されたけど、
もたもたしてるうちに2ストライク、みたいな状況か!

こんなときは落ち着いてどうするか考えよう。
……追い込まれた……2ストライク……スクイズか……1アウト……2、3塁……俺だったらここは……ヒッティングだ!

野球に例えるとなんて分かりやすいんだ!
俺は迷うことなく、ヒッティングに……つまり、銃口を前に向け、狙いを定めた。
ピッチャーはあのロボットだ! 
ここまで来ると俺もよくわからないが、野球のルールに間違いはない!
俺はそう確信を持って引き金を引いた。


30 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:29:59 ID:qUsZaDjM0
☆☆☆

「ダダダダダ」と銃声が鳴り響いたかと思うと、たかゆきは足を止めた。

「痛てて……痛てえよ!やめろ!」

マシンガンから放たれる銃弾は確実にたかゆきの体に命中していたが、
ボディにへこみや傷がつくことはあっても、どれも致命傷に至るようなものではなかった。
それよりもたかゆきは自分の後ろを歩くタケミのことを心配する。

「おい、タケミ。大丈夫か?」

「うん。なんとか、ね」

タケミも銃弾を受けたくらいで簡単に死ぬつもりは無かったが、急な発砲にはとても驚いて、その場にへたりこんでしまった。
別に足がすくんだわけでも腰が抜けたわけでもないのだが、これには流石に驚いた。
心配そうにたかゆきが振り返るが、「大丈夫大丈夫」とガッツポーズを見せて立ち上がる。

「いきなり撃ってきたね」

「ああ。どうやらあっちは殺る気らしいぜ。だったらこっちも手加減無しだぜ!」

勢い付いて目の前の男―――十波典明に向かっていこうとするたかゆきだが、
いかんせんキャタピラの調子が悪くてスピードが出ない。
勢いはありながらも、人が歩くくらいのスピードで動くそれには全く迫力が無かった。


一方の十波は、素直に驚いていた。
マシンガンが全然効かない。
スピードは遅いが、ピンピンしながらこちらへと向かってくる。

……野球で言えば……ピッチャーライナーとでも言ったところか……。

一旦肩を落とした十波だったが、しかしまだ自分が生きていることを思い出す。

……そうだ。まだ死(アウト)は取られていないぞ!
ファールだ。さっきの打球はファールだ!

訳の分からないことを考えながらも、十波はデイパックの中から空き缶を取り出すと、
自分の足元の砂を集めて中に詰め始めた。
最初はただの空き缶だったものが、段々と野球のボールほどの重さまで近づいていく。
そして詰め終わった頃には、軽いダンベルほどの重さにまでなっていた。
しっかりとその重みを確認すると、十波は右手にしっかりと缶を握り、2,3歩あとずさる。

31 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:30:47 ID:qUsZaDjM0
「食らえ! レーザービームだぜ!」

そう叫ぶと、重くなった缶を思い切りたかゆき向かって投げつける。
文字通りレーザービームのように真っ直ぐに飛んでいったその缶は、
宣言どおりたかゆきの頭に激突すると、粉々に砕け散り、辺りには砂が舞った。

「ぐわぁ! 痛てえ!」

一言そう叫ぶと、たかゆきは後頭部から叩きつけられるように地面に倒れこみ、動かなくなった。
それを見届けると「よっしゃあ!」と十波は雄たけびを上げ、ガッツポーズをとる。
十波はこの一世一代の勝負に勝ったのだ。
追い込まれながらも、たかゆきという一流のピッチャーを打ち崩し、このチャンスの場面で得点を決めたのだ。
久々の好投手との勝負。野球選手としてここは熱くならずにはいられないだろう。
十波がそうやって一人で喜びを噛み締めていると、急に頭に衝撃が走った。
……まぁ、塁に生還したらこういう手荒い歓迎もあるよなぁ、と呑気なことを考えていると、今度は腹に何かがぶつかる。
……何かおかしいぞ、と流石にこれを受けて我に帰った十波が辺りを見回すと、
そこには地面から突き出た……2本の触手のようなものがあった。
ヤバイ!と思ってマシンガンを構えるが、それも瞬間に触手の一撃を受けて叩き落されてしまう。
そして地面に落ちたマシンガンを2度、3度、とその触手が叩いたかと思うと、マシンガンは粉々に砕け散ってしまった。
これで武器は殆ど無くなった。
まさかバタフライナイフひとつでこんなものに勝てるはずが無い。それくらいはいくら何でも十波にも理解できた。
とにかく、これは逃げるしかないだろう。
あの少女とロボットのことは気になるが、今は自分の命を優先するしかない。
そんなことを思うと、十波は迷うことなく駆け出した。


32 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:32:18 ID:qUsZaDjM0
☆☆☆

たかゆきが目を覚ました時は、空の色が少しだけ明るくなってきていた。
結構長い時間気絶していたようだ。
顔に手をやると、あの男に投げつけられた缶の破片が沢山突き刺さっているのが分かった。

「痛ってぇなぁ。あの野郎が……」

突き刺さった破片を一つひとつ抜きながら上体を起こす。
そこで目の前に見たのは、仰向けになって倒れているタケミの姿だった。
最悪の事態を思い浮かべたたかゆきは、急いでタケミの元へと駆け寄る。

「大丈夫か。おい! 動けるのか!?」

カタカタと音を鳴らしながら叫ぶたかゆきに揺り動かされてタケミは目を覚ました。
そして体中を覆う疲労と頭痛に倦怠感を覚える。

……おかしいなぁ。久しぶりだからかなぁ……

先ほどたかゆきが倒れた直後、十波に対して危険なものを感じたタケミは、少し戸惑いながらも、自らの“力”を解放した。
元々殺したりするつもりはないし、早くここから立ち去ってくれればいいやと思って軽くいなしていたつもりだったが、彼は相当驚いたらしく、足早に走り去っていった。
念のために銃もバラバラにしておいたのだが、その時くらいから妙に体が重く感じられた。
その後はフラフラとしながらも十波が戻ってこないのを確認しなければならないと思い、彼が見えなくなるまではそちらを見つめていたが、
十波が完全に姿を消すと、ふっと電池が切れるようにタケミはその場に倒れたのだった。


「ごめん。心配かけちゃったね」

そして今はタケミがたかゆきの歪んだ顔と傷だらけのボディに応急処置を施している。
応急処置といっても、工具を一切持たないタケミにはその辺の石を用いてのその場限りのものしかできなかったが、
たかゆきは満足したらしく、
「おう。ありがとな」といってまたカタカタと口を鳴らして喜んでいた。

当のタケミの方も充分に体力は戻ったらしく、たかゆきを伴って再び工場へ向けての地図を開く。
「色々あるけどさ、焦らずにのんびり行こうよ」と、奇妙な2人ののんびり珍道中は再び歩を進めるのであった。


33 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:33:32 ID:qUsZaDjM0
☆☆☆

何だったのだろうか、あの触手は。
恐らく、亀田がこの島に仕掛けておいたトラップのようなものなのだろうが、突然の出現にはビックリした。
マシンガンも破壊されてしまって、散々な目にあった。
何よりも、俺が勝利に酔いしれているときにそれを妨害するような形での乱入が許せなかった。
……まぁ、冷静に考えたらあの場面であんなこと考えてる俺がどうかしてるんだろうが、
野球以外に取り柄のない俺にとっては、あれが精一杯の状況を判断する方法だった。
まぁとりあえず今は安全なところまで逃げてきたのだから、
冷静になったついでにちょっとさっきから引っかかっていることについて考えてみよう。
あのロボットについてである。
あれは、ずっとこの殺人ゲームの参加者だと思い込んでいたんだが、思い返してみると、
ロボットであるということ以外に、おかしな部分がひとつあった。
首輪である。
あのロボットは首輪をしていなかった。
俺は頭は悪いかもしれないけど、目と反射神経ならば誰にも負けない自信がある。
高校時代、守備のときはずっとボールがバットに当たって、前に飛んできてから体を動かしていた。それでもエラーゼロである。
そんな俺が見たのだから間違いない。奴は確実に首輪をしていなかった。
それが何を意味するのか……。俺はよーく考えた。
そこでもうひとつ思い出したのが、あの女の子の格好である。
可愛らしいリボンには似つかわしくない作業着姿。首にはしっかりと首輪がついている。
俺が推測するに、あの女の子は相当な技術力を持った……技術者なのだ。
多分、自分の身を守るためにあのロボットを作って、ボディーガードの代わりにでもしているのだろう。
うん。間違いない。さすが俺だ。

ここまでよく順番に整理して考えて、俺のやるべきこともやっと見えてくる。
たとえ数学の問題を順番に解くことができなくても、選手の打順とポジションを決めることならできる。そんな感じの要領だ。
……まぁつまりは、あの女の子は相当の技術を持ってはいるが、生き残るための戦力が足りない。
そして俺は、それなりに体力はあるけれども、この首輪をはずす能力も知識もない。
見事に利害が一致というやつだ。

問題はあのロボットの存在と彼女が本当に俺を必要としているかであるが、
あいつよりも俺のほうが強いのが立証済みなので大丈夫だろう!

何を起因とするのかがまったく分からない(恐らくは野球)自身と確信を得た十波典明は、
再び先程の場所へ向かい、歩を進めるのであった。


34 :南へ東へ珍道中  ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:34:55 ID:qUsZaDjM0
【C-6/1日目/黎明】
【たかゆき@パワプロクンポケット3】
[状態]:左足(キャタピラ)に軽度の故障、全身に損傷(応急処置済み、精度に異常はなし)
[装備]:右手にドリル
[道具]:支給品一式、神速
[思考]
基本:亀田がムカつくので殺し合いに乗らない
1:修理してもらいたいからタケミに着いていく
2:襲ってきた相手には容赦しない
[備考]
※ある程度の損傷までなら部品と道具次第で直すことができます
※しかし機械に精通した人でなければ修理できません
※頭部であるメインコンピュータは修復できません

【タケミ@パワプロクンポケット10裏】
[参戦時期]: ED後
[状態]:軽度の疲労
[装備]:爆弾一個、作業着、コンパス、時計
[道具]:支給品一式、爆弾セット(残り5個)
[思考]
基本:殺し合いには乗らない、首輪を外すために行動する
1:工具を手に入れるため工場に向かう
2:たかゆきを修理する
3:出来るだけ戦いたくないが、どうしようも無ければ戦う
4:たかゆきがちょっとうるさい
[備考]
※モンスターとしての力は短時間、疲労大の条件の下、発動可


【十波典明@パワプロクンポケット10】
[参戦時期]:さらBADエンディング後
[状態]:「人を信じる」という感情の欠落、野球に対しての情熱
[装備]:バタフライナイフ、青酸カリ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:殺し合いはしたくないし、“信用できる人間”を探す
2:“危険な人物”は仕方ないから倒す
3:かつての仲間、8主人公もいつか自分を裏切るんじゃないかと不安
4:利害が一致するであろうタケミと手を組む
[備考]
1:信頼できる人間とは「何故自分と手を組むのか、その理由を自分が理解できる人物」を指します
2:逆に「自分の理解できない理由で手を組もうとする人間には裏がある」と考えてます
3:さらルート攻略中に他の彼女ルートにも手を出していた可能性があります
4:青酸カリの仕込まれた食糧などがあるのではと危惧したため、友子の荷物は死体の傍に放置しました
5:たかゆきをタケミの作ったロボットだと思っています。
6:タケミが発動させた触手をただのトラップだと勘違いしています。


35 : ◆n7WC63aPRk :2008/08/01(金) 01:37:07 ID:qUsZaDjM0
以上で投下終了になります。
短時間で書き上げたので粗が多いかもしれません。
何かありましたらご指摘ありがとうございます。


……またカオスなキャラを作ってしまってすいませんw

36 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 03:05:44 ID:LSHH/DZM0
投下乙です。
十www波www
こいつの考察まじぱねぇwww
越後亡き今、ロワ内で最も凄まじい頭脳の持ち主は間違いなくこいつだろwww
でもそんな十波が嫌いじゃないぜwww
非常に笑わせてもらいました。楽しかったです。

37 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 04:28:11 ID:dKRuxL/a0
投下乙です
たかゆきと十波自重wうざいにも程があるぞwww
何でいきなり『やろう、ぶっころしてやる!』な思考なんだよお前らはwww
タケミが可哀想でならないぜw
でもそんなたかゆきや十波のこと、俺は嫌いじゃないぜ!

38 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 11:23:43 ID:6y1ST0XZ0
投下GJ!
タケミがいい子すぎて泣けてくる
たかゆきも割と物騒なのにほのぼのコンビにも見えてきたぜ
何気にたかゆきとタケミって戦力的にバランス取れてたんだなあ
マシンガンに勝つとは……伊達に裏出典じゃないな
野球馬鹿の考察はひどすぐるwww
反主催ルートに入っても役に立つ気がしねえwwww
いきなり攻撃仕掛けた相手と組めると思うあたりもイカレてるなあ

39 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 16:29:00 ID:AHnMuRASO
>>17
さすが、シビアな世界を生き抜いてきた二人なだけあるな
装備が貧弱だが、頭脳と精神力ならマーダーでもトップクラスじゃなかろうか
このコンビの今後に期待!

>>35
十波wwww
発想力に関してだけいえば天才的かもしれんwww
こんなアフォでも南に茜がいることを思えば仲間にするべきなのかもしれんな……

40 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 18:20:07 ID:9i5VeU8b0
>>39
そういやたかゆき達の行き先にいるんだったか。>茜

でもそれなら途中で九条でも拾ったほうが(ry

41 : ◆wKs3a28q6Q :2008/08/01(金) 23:17:35 ID:6y1ST0XZ0
アルベルト・安生・アズナブル、萩原新六、三橋一郎を投下します

42 :三橋一郎、萩原らに遇う:2008/08/01(金) 23:20:07 ID:6y1ST0XZ0
自分のいる位置がE-05であることが分かり、俺はますます亀田君に感謝した。
俺がどこに行こうと思っても、目的地がそんなに遠くならない絶好の場所。
そこにわざわざ俺を飛ばしてくれるなんて、亀田君は本当にいい奴だ。
親友として、俺はその期待に応えなくっちゃ。
「まずは東にでも行こうかな」
東側には川がある。
そのため川より向こう側でスタートした人間は行動を4パターンに絞られる事になる。
南下して遊園地方面に向かうか、北上して商店街側まで回り込むか。そして素直に西の橋を渡るかだ。
この3つのどれかを選んだ人物はいい。
それが殺し合いに賛成する者か否かに関わらず、少なくとも行動を起こすつもりはあるということなのだから。
問題なのは、『3方向からしか敵が来ないのでその場に陣取り待機する』という者だ。
亀田君の親友として、そういった“やる気のない連中”はさっさと始末しておきたい。
まあ、中盤まではさほど慌てる必要もないんだ。誰もいないならいないでそれでいい。
そこから適当にぶらつけばいいだけの話だ。
別に今から慌てることはないんだから。
そんなわけで俺は東へ向かって歩き続け――間もなく、“やる気のない連中”と遭遇する事になる。





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





「…………いや、いやいやいや何やってるんだ俺は」
我に返った。
野球は楽しいし、ずっとやっていたいけど、そういうわけにはいかないじゃないか。
亀田を倒し、早く犯人を捕まえなくちゃいけないのに。
「オウ、よそ見したら危ないデース!」
「いてっ」
ボールを見事に頭に食らう。
所詮はキャッチボール、ノックに比べたら威力が大幅に低いとは言え、それでも結構痛かった。
うーん、硬球恐るべし。
「大丈夫デースか?」
「あ、ああ……」
とりあえず、コイツが無害と分かっただけ収穫としよう。
殺し合いという場において仲間の存在はかなり大きい。
仲間を作っている方が信頼も得やすいだろうし、何より戦闘面で有難い。
こちらに武器がない以上、殺し合う気の者と出会ってしまったら肉弾戦を強いられることになる。
ボールやバットを投げつけるのもありだとは思うが、数に限りがあるからな。
肉弾戦になるのなら、数が多いに越したことはない。


43 :三橋一郎、萩原らに遇う:2008/08/01(金) 23:20:54 ID:6y1ST0XZ0
「それより聞きたい事があるんだけど」
ボールを投げ返しながら問う。
彼に聞きたい事――彼だけじゃなくて遭遇した者全員に聞いておきたい事だが――は三つ。

一つ目は、亀田について。
亀田について何か知らないか、また亀田の持つ技術について何か知っている事はないか。
当然ながら、それらの情報は脱出の上で役に立つ。

二つ目は、相手について。
あの最初の場所で知り合いが近くに居たりしなかったか。
もしいたとしたらその人は信頼できる人なのかどうか。
そして一番大事なのは、亀田に目をつけられる理由に心当たりがあるのか、だ。
俺の場合は「時空警察だから」だと思っている。
俺が追う犯人が亀田、もしくはその犯人を裏で操っているのが亀田という可能性が高い。
もしこれで殺し合いに巻き込まれた者の大半が亀田の関係者ないし亀田の起こした事件の関係者だとしたら?
そうだった場合に具体的にそれが何の役に立つかまではまだ分からないが、もしかしたら何かのヒントになりうるかもしれない。
情報はあって困るものではないのだ。

そして三つ目。
今の装備で殺し合いに積極的な者と出会った時、一体どう行動するつもりなのか。
作戦といえるほど具体的な者でなくても、ある程度方針は固めておきたい。
逃げるのか、戦うのか。
せめてそれぐらいは決めておかないとまずいだろう。
出来るだけ相手の意思を尊重した方針でいきたい。

「ふむ、何デ――」
口を開いたせいで集中力が散漫になったのだろうか。
足がもつれてアルベルトがバランスを崩した。
そのまま前回り受け身をするように肩から落下し、ごろんと一回転をする。
しかも勢いは全く削がれず何度も何度も回転し――
「お、おい!」
そのまま橋に激突した。
川に落ちなかっただけよかったかもしれないが、大丈夫だろうか。
「オ〜ウ、肩が外れまシタ! 救急車呼んで下さ〜い!」
……大丈夫そうだな。
肩が外れてるって言ってるわりには元気出し、応急処置をすればあっさり回復しそうに見える。
確か地図に診療所が……って、誰だアイツ?
「アルベルト!」
橋の向こうに現れた男は、ゆっくりとこちらに近付いている。
とは言え、こちらに気付いていないわけではないだろう。
奴からは明確な殺意を感じ取れる。
だからこそ、襲いかからずにゆっくりと歩いてくるのが不思議だった。
そして同時に不気味でもあった。


44 :三橋一郎、萩原らに遇う:2008/08/01(金) 23:22:31 ID:6y1ST0XZ0
「ハーイ、私アルベ……」
奴の発する異常な空気が分からないのか(まあ、一般人ならそれもやむなしなんだろうけど)アルベルトが自己紹介をしながら奴に駆け寄る。
まるでゴミでも見るような目でアルベルトを見、奴は前蹴りを繰り出した。
まともにボディに打撃を受けて、橋を転がるアルベルト。
問答無用かこの野郎!
「何をするんだ!」
アルベルトのデイパックを拾いながら橋上に駆けつける。
デイパックにはボールとバット、それからグローブが入っている。
俺の支給品が武器でない以上、頼りになるのはこれらの道具だけだ。
そして、おそらく奴は肉弾戦では俺を凌ぐ。
あの蹴りを出す速さと、あそこまでアルベルトを吹き飛ばす威力。
まともな武器があるならともかく、今の状況で格闘戦にでもなろうものなら勝ち目は薄い。
バットを使えばそれなりに戦えるかもしれないが……やはり金属バットでなく木製バットな事に不安が残る。
あっさりへし折られてしまいそうだ。

それなら、いっそ逃げてしまおうか。
ここは狭い橋の上。
奴の横をすり抜けることは出来ないだろうが、それは同時に敵に背を向け逃げた時に先回りをされないということを意味する。
歩いてきたのが自信の表れだとしたら、奴の足は速いと見ていいだろう。
普通に逃げたのでは追いつかれるかもしれない。
だが、先述の通りここは狭い橋の上だ。
ボールやバットをぶちまければ、相当距離を稼げるだろう。
あとは適当に森の中で撒けばいいいい。
アルベルトも「ア〜ウチ!」とか叫べるぐらいに元気があるみたいだし、最悪診療所辺りを待ち合わせ場所にしてバラバラに逃げるのも手だ。
水に飛び込むという手もないわけじゃないし、逆に水に相手を落としてもいい。
「危険人物みたいだし、アイツはここで打倒する」とさえ考えなければ、意外とどうにかなる気がしてきた。

「……一応確認しておくけど、殺し合いに乗ってるわけじゃないんだよな?」
「当たり前だ!」
相手の放ったその一言に腹が立った。
少なくとも、アルベルトに悪意はなかった。
お世辞にも友好関係を築きたくなるようなテンションではないが、悪人でない事は一目見れば分かったはずだ。
あれだけ無防備に近寄って来たのだ、疑う方がどうかしてる。
そんなアルベルトをあっさり蹴り飛ばしておいて、「殺し合いに乗ってるか」だと?
ふざけるな。
こんな殺し合い、俺達が乗るわけないだろう!
「そうか……なら、ここで死んでもらう」
男が禍々しい手を突き出して言う。
余裕を見せやがって……暢気に宣言してないでさっさと攻撃すればいいのに。
だが、その満身に付け入る隙はありそうだ。
「俺の親友の亀田君のために――」


45 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 23:23:14 ID:dKRuxL/a0
支援

46 :三橋一郎、萩原らに遇う:2008/08/01(金) 23:24:18 ID:6y1ST0XZ0
正直、気持ちは逃げる方に傾いていた。
あの禍々しい手で戦おうとしたということは、飛び道具を所持していないということだ。
所持しているならそれを使って俺とアルベルトをさっさと殺すのが普通だろう。
それに、慢心をしているならボールをぶち撒けるだけで楽に逃げ切れる可能性が高いというのも大きかった。
アルベルトと別れる必要がないならそれに越したことはない。
さっきからアウチアウチとやかましい男だが、それでも立派な仲間なのだから。
だから、8:2くらいの割り合いで逃げたい気持ちが勝っていた。
「今……何て……」
だが、事情が変わってしまった。
奴は亀田を知っている。
それも、奴は親友だと言ったのだ。
出来れば話を聞いておきたい。
だが、そのためにはまず無力化しないといけないだろう。
今の装備でそれを狙うべきなのだろうか?
――逃げるべきか戦うべきか、今や完全に5:5になってしまった。





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





三橋一郎がゆっくりと獲物に近付いたのは、そんなに深い理由があってのことではなかった。
ただ単に、見つけた連中が殺し合いを円滑に進めたいと思っている人間かどうかを見極めたいと思っただけ。
殺し合いに乗り、同盟を結んだ二人組なら、こちらに気付くなり攻撃を仕掛けてきただろう。
こちらは腐ってもサイボーグ、初撃を防ぐくらいどうということはない。
防いでから“こちらも乗っているので争う気はない”という事を伝え交渉に入ればいい。
もし逃げられたら追いかけて背後から殺せばいいだけだ。
遠距離からの攻撃手段を持たないが、走力にはそれなりに自信がある。
それに、障害物は避けねばならない相手と違い、こちらは障害物を薙ぎ払って追いかけられる。
何せこれは木ですら簡単にへし折るのだ。
追いついてしまえば人間なんぞ簡単に殺すことができるだろう。

47 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 23:25:47 ID:dKRuxL/a0
しえーん

48 :三橋一郎、萩原らに遇う:2008/08/01(金) 23:26:29 ID:6y1ST0XZ0
だがしかし、二つばかり誤算があった。
橋の辺りに差し掛かると、見るからに殺し合いには乗っていない二人組の内一人がこちらに駆け寄ってきた。
鬼の手で葬ってやろうと考え、まずは相手の腹に蹴りを繰り出す。
防がれたら鬼の手で頭から引き裂き、防がなかったらバランスを崩した所をやはり頭から引き裂いてやるつもりだった。
頭蓋骨をあっさりと引き裂ければ、全力を出さずとも腹をぶち抜く事ぐらい可能だろうと考えたからだ。
どの程度の力で人を殺せるのか知っておいて損はないだろう。
折角見るからに雑魚と遭遇したのだ、鬼の手の実戦データを取らない手はない。

だがしかし、ここで最初の誤算が起きる。
それは、“予想以上にアルベルトが雑魚だった事”だ。
ガードするでも蹲るでもなく、アルベルトは吹き飛んだ。
あくまでジャブ感覚で放っていたのに。
予想以上に豪力の効果は高かったということだろうか?
とにかく、そのままゴロゴロと橋の上を転がり続け、アルベルトは鬼の手の射程から出てしまった。

そして立て続けにもう一つの誤算が起きる。
“新六が橋の上までやってきてしまった事”だ。
鬼の手の威力がどれほどのものか分からないが、下手をしたら一撃で橋を壊しかねない。
橋を破壊して水中戦になった場合、果たして鬼の手はちゃんと役に立つのだろうか?
水ごと相手を引き裂けるのか、それとも水中の抵抗力のせいで鬼の手といえど殴る速度は遅くなるのか。
遅くなったとしても、触れた時の威力は変わらないのか否か。
そんな状況で、果たして奴らをきちんと仕留められるのか否か。
分からない事が多すぎる。
出来る事なら、橋は壊さずにおきたい。
となると、橋の上では鬼の手を使わずに、二人を橋から叩きだす必要がある。

……やれやれ、面倒な事になったものだ。
銃を構える気配はないため、飛び道具は持っていないと見ていいだろう。
持っていたら、際威嚇射撃ぐらいしているはずだ。仲間が襲われたのだからな。
出来れば接近戦の当たり武器を所持していると有難い。
接近戦は願ったり叶ったりだ。
(見ていてくれよ亀田君。君のために頑張るから)
鬼の手を突き出し牽制する。
見るからに怪しい鬼の手を見て、警戒しない奴はいない。
橋の上では出来るだけ振いたくはないが、それを悟られないようにしたい。
鬼の手に気を取られ相手の動きが鈍ってくれれば幸いだ。
「なら、ここで死んでもらう。俺の親友の亀田君のために――」
そうさ、俺は君のためならどんなことだって出来る。
だって君は、大切な親友なんだから。
だから、これが終わったらまた二人でキャッチボールをしようよ、亀田君……
また、昔みたいに、二人で仲良く。

49 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 23:27:26 ID:dKRuxL/a0
しえーん

50 :三橋一郎、萩原らに遇う:2008/08/01(金) 23:27:45 ID:6y1ST0XZ0
【G-5/橋の西側/一日目/黎明】
【三橋一郎@パワポケ1&3】
[状態]:健康 エネルギー100%
[装備]:鬼の手、パワーと走力の+パーツ一式、豪力
[道具]:支給品一式、予備バッテリー
[参戦時期]亀田の乗るガンダーロボと対決して敗北。亀田に従わされしばらく経ってから
[思考]
基本:亀田の命令に従いバトルロワイヤルを円滑に進めるために行動する
1:参加者を積極的に探して殺す。まずは目の前の二人だ
2:もしも相手がマーダーならば協力してもいい
3:亀田に対する恐怖心


【G-5/橋の上/一日目/深夜】
【萩原新六@パワプロクンポケット6表】
[状態]:健康
[装備]:グローブ@現実
[参戦時期]: 裏野球大会決勝戦直前
[道具]:支給品一式 、野球超人伝@パワプロクンポケットシリーズ、パワビタD@パワプロクンポケットシリーズ、スーパーパワビタD@パワプロクンポケットシリーズ
[思考・状況]
1:目の前の男を無力化して話を聞く、もしくは目の前の男から逃げ切る
2:野球超人伝を後でじっくりと読みたい。
3:やっぱり野球って楽しいや!
4:早く元の世界に戻って犯人を捕まえる。

【アルベルト・安生・アズナブル@パワプロクンポケット10表】
[状態]:右肩脱臼、あばら骨折(いずれも逃走に大した支障はなし)
[装備]:グローブ@現実、野球ボール@現実
[参戦時期]: パワポケ10-パワポケ11の境
[道具]:支給品一式 、野球用具一式(バット9本、ボール8球、グローブ7球)@現実
[思考・状況]
1:ア〜ウチ!救急車呼んでくだサ〜イ!
2:彼(萩原)はナイスな腕をモッテイマス〜!
3:ミンナとベースボールをやる。

51 : ◆wKs3a28q6Q :2008/08/01(金) 23:29:18 ID:6y1ST0XZ0
投下終了です
ご指摘ありましたらお願いします

52 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/01(金) 23:46:05 ID:nj8MleQIO
じゃ幾つか指摘を

・一部の表現が気になる
例:アルベルトが'雑魚'だった、とか
個人の好みもあるかもしれないからあんまりとやかく言わないけど

・萩原一行の時刻表示
これは深夜→黎明の簡単なミスだろうけど一応

・タイトル
主人公のオリ名前が二つも並ぶのは'パワポケ'ロワとしてはどうかなと
特に6なんかぱっと見て名字に数字すら無いから誰だか分からないし


あと、3主人公の出展は1&3じゃなく、はっきりと3と明示すべきだよね
これは今更言うなというか、前の作者に本当は突っ込むべきことだけど

53 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 00:09:30 ID:iGHELKfw0
投下乙
>>52はさすがにいちゃもんが過ぎるだろwww
でも上げられた事自体はやっぱり少し気になります
特に時刻表示はレッドの集団の時からちょっと気になっていたので
ロワ中って周囲を警戒しながら動くものだから時間の流れが速いですし
それ以外は……個人的な意見ならもう少しこの話の続きを書いてもいいかな? と思いますよ
丸投げではないですけど他の書き手さん方が続きづらいかもしれませんし

54 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 02:43:51 ID:YjBUQiiaO
今全部読んできた。

俺のエリが一話退場だったことに絶望した!

55 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 08:13:06 ID:eh4im7ZsO
俺の友子だって一話で退場だったんだぜ

56 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 09:14:50 ID:tOLpF+Dv0
むしろ死者スレで好きなだけ遊べるから良かったと思えばよろし。

落田が即死だったのは死者スレ的にはありがたそうだな。
メガネが一人いるだけで、会話の進行が随分とやりやすくなると思う。

57 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 12:33:28 ID:fECkg2Z8O
投稿乙です。
アルベルトの空気の読めなさは異常。
ロワでもたくさん怪我をしそうだ。
…ところでアルベルトと三橋は参戦時期的に知り合いだよね?

58 : ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:04:26 ID:VVSnlIvH0
修正スレはwiki修正の報告場のようですし、修正作品の投下スレが見当たらなかったので修正作を投下させて頂きます

>>52
タイトルをつけるのは苦手なのでその辺はご容赦を

>>53
レッド達のは完全にミスでしたので後ほどwikiの方を修正させて頂きます
それと、長くない方がいいかなと思っていたので戦闘パートを切って投下しましたが、確かに丸投げで停滞の原因になりかねないので戦闘パートを追加した物を投下させて頂きます

>>57
アルベルトに少しだけ触れた戦闘パートをカットしたのに戦闘前パートにアルベルトの事を追加し忘れていたので、三橋が完全スルーする形になってしまいました
申し訳ありません
ですので修正作ではアルベルトに触れてはいますが、「やはり戦闘前に気付かないのはおかしい」等ありましたらおっしゃって下さい

59 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:06:18 ID:VVSnlIvH0
自分のいる位置がE-05であることが分かり、俺はますます亀田君に感謝した。
俺がどこに行こうと思っても、目的地がそんなに遠くならない絶好の場所。
そこにわざわざ俺を飛ばしてくれるなんて、亀田君は本当にいい奴だ。
親友として、俺はその期待に応えなくっちゃ。
「まずは東にでも行こうかな」
東側には川がある。
そのため川より向こう側でスタートした人間は行動を4パターンに絞られる事になる。
南下して遊園地方面に向かうか、北上して商店街側まで回り込むか。そして素直に西の橋を渡るかだ。
この3つのどれかを選んだ人物はいい。
それが殺し合いに賛成する者か否かに関わらず、少なくとも行動を起こすつもりはあるということなのだから。
問題なのは、『3方向からしか敵が来ないのでその場に陣取り待機する』という者だ。
亀田君の親友として、そういった“やる気のない連中”はさっさと始末しておきたい。
まあ、中盤まではさほど慌てる必要もないんだ。誰もいないならいないでそれでいい。
そこから適当にぶらつけばいいだけの話だ。
別に今から慌てることはないんだから。
そんなわけで俺は東へ向かって歩き続け――間もなく、“やる気のない連中”と遭遇する事になる。





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





「…………いや、いやいやいや何やってるんだ俺は」
我に返った。
野球は楽しいし、ずっとやっていたいけど、そういうわけにはいかないじゃないか。
亀田を倒し、早く犯人を捕まえなくちゃいけないのに。
「オウ、よそ見したら危ないでーす!」
「いてっ」
ボールを見事に頭に食らう。
所詮はキャッチボール、ノックに比べたら威力が大幅に低いとは言え、それでも結構痛かった。
うーん、硬球恐るべし。
「大丈夫でーすか?」
「あ、ああ……」
とりあえず、コイツが無害と分かっただけ収穫としよう。
殺し合いという場において仲間の存在はかなり大きい。
仲間を作っている方が信頼も得やすいだろうし、何より戦闘面で有難い。
こちらに武器がない以上、殺し合う気の者と出会ってしまったら肉弾戦を強いられることになる。
ボールやバットを投げつけるのもありだとは思うが、数に限りがあるからな。
肉弾戦になるのなら、数が多いに越したことはない。


60 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:07:02 ID:VVSnlIvH0
「それより聞きたい事があるんだけど」
ボールを投げ返しながら問う。
彼に聞きたい事――彼だけじゃなくて遭遇した者全員に聞いておきたい事だが――は三つ。

一つ目は、亀田について。
亀田について何か知らないか、また亀田の持つ技術について何か知っている事はないか。
当然ながら、それらの情報は脱出の上で役に立つ。

二つ目は、相手について。
あの最初の場所で知り合いが近くに居たりしなかったか。
もしいたとしたらその人は信頼できる人なのかどうか。
そして一番大事なのは、亀田に目をつけられる理由に心当たりがあるのか、だ。
俺の場合は「時空警察だから」だと思っている。
俺が追う犯人が亀田、もしくはその犯人を裏で操っているのが亀田という可能性が高い。
もしこれで殺し合いに巻き込まれた者の大半が亀田の関係者ないし亀田の起こした事件の関係者だとしたら?
そうだった場合に具体的にそれが何の役に立つかまではまだ分からないが、もしかしたら何かのヒントになりうるかもしれない。
情報はあって困るものではないのだ。

そして三つ目。
今の装備で殺し合いに積極的な者と出会った時、一体どう行動するつもりなのか。
作戦といえるほど具体的な者でなくても、ある程度方針は固めておきたい。
逃げるのか、戦うのか。
せめてそれぐらいは決めておかないとまずいだろう。
出来るだけ相手の意思を尊重した方針でいきたい。

「ふむ、何で――」
口を開いたせいで集中力が散漫になったのだろうか。
足がもつれてアルベルトがバランスを崩した。
そのまま前回り受け身をするように肩から落下し、ごろんと一回転をする。
しかも勢いは全く削がれず何度も何度も回転し――
「お、おい!」
そのまま橋に激突した。
川に落ちなかっただけよかったかもしれないが、大丈夫だろうか。
「オ〜ウ、肩が外れまシタ! 救急車呼んで下さ〜い!」
……大丈夫そうだな。
肩が外れてるって言ってるわりには元気出し、応急処置をすればあっさり回復しそうに見える。
確か地図に診療所が……って、誰だアイツ?
「アルベルト!」
橋の向こうに現れた男は、ゆっくりとこちらに近付いている。
とは言え、こちらに気付いていないわけではないだろう。
奴からは明確な殺意を感じ取れる。
だからこそ、襲いかからずにゆっくりと歩いてくるのが不思議だった。
そして、それは同時に不気味でもあった。


61 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:08:40 ID:VVSnlIvH0
「ハーイ、私アルベ……」
奴の発する異常な空気が分からないのか(まあ、一般人ならそれもやむなしなんだろうけど)アルベルトが自己紹介をしながら奴に駆け寄る。
まるでゴミでも見るような目でアルベルトを見、奴は前蹴りを繰り出した。
まともにボディに打撃を受けて、橋を転がるアルベルト。
問答無用かこの野郎!
「何をするんだ!」
アルベルトのデイパックを拾いながら橋上に駆けつける。
デイパックにはボールとバット、それからグローブが入っている。
俺の支給品が武器でない以上、頼りになるのはこれらの道具だけだ。
そして、おそらく奴は肉弾戦では俺を凌ぐ。
あの蹴りを出す速さと、あそこまでアルベルトを吹き飛ばす威力。
まともな武器があるならともかく、今の状況で格闘戦にでもなろうものなら勝ち目は薄い。
バットを使えばそれなりに戦えるかもしれないが……やはり金属バットでなく木製バットな事に不安が残る。
何だか奴にあっさりへし折られてしまいそうだ。

それなら、いっそ逃げてしまおうか。
ここは狭い橋の上。
奴の横をすり抜けることは出来ないだろうが、それは同時に敵に背を向け逃げた時に先回りをされないということを意味する。
歩いてきたのが自信の表れだとしたら、奴の足は速いと見ていいだろう。
普通に逃げたのでは追いつかれるかもしれない。
だが、先述の通りここは狭い橋の上だ。
ボールやバットをぶちまければ、相当距離を稼げるだろう。
あとは適当に森の中で撒けばいいいい。
アルベルトも「ア〜ウチ!」とか叫べるぐらいに元気があるみたいだし、最悪診療所辺りを待ち合わせ場所にしてバラバラに逃げるのも手だ。
水に飛び込むという手もないわけじゃないし、逆に水に相手を落としてもいい。
「危険人物みたいだし、アイツはここで打倒する」とさえ考えなければ、意外とどうにかなる気がしてきた。

「……一応確認しておくけど、殺し合いに乗ってるわけじゃないんだよな?」
「当たり前だ!」
相手の放ったその一言に腹が立った。
少なくとも、アルベルトに悪意はなかった。
お世辞にも友好関係を築きたくなるようなテンションではないが、悪人でない事は一目見れば分かったはずだ。
あれだけ無防備に近寄って来たのだ、疑う方がどうかしてる。
そんなアルベルトをあっさり蹴り飛ばしておいて、「殺し合いに乗ってるか」だと?
ふざけるな。
こんな殺し合い、俺達が乗るわけないだろう!
「そうか……なら、ここで死んでもらう」
男が禍々しい手を突き出して言う。
余裕を見せやがって……暢気に宣言してないでさっさと攻撃すればいいのに。
だが、その満身に付け入る隙はありそうだ。
「俺の親友の亀田君のために――」


62 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:09:25 ID:VVSnlIvH0
正直、気持ちは逃げる方に傾いていた。
あの禍々しい手で戦おうとしたということは、飛び道具を所持していないということだ。
所持しているならそれを使って俺とアルベルトをさっさと殺すのが普通だろう。
それに、慢心をしているならボールをぶち撒けるだけで楽に逃げ切れる可能性が高いというのも大きかった。
アルベルトと別れる必要がないならそれに越したことはない。
さっきからアウチアウチとやかましい男だが、それでも立派な仲間なのだから。
だから、8:2くらいの割り合いで逃げたい気持ちが勝っていた。
「今……何て……」
だが、事情が変わってしまった。
奴は亀田を知っている。
それも、奴は親友だと言ったのだ。
出来れば話を聞いておきたい。
だが、そのためにはまず無力化しないといけないだろう。
今の装備でそれを狙うべきなのだろうか?
――逃げるべきか戦うべきか、今や完全に5:5になってしまった。





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





三橋一郎がゆっくりと獲物に近付いたのは、そんなに深い理由があってのことではなかった。
ただ単に、見つけた連中が殺し合いを円滑に進めたいと思っている人間かどうかを見極めたいと思っただけ。
殺し合いに乗り、同盟を結んだ二人組なら、こちらに気付くなり攻撃を仕掛けてきただろう。
こちらは腐ってもサイボーグ、初撃を防ぐくらいどうということはない。
防いでから“こちらも乗っているので争う気はない”という事を伝え交渉に入ればいい。
もし逃げられたら追いかけて背後から殺せばいいだけだ。
遠距離からの攻撃手段を持たないが、走力にはそれなりに自信がある。
それに、障害物は避けねばならない相手と違い、障害物を薙ぎ払って追いかけられる。
何せこれは木ですら簡単にへし折るのだ。
追いついてしまえば人間なんぞ簡単に殺すことができる。


63 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:10:27 ID:VVSnlIvH0
だがしかし、二つほど誤算があった。
橋の辺りに差し掛かると、見るからに殺し合いには乗っていない二人組の内一人がこちらに駆け寄ってきた。
鬼の手で葬ってやろうと考え、まずは相手の腹に蹴りを繰り出す。
防がれたら鬼の手で頭から引き裂き、防がなかったらバランスを崩した所をやはり頭から引き裂いてやるつもりだった。
頭蓋骨をあっさりと引き裂ければ、全力を出さずとも腹をぶち抜く事ぐらい可能だろうと考えたからだ。
折角見るからに雑魚と遭遇したのだ、鬼の手の実戦データを取らない手はない。
やはり木ではなく人間相手のデータこそ今後の役に立つだろうから。

だがしかし、ここで最初の誤算が起きる。
それは、予想以上にアルベルトが弱かったことだ。
ガードするでも蹲るでもなく、アルベルトは吹き飛んだ。
あくまでジャブ感覚で放っていたのに。
予想以上に豪力の効果は高かったということだろうか?
とにかく、そのままゴロゴロと橋の上を転がり続け、アルベルトは鬼の手の射程から出てしまった。

そして立て続けにもう一つの誤算が起きる。
新六が橋の上までやってきてしまったことだ。
鬼の手の威力がどれほどのものか分からないが、下手をしたら一撃で橋を壊しかねない。
橋を破壊して水中戦になった場合、果たして鬼の手はちゃんと役に立つのだろうか?
水ごと相手を引き裂けるのか、それとも水中の抵抗力のせいで鬼の手といえど殴る速度は遅くなるのか。
遅くなったとしても、触れた時の威力は変わらないのか否か。
そんな状況で、果たして奴らをきちんと仕留められるのか否か。
分からない事が多すぎる。
出来る事なら、橋は壊さずにおきたい。
となると、橋の上では鬼の手を使わずに、二人を橋から叩きだす必要がある。

……やれやれ、面倒な事になったものだ。
銃を構える気配はないため、飛び道具は持っていないと見ていいだろう。
持っていたら、際威嚇射撃ぐらいしているはずだ。仲間が襲われたのだからな。
出来れば接近戦の当たり武器を所持していると有難い。
接近戦は願ったり叶ったりだ。
(見ていてくれよ亀田君。君のために頑張るから)
鬼の手を突き出し牽制する。
見るからに怪しい鬼の手を見て、警戒しない奴はいない。
橋の上では出来るだけ振いたくはないが、それを悟られないようにしたい。
鬼の手に気を取られ相手の動きが鈍ってくれれば幸いだ。
「なら、ここで死んでもらう。俺の親友の亀田君のために――」
そうさ、俺は君のためならどんなことだって出来る。
だって君は、大切な親友なんだから。
だから、これが終わったらまた二人でキャッチボールをしようよ、亀田君……
また、昔みたいに、二人で仲良く。

64 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:13:09 ID:VVSnlIvH0





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





(この男、予想以上に強いッ)
三橋のソバットにより戦闘が始まり早数分。
萩原の頭は、「おそらく勝てない」という結論を出していた。
左手で持ったデイパックを盾代りにし、右手でバットを振るっているが、片手で振るった木製バットでは決定打になりそうもない。
運がよくて千日手、持久戦になれば間違いなく負けるだろう。
先程から牽制でしか鬼の手を使っていない事から、あの腕はこけおどしだと判断した。
とはいえ、通常の拳があり得ない程重いのだ。
渾身の左ストレートなどのおかげで、最初は橋の中にいたはずなのに、気が付けば陸地が背後に迫っている。
(く……逃げるしかないか……!)
最初から素直に逃げなかった事を若干後悔しながらどうすべきか考える。
アルベルトに逃走の旨を何とか伝え、三橋から逃走する。
少なくとも、それはもう確定だ。
ここで亀田の情報を引き出せないのは正直惜しいが、命は落とすわけにもいかない。
何としてでもここを抜け出し、時空犯罪者を捕まえねばならないのだ。
そのためなら、無様に敗走だってしよう。
この任務は失敗するわけにいかないのだから。

大事なのは逃げるタイミングだ。
隙を突かずに背中を見せれば即死に繋がる。
かといって対峙したまま逃げ切れるとも思えない。
だから、『自分は橋から出ているのに、相手はまだ橋の上に残っている』というタイミングを突くことにした。
その瞬間にボールやバットといったデイパックの中身をぶち撒け足を止める。
一本道の橋ならともかく、広々と走り回れる陸地でなら仮に拾ったバットを投げられても避けることが出来るだろう。
そう考えてデイパックを半開きにし、機会を待った。
自分とアルベルトの、いや、それだけでなく未来の命運がかかっているのだ。
失敗するわけにはいかない――

だが、運は萩原を見放した。
手にした木製バットがへし折れ、とうとう武器を失ってしまう。
それだけならまだいい。
もう萩原は逃げる事を選択しており、攻撃など牽制でしかなかったのだから。
なので、致命的なのはバットが折れた事ではなかった。
バットを失い、次の打撃をデイパックで受けた際、一つのボールがデイパックから零れ落ちた。
向こう側からの衝撃で飛び出したボールは、萩原の方に飛んでくる。
足もとに転がったボールを、別に踏んづけたわけではない。
ただ、踏んづけぬよう一瞬視線が足元へと行き、致命的な隙が生まれた。
そして、その隙を見逃すほど三橋一郎は愚かではない。

65 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:17:01 ID:VVSnlIvH0
三橋が鬼の手を付けた右の拳を固く握る。
橋から叩き出してから思う存分鬼の手を振るうつもりだったが、こんな大チャンスを見逃すというのは愚の骨頂。
既に『鬼の手は触れていないものまで破壊する超兵器ではない』という事は分かっている。
触れた木しか折れなかったし、外したジャブでは相手の頭をもぎ取ることができなかった。
要するに、壊したくないものには触れなければいいのだ。
『回避された際、勢い余って橋を壊すのは避けたかった』
これが三橋が鬼の手を温存していた主な理由。
だがしかし、橋の破壊の心配が無い攻撃方法も持ってはいる。
万が一避けられたとしても、勢い余って橋に触れる事は絶対にない攻撃方法。
隙がデカイのでやるつもりはなかったが、決まれば一撃必殺となりうる。
隙を見せても相手に避けられないような状況になったら、つまり相手に隙が生まれたら、使ってしまおうと思っていた。

(まず……っ!)
三橋が右腕を振り上げるのを見、萩原は慌ててデイパックでのガードを図る。
しかし、鬼の手を装備してのアッパーカットはそう簡単に防げる代物ではなかった。
避けることだけを優先し、後方に倒れ込むようにして顎への直撃は避けたものの――
「オウ!」
あっさりと、本当にあっさりと左腕はデイパックとともに上空へと打ち上げられた。
それだけでなく、腕でガードされていたはずの洋服までがパックリと裂け、その向こうに在る鍛え上げられた肉体にまで真っ赤な線を付けられた。
言葉を発することもなく、萩原の体はそのまま後方へと倒れ込む。
そんな萩原を見届けることなく、三橋は一気に橋を駆け抜けた。
その瞳が映すのはアルベルト・安生・アズナブル。
痛みを押して立ち上がり、二人の攻防の結末を目撃したばかりの四番打者。
続けざまにアルベルトを殺そうとし、
「ン? ……あなた、火星オクトパスにいませんでしたか?」
つい、手を止めてしまった。

アルベルトの存在に、三橋は本当に今の今まで気付かなかった。
つい先ほどまで彼の頭は、殺し合いの参加者を『殺し合いに乗っている、同盟を結ぶ価値のある者』と『それ以外の殺すべき者』の二種類でしか考えていなかった。
だから先程アルベルトが駆け寄って来た時も機械的に『コイツは殺す』と決定付け、相手が誰かもよく考えずに始末しようと思っていた。
それを、今になって気付いてしまった。
いい印象は正直欠片も持っていないが、アルベルトは確かに自分のチ−ムメイトだと。
(……亀田君はどうしてアルベルトなんかを……)
少しばかり疑問を持ったが、すぐに頭を切り替える。
自分はただ、親友の望みを叶えるだけだ。
そして親友の望みとは、自分が推測するものではない。
望みは命令という形で自分に知らされ、自分はそれを忠実にこなすことで彼の望みを叶えている。
それが今の二人の関係なのだ。
「誰誰をどうしろ」といった詳しい命令など受けていないし、知人と言えど殺した方が親友のためになるだろう。
そう考えて、三橋は下した手を再び上げる。

66 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:19:00 ID:VVSnlIvH0
「まあ、どっちでもいいでーす。それよりあなた、一緒に野球をやりませんか?」
「……なんだと?」
三橋の腕が止まる。
別に一緒に野球がやりたいからというわけではない。
ただ理解不能な言動に呆気に取られてしまっただけだ。
「そこの彼はナイスな腕を持ってまーす。怪我を治せばいい選手になるはずでーす。
 だから、一緒に野球をやりましょーう!」
「……何でそんな事が言えるんだ? 俺はお前の仲間を殺したんだぞ?」
何故、そんな自分を野球に誘ってくれるのか。
三橋にはそれが理解できなかった。
親友でさえ、歯向かえば怒ってキツイ仕置きをしてくるというのに。
「何故って……野球が楽しいからでーす」
それはとてもシンプルな答えだった。
望んでいた答えではないけど、野球を愛した三橋にとって理解可能な思考ではあった。
確かに野球は面白い。
野球のためなら命だって賭けられるんじゃないかってほど、自分も野球を愛している。
野球をするためなら襲ってきた者だろうと気にしないというのも、極端ではあるが野球馬鹿の一種として受け入れられた。
「ああ、そうだな……野球は楽しいからな……」
だが、思考を理解してやったのと、この場を見逃してやることとは別問題だ。
自分が死ぬなどと思ってもいなさそうなアルベルトを見下ろしながら、三橋は呟く。
「でもな……やっぱり一番楽しいのは、“親友とする”野球なんだよ。
 人生で一番楽しかったのは、亀田君と一緒に野球をしてた時なんだよ」
昔を思い出しながら、三橋は目を閉じた。
そしてそのまま右腕を斜めに振り下ろす。
体中に生暖かい液体を浴びながら、三橋はアルベルトの事を少しばかり思い返した。
目を開け、アルベルトがしっかりと二つに分かれたことを確認する。
「だから、ごめんな。俺のやりたい“野球”に、アルベルトは入ってないんだ」
そうとだけ呟くと、支給品も回収せずに三橋は再び歩き出す。
かつての仲間を殺すのが、全く辛くないわけがない。
気持ちは沈むし、後味だって最悪だ。
だけど、三橋はアルベルトを躊躇いなく殺害した。
心の中の天秤において、亀田の存在は圧倒的なものなのだ。

たった一人の親友のために、多くの友を犠牲にする。
決して楽な道ではない。
それでも三橋はその道を選んでしまった。
振り返ることもせず、三橋は歩き続ける。
後戻りのできない、人殺しの道を。

67 :野球しようよ ◆wKs3a28q6Q :2008/08/02(土) 13:22:05 ID:VVSnlIvH0
【G-5/橋から大分離れた所/一日目/黎明】
【三橋一郎@パワポケ3】
[状態]:健康 エネルギー85%
[装備]:鬼の手、パワーと走力の+パーツ一式、豪力
[道具]:支給品一式、予備バッテリー
[参戦時期]亀田の乗るガンダーロボと対決して敗北。亀田に従わされしばらく経ってから
[思考]
基本:亀田の命令に従いバトルロワイヤルを円滑に進めるために行動する
1:参加者を積極的に探して殺す
2:もしも相手がマーダーならば協力してもいい
3:亀田に対する恐怖心
[備考]:萩原は死んだと思っています





 ☆  ★  ☆  ★  ☆





「アルベルト……」
三橋が去ってから数十分後、萩原新六はようやく意識を取り戻した。
三橋は気付いていなかったが、萩原はまだ生きていた。
左腕と共に血液を失ったので重症には変わりないが、それでもまだ生きている。
「ごめんな……」
三橋の鬼の手の最大の弱点。
それは『何を切り裂いたのか手応えではよく分からないこと』である。
鬼の手は豪力と合わさることで木だろうが人間だろうがいとも簡単に切り裂いてしまう。
そこに、手応えの違いなど存在しない。
どれだけ深く抉ろうと、その手応えはおそらくほとんど変わらないだろう。
いずれもプリンをスプーンで掬うかのようなあっさりとした手応えだった。
なので、しっかり対象を切り裂けたかを三橋は視覚で確かめる必要がある。
今回萩原は腕を吹き飛ばされた事で大量の血液をぶちまけていた。
出血の酷い左腕付近の服が裂け、激痛で意識を失いそのまま後ろに倒れた事から、三橋は萩原が死んだものだと勘違いしたのだ。
「……あの男は絶対に逮捕してみせるよ。いずれ、必ず」
運よく拾った自分の命を、みすみす捨てるわけにはいかない。
だから、三橋はまだ追わない。今はまだその時ではない。
今は自身の回復が最優先だ。
腕の切断面は洋服で縛り上げ、飛ばされた左腕はデイパックに入れておいた。
気休めにもならなさそうだが、冷えたペットボトルで断面を冷やしている。
貧血で頭がクラクラしてきたので、支給されたスーパーパワビタDを飲んだ。
ビンに成分が書いていないのでよく分からないが、栄養化は高いようだし貧血も少しはマシになるかもしれない。

68 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 13:48:51 ID:EBA7WVmTO
>>54-55
謝れ!二ノ宮が好きでOP読みながら「おおっ、二ノ宮参加確定か!ならプロット練らなくちゃ」とか思ってた俺に謝れ!

69 :野球しようよ ◇wKs3a28q6Q:代理:2008/08/02(土) 13:54:17 ID:ka41bMkB0
「……さて、どうするかな」
はっきり言って、応急処置をしたとはいえこのままだとそう長くは持たないだろう。
表面を薄く切られただけとはいえ、腹部にだって傷があるのだ。
死因にはならずとも、戦闘にはそれなりに支障が出るだろう。
空気に触れたら普通に痛いし、感染症の恐れもある。
どちらの怪我も、きちんとした治療を施した方がいいだろう。
喪失した腕の復活まで望んでいるわけではないが、最低でも止血と栄養補給をしたい。
診療所か病院ならば正しい止血の仕方の乗った本が置いてあるかもしれない。
上手くいけば、点滴や輸血パックも手に入るかもしれない。
このどちらかを目指す必要があるだろう。

では、どちらを目指そうか?
距離でいうなら病院の方を目指すべきだ。
洋服で縛っただけの簡素な止血では血を完全には止めれていないし、一秒でも早く治療に入るべきである。
だが、病院に向かうと三橋と遭遇する可能性が少なからず存在する。
どちらに行ったかまでは分からないが、恐らく再び橋を超えることはしていないはずだ。
橋を渡ったのだとしたら、腕からしか出血してない自分に気付かないのは不自然。
自分の死体には目もくれず、さっさと目的地に向かったとみていいだろう。
その目的地が病院だった場合は最悪だ。
奴の目的地が病院じゃなかったとしても、病院に行くまでに再び出会ってしまったら今度こそ生き延びれないだろう。
今三橋と遭遇するのは何としても避けるべきだ。

その点、診療所は安心できる。
三橋は診療所がある橋の向こうから、診療所を目指すには遠回りになるこの橋までやってきた。
目的地が診療所である可能性は皆無である。
三橋と遭遇しないというのはかなり大きい。
だが、診療所に行くまでに駄菓子屋や倉庫といった建物の通過を余儀なくされる。
物資のある建物には人が集まりやすいだろうし、誰にも会わないという事はまずないだろう。
仲間は欲しいが、戦闘は避けたい。

どちらもメリット・デメリットがある。
それを承知したうえで、どちらか片方を選ばないといけない。
「よし、決めた。俺が向かうのは――」


70 :野球しようよ ◇wKs3a28q6Q:代理:2008/08/02(土) 13:54:49 ID:ka41bMkB0
【G-5/橋の上/一日目/黎明】
【萩原新六@パワプロクンポケット6】
[状態]:左腕欠損、腹部に軽度の切り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 、野球用具一式(バット8本、ボール7球、グローブ8つ)@現実、野球超人伝@パワプロクンポケットシリーズ、パワビタD@パワプロクンポケットシリーズ、自身の左腕
[思考・状況]
1:どこかでしっかり手当をしたい。出来れば仲間も見つけたい。
2:野球超人伝を後でじっくりと読みたい。
3:元の世界に戻って犯人を捕まえる。

[備考]
グローブがひとつアルベルトの手についたままです。
折れたバットとボールが各1つずつ橋の東側に落ちています。
アルベルトの暴投したボールがG-05のどこかに落ちています。


【アルベルト・安生・アズナブル@パワプロクンポケット10 死亡】
【残り 50人】

71 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 14:08:11 ID:Q23kSToI0
>>70
代理投下乙


しかしアルベルトが……。
6主もかなり痛手を負ったようだし、3主のこれからの活躍が恐ろしいぜ。

作者GJ!

72 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 14:13:36 ID:VuoxsG030
代理投下乙です
アルベルト……いくら不死身の外人と言えどもサイボーグが相手では無理があったか
これからの3主に期待

73 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 21:09:14 ID:YjBUQiiaO
アルベルト…逝ったか。

3主が智美か明日香に会った時の反応にwktk

違う意味でのりかと会った時の反応にwktk

>>68

二ノ宮とブラウンが好きな人はオープニングから希望が砕かれるからなw

74 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/02(土) 23:40:08 ID:7WkftUk60
乙!!
何故だろうこんな超強力マーダーなのにのりかに勝っている図が全く浮かばないぜ!

75 : ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:40:02 ID:1vnm8kjS0
待たしてスイマセンでした。
小波、芹沢、八神、大江 投下しま〜す!

76 :4人の思いよ ホテルに集結 ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:40:45 ID:1vnm8kjS0
小波走太は怖かった。
いくらお姉ちゃんに助けてもらったとはいえ、あいつの目が。 手が。 とにかく全てが怖かったのだ。
すでに自分のチームメイトである二ノ宮君が殺された。
そしてお姉ちゃんみたいなヒーローも殺された。
それだけで怖かったはずなのに・・・

全ては叫んだ事がいけなかった。
そのおかげで茶色い紙でメガネをかけた女の子が来てしまったのだ。
僕が全力疾走してもそいつは一瞬にして捕まえた。
そいつは捕まえると僕の首をものすごい力で絞めてきた。
小学生の自分がそれに対抗する力はなく、絶対こう思っていた。

死ぬ・・・・・・と。

二ノ宮君と同じところにいけたらいいな。
そもそも天国とかって実際にあるのかな?
あったとすればどういうところかな?
それより自分は天国に行くことができるのかな? 今までいろんな悪い事してきたし・・・。

こんなことをずっと思っていたその時、あの人が現れたんだ。
その名はブラック。 ヒーローだった。

そのヒーローはすぐにそいつを追っ払ってくれた。
おかげで僕は助かったのである。
まさかブラックの正体が女の子とは思わなかったが・・・

77 :4人の思いよ ホテルに集結 ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:41:22 ID:1vnm8kjS0
ビルや建物が立ち並ぶこの場所をとにかく去っていた。
いつ別のが襲ってくるかわからない・・・そう芹沢は思ったのだ。
「・・・怪我は・・・大丈夫?」
「うん、お姉ちゃんのおかげで何とか!」
「・・・そう・・・ならいい・・・」
一応芹沢が向かっていたのはホテルPAWA。
そこなら落ち着けるだろうと思ったからだ。
距離的にも近いと言う利点があったからだ。

ホテルについた二人は慎重に中へと入っていく。
最初に芹沢、次に小波といった感じだ。
無事ホテルに入ることができた二人はまずホテル内を捜索することから始まった。
武器や人などを確認するためだ。

レストランの厨房で武器となるものを探す。
「お姉ちゃ〜ん。 何が見つかった?」
「・・・ない・・・」
ここがもう営業されていないホテルとは入ったときに感じたが、まさか包丁とかがないとは・・・
芹沢は思った。
武器となるものは見つからなかったが、走太君が赤いスパイス(なめてみたら意外においしかった)を2ビン発見した。 それはそれでいいと思い、一人1ビンずつ持つことになった。 これで少しは食べ物に困ることはないだろうと私は思った。
次にホテル全体を探す。
5階あるこのホテルを捜索するのは大変だったが、客室などや部屋が全部しまっていたこともあり、1時間程度で終わらすことができた。
しかし誰も見つかることができなかった。

しかたなくロビーに戻る二人。
そこで二人は見てしまった。
さっきいなかったはずのロビーに誰かがいるところを。

「うう・・・ 誰かいるよー。」
「大丈夫・・・ここは私が・・・」
そう言うと芹沢は自分のデイパックを置いていき、その人たちの元へと行く。
それに気づいたその人たちは芹沢が前に来ると、男の人が口を開ける。
「何のようですか? あなたは。」
「私は・・・正義のヒーローです。」
男の人と女の人は首をかしげる。
「あなた達に聞きたい。 あなた達はこのゲームに乗ってますか?」
男の人と女の人がやっとこの人の言いたい事がわかったようで問いに答える。
「乗ってない。」
「乗るわけないやろ。 こんなくだらないゲームに!」
「そう・・・」
「なあ。 なんなら、うちらと組まへん? そうしてくれたほうが安全だし。 そう思うよな、八神?」
その男、八神総八郎に聞く。
「かまわんが・・・というよりあってすぐなのにようそんなことを平気に聞けるな。 カズ。」
その女、大江和那は言う。
「だってーこの人なんか本当に守ってくれそうな感じなんやもん。」

78 :4人の思いよ ホテルに集結 ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:43:05 ID:1vnm8kjS0
こうして八神、大江と仲間になる事になった。
その後四人は自分の支給品を見せることになった。

「私は・・・この刀と・・・回復薬というビン3本と・・・赤いスパイス・・・。 スパイスは走太君も持っている・・・」
「へえー強そうな刀やな。」
「確かに・・・これはいい刀だな。」

次に走太君が見せる。
「これは、拡声器だな。 あと、これはデジカメと・・・ボイスレコーダー?」
「ちょっと聞いてみようや。」
大江はボイスレコーダーを再生する。

--む〜ん。 殺し合いなんだな〜 
--む〜ん。 いやなんだな〜
--む〜ん。 でもがんばれなんだな〜

「何これ・・・?」
「あえて・・・気にしなんでおこう・・・。」

大江和那が次に見せる。
「私はこの飛ぶやつとお菓子(?)とミニ扇風機と爆弾っぽい物。 爆弾っぽい物はすごく使いづらいんだけど・・・」
「ないよりは・・・マシ・・・」

最後には八神の番。 彼はデイパックから何やらものすごくでかい銃を取り出した。
「ガトリングガン・・・名前くらいは聞いたことがあるだろ?」
このバトロワ最大の当たりアイテムだといっていいガトリングガンを八神が持っていたのだ。
「これさえあればある程度、身を守ることができる。」
「すごいやん! 八神!」
「だから叩くな・・・痛い。」
「でも本当にすごいね〜お姉ちゃん。」
「うん。 そうだね。」
これにて支給品の紹介は終わった。
と、ここで小波が八神たちに聞く。

「ところでお兄ちゃんたちは何でここに来たの?」
小波は彼らがホテルに来た理由が聞きたかったのだ。
「話せば長くなるのだが・・・」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
遊園地を出た俺たちは病院へと向かっていた。
遊園地から病院はあまり近くはなかった。 まあ、当然だが。
「お前、何食ってるんだ?」
「ラムネだよ。 ラムネ!」
自分の支給品だと言う。 大量にあるからといって俺にも一袋くれた。

79 :4人の思いよ ホテルに集結 ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:45:43 ID:1vnm8kjS0
「そういえば俺、支給品確認してないな。」
「ええ〜! 普通ゲーム開始時に確認するもんじゃないの! そういうのは!」
「だってお前来たし。」
「それでも少しは時間あったやろ! 私はもうすでに確認してんのに!」
「そりゃあ悪いな。」
俺は謝った。 するとカズが優しく微笑んで、
「謝んなくたっていいんよ! べ、別にあなたのことが好きだから許すとか微塵も思ってませんよ?」
「ふ〜ん。 そうなんだ〜。」
すると、カズは顔を赤くして、
「いや〜今のは本音じゃないんよ! 今のは・・・ほら! とっさに出てしまったとかっていうやつなんや! だから・・・『わかったから落ち着いてくれ。』 あ、ゴメン。」

こんな事を言いつつもカズはなんだかんだいって、少し八神のことが気になっていた。
(十波君もかっこいいけど・・・八神君もかっこいいよな・・・)
大江和那はそう思っていた。

遊園地で八神君を見たとき、十波君だと思った。
喜びながらいくと、人違いのようだった。
でもカズはこの人を見た時から決めていた。

一緒に行動したい・・・と。

八神君は彼女目線で行くとすごくかっこよく見えた。
だからカズはあの時言ったのだ。
「べ、別にどこも行く気なんてあらへんよ?まさか、人違いしていたたまれないし、
 知らん人と一緒におるのも不安やから、ここから離れたいな〜なんて微塵も思ってませんよ?」
この言葉には意味があったのだ。
こういえばきっと一緒に行動しようと思ったからだ。
でもしゃべり方は元からなのでそれも幸いして、八神君は仲間として誘ったのだろう。

やっぱり大江和那は素直にうれしかった。
今、こうやって話す時間が楽しくて仕方がなかったからだ。
こんな時間が続いてほしいと彼女は少し思った。
でも絶対に八神君にはばれたくなかったのでこの気持ちは抑えていた。

「聞いてるのか? カズ!」
「あ・・・ああ! ゴメン! ボーっとしてて聞いてなかったわ! スマン!」
「話している時は聞いてくれよ。 頼むから。」
「うん・・・」

80 :4人の思いよ ホテルに集結 ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:47:26 ID:1vnm8kjS0
そういうことなどがあったが、無事ホテルについた二人だった。
「とりあえず中に入って支給品でも確認しようや!」
「そうだな。」
二人はホテルに入りロビーにあるソファに座ってデイパックの中身を確認した。
「私は飛ぶやつとお菓子(?)とミニ扇風機と爆弾っぽい物。 これがさっきのラムネの一部や!」
「なかなかだな。 というより結構いい支給品じゃん!」
「そ・・・そうなんか? で、あなたはどうなんや?」
「えっと・・・あ! これだ。」
出してきたのはガトリングガン。
「これは結構な当たりアイテムだな。」
「すごいやん! 八神!」
「とりあえず痛いからやめてくれ。」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「まあ、簡単に言えば支給品を確認するために来たということだな。」
「そうだったんだ〜。 実は僕たちもそうなんだよね〜!」
どうやら考えは同じだったらしい。
「ところで、さっきの話通りうちらは病院にいくんだが、一緒についてきてくれないか?」
八神の問いに小波と芹沢はこう答えた。
「もちろん!」
「じゃあ行くで!」

四人はそれぞれの思いを持って一緒に病院へ向かった。

小波走太。
「亀田を倒して、二ノ宮の墓の前で土下座をさせてやるのだ!」

芹沢真央。
「みんなを助けるヒーローになる!」

八神総八郎。
「首輪を取って早く脱出する!」

そして、大江和那。
「八神君と一緒にいたいな〜。 少しだけでいいから。」

81 :4人の思いよ ホテルに集結 ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:49:42 ID:1vnm8kjS0
【G-7/ホテルPAWA 1階ロビー/一日目/黎明】
【小波 走太@パワポケダッシュ】
[状態]:疲労(小)(徐々に回復)、軽い擦り傷(痛みは徐々に回復)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、拡声器@現実、ボイスレコーダー@現実、デジカメ@現実、ミラクルスパイス1ビン@パワプロクンポケット10裏
[思考・状況]
基本:生還し親父を復活させる
1:とりあえず真央についていく
2:人は殺さない
3:真央を少し信頼
4:病院を目指す。

【芹沢真央@パワプロクンポケット7表】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、日本刀@パワプロクンポケット7裏、回復薬×3@パワプロクンポケット7裏、ミラクルスパイス1ビン@パワプロクンポケット10裏
[思考・状況]
基本:弱きを守り悪を挫く『正義の味方』を貫く
1:人を守る
2:病院を目指す

【八神総八郎@パワプロクンポケット8表】
[状態]:健康
[装備]:ガトリングガン@現実
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:バトルロワイヤルを止める
1:病院を目指す
2:仲間を集めるor首輪を外す
3:亀田についての情報が欲しい

【大江和那@パワプロクンポケット10表】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、食玩のお菓子詰め合わせ@パワプロポケットシリーズ、飛ぶやつ@パワプロポケット8表、ふわふわすかいドーン!セット@パワプロクンポケット7表
[思考・状況]
基本:バトルロワイヤルを止める
1:病院を目指す
2:仲間を集めるor首輪を外す
3:知り合いがいたら助けたい
4:八神君ってなんかいいよね?

82 :4人の思いよ ホテルに集結 ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 07:50:54 ID:1vnm8kjS0
【ボイスレコーダー@現実】
普通のボイスレコーダー。
なぜか荒井3兄弟のメッセージ入り。

【日本刀@パワプロクンポケット7裏】
攻撃力4、命中率70というパワプロクンポケット7表のアイテム。
いたって普通の日本刀。

【回復薬@パワプロクンポケット7裏】
ゲーム内では体力が30回復。
このロワ内でも多分・・・回復はするだろう・・・

【ミラクルスパイス@パワプロクンポケット10裏】
一度食べたらやみつきになるスパイス。
パストールの特産品。
ホテルPAWAの厨房に2ビン置いてあった。

【食玩のお菓子詰め合わせ@パワプロポケットシリーズ】
マニアである落田や凡田などが食玩を大量に買ったときに大量に余って主人公などにあげてしまう事もあるという食玩についてくるあの小さいお菓子。
ラムネやミニチョコなどバラエティ豊か。

【飛ぶやつ@パワプロクンポケット8裏】
ゲーム内では次ステージに無条件で行ける。
このロワでは名前のとおり「飛ぶやつ」です。
数分は飛べます。

【ふわふわすかいドーン!セット@パワプロクンポケット7表】
ミニゲーム「ふわふわすかいドーン!」に出てくる2つのアイテムセット。
内容は機雷何個かと扇風機何個か。

83 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 13:22:31 ID:xwgabDMpO
>>52とは比べものにならない程

84 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 14:33:02 ID:vz6K0ssx0
毒吐き別館に毒吐きスレ依頼していい?

85 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 15:15:18 ID:hnJuDaCmO
いいんでない?

86 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 15:20:13 ID:vz6K0ssx0
じゃあ4時まで待って、問題なさそうならいってくる

87 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 16:14:56 ID:xwgabDMpO
よし、やっちまえ

88 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 16:20:51 ID:QC7adsfq0
頼むぜ>>86

89 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 17:03:37 ID:6dEsdckU0
毒吐き立ったな
以下、愚痴等は本スレではなくこっちで
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1217749472/

90 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 21:32:26 ID:QC7adsfq0
『八神君』じゃなくて『八神さん』じゃないですか
カズは高校生で八神は高卒でプロに入った湯田よりも年上なんだから二人の年は離れていますし
敬語を使えないってキャラってわけじゃないし、第一に登場話で『八神さん』って言ってる
八神も出会って1〜2時間程度の女子高生に『お前』なんて言うキャラじゃない

91 : ◆orjFHdr7.c :2008/08/03(日) 22:41:06 ID:1vnm8kjS0
>>90
そして毒吐きスレの皆さんへ

いろいろと意見ありがとうございます。
遠慮しないでもっと言ってもいいですよ。
そうやってくれたほうが修正しやすいので。
できれば明日までに修正版を仮投下スレに投下しておきます。

修正する場所は指摘があった敬語などのこととカズルートについての見直しです。

別に私がだめなやつとか言ってもいいんです。
それは事実ですから。

初心者である私が最初に投稿したときにあんなひどいやつでも感想とかくれるこのロワが大好きだったんです。
パワプロもパワポケも一番大好きなゲームです。
本当にこのロワはすばらしいと思います。
このロワだけではなく、ほかのパロロワもすばらしいと思います。

だからこれからもいろいろな書き手さんが出るかと思いますが、優しく見守ってくださいね。(もちろん感想もね!)
自分が言える立場ではないかと思いますが。

92 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/03(日) 23:54:42 ID:I0iJil6l0
スレの事を本当に考えているなら半年くらい書かずにロムってろと
はっきり言うなら空気をまるで読めてない
他の書き手のモチベーションにも関わるから、これ以上ロワレイプはやめてくれ
コイツは駄目だね、って笑えるレベルですらないから
修正とかしなくていいから破棄してくれ、というのがスレ住民の9割方の意見だろう
感想の無さがその証拠である

93 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 04:06:44 ID:4zZyjZUb0
もっとはっきり言うと、貴方がこれから素晴らしく成長したとしても
私達、住人は貴方を見る目が変わるとは思えません。
お互いのためにもロム専になるか、トリを変更して他のロワで書くことをオススメいたします。

94 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 09:19:22 ID:rxku7fI/O
はっきりいって修正には誰も期待していないだろう
某所で愚痴を吐かれていたが、2話で強力な対主催のグループを結成させる時点で、
ロワの定石的なものをロクに知らないと見える。
口調云々よりも、全体の構想自体に欠陥があるため、修正をしたところで焼け石に水としかならないでしょう

それでも空気を読まずに書き続けるというなら、それは立派な意志だと思いますが、意志が立派なだけじゃリレーにはなりません

95 : ◆orjFHdr7.c :2008/08/04(月) 17:44:49 ID:ldb8ClVq0
>>92>>94

とりあえず今回の予約は破棄します。
私だってこんだけ批判されたら修正する気にもなれません。

普通誰だってそう思いますが。
というより最初に気づくとは思いますが。

あとなるべく本スレではこういうことは書かないでください。
だってそのためにできた愚痴スレでしょう?
愚痴スレでも言っていたとおり、私だけでなく他の人にまで影響しますよ?
今いる書き手を減らすわけには行かないでしょう?

96 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 18:29:29 ID:yiXVRDzV0
>>94
よし、それなら定石のテンプレを作ってくれ!
そんで虎の巻っぽい感じにして、まとめwikiにでも貼れば同様の問題は起こらない。
それに新規の書き手さんも安心して参加できるようになる。

新規の人はもちろん、今まで読み専で先のことや全体のことを考えずに感想だけ書いてた人には、
ロワ書きの定石とか暗黙の了解なんて分かりませんよ。

97 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 20:02:42 ID:AEAaOScu0
書き手の心得を1・2・3全部読むといい、アレは良く出来ている
それと、対主催にしろマーダーにしろ圧倒的に有利になる展開は避けるべきだな
どうやって殺すんだよこんなの、みたいなのは疎まれるぜ

98 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 20:34:02 ID:yiXVRDzV0
スマン『書き手の心得を1・2・3』ってどこにある?
>>1にあるwikiで探したんだけど見つからんかった。

ちなみに>>97の二行目以降も載ってるの?

99 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 20:38:57 ID:AEAaOScu0
【ルール・テンプレート】の下の方に読み手の心得や修正についてと一緒に載ってる
二行目以降は乗ってないな、後で下のほうにでも加筆しておく

100 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 20:48:49 ID:BGiLdVuZ0
というかまんま他所様のを転載しないで自分らで作ったほうがいいんじゃないかと思うんだが
正直、
>(今までの話を平均すると、回復魔法使用+半日費やして6〜8割といったところです)
なんてのを残しておくとそれだけで威厳みたいなものがなくなる

101 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 20:51:08 ID:yiXVRDzV0
おぉ、ありがとう!
せっかく良く出来ている心得なんだから、どうにかして目に触れるようにしたいね。

>>1の【基本ルール】の最後に、下記のような文を追加するとか
詳しくはwikiのルール・テンプレート参照(ロワ初心者は熟読推奨)
http://www33.atwiki.jp/pawapokerowa/pages/12.html

102 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/04(月) 20:54:46 ID:AEAaOScu0
>>100
うーん、じゃあ水曜日までに改文と追記してみる
心得の内容自体は納得できるものだと思うからそんなに弄る必要ないだろうし
不自然な点あったら指摘頼むわ

103 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/07(木) 07:32:46 ID:tHpODyNT0
予約がどんどん入るな、今のところ4つか

104 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:08:46 ID:Fi5XmAVl0
投下しますね

105 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:09:54 ID:Fi5XmAVl0
明日香、曽根村、鋼の三人は、夜に歩き回るのは危険という曽根村の提案によって
館内の事務室で休息を取っていた。
そこには作業用の机が幾つかに、応接のためと思われるソファー、さらには館内の至る所に仕掛けられた監視カメラのモニターがあった。

明日香は曽根村と鋼を信用したのか、それとも単に疲れが溜まっていただけなのかソファーに座りながら、デイパックに入っていた安眠マクラを使い寝息をたてている。
他にもデイパックには、持っているだけで疲れを減少できるトルマリンの置物や身体の病気を治してくれる特効薬が入っていた。
これらは病気がちな明日香にとってはありがたかった。
一方、残された二人は黙々と監視カメラのモニターを見つめている。
どうやら、この二人は明日香が間に入ってないと会話が続かない様だ。
それに二人とも気付いているようで、無理に話そうとはしない。

そんな中突然、プルルルル、と電話の呼び出し音が鳴り響く。
モニターを見ていた二人はバッと電話の方に振り向き、明日香も目を覚ます。
(さて、どうしたらいいでしょうか)
電話が鳴ったという事は、当然こちらにかけた者がいるという事である。
それが友好的ならばいいが、問題は殺戮者がかけてきた場合だ。
でたが最後、こちらの位置を向こうに教えてしまっているも同然なのだ。


106 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:10:55 ID:Fi5XmAVl0

「何だ?」

だが、そう考える曽根村を横目に、鋼が即座に受話器を取っていた。
『あら、通じたみたいね。そちらは水族館ですか?』
曽根村が凄い形相で睨んでいるのにも気付かないで、その問いに対して鋼は正直に答える。
「ああ、確かにここは水族館だ。で、お前は誰だ?」
『えっと……、あたしは高科 奈桜っていいます。あなたは?』
「そうか、高科か。俺は鋼毅だ。で、何の用だ?」
『……そうです、聞いて下さい!あたし見ちゃったんです。黒ずくめの人が他の人を殺すところを』
「何!?それはどういうことだ?」
これには二人の会話を聞いていた明日香と曽根村も驚きの色を隠せなかった。

高科は殺人の目撃談とそれからの経緯を話し始めた。
まず、最初に亀田によって殺された男、ブラウンにそっくりの黒尽くめの者が幼い子供をその手にかけた。
その現場を見てしまった彼女は恐怖によりその場から逃走。
人気のないスーパーに逃げ込み、鞄に入っていた携帯電話で警察に通報しようとするが繋がらない。
しょうがないので自宅に連絡をしてみるも、これも繋がらず。
最終的に知る限りの番号を試してみたが結果は変わらなかった。
不安と焦りが心に渦巻きながらも電話を操作すると、電話帳に番号が何件か登録されていることに気づく。
そこで、ダメ元で登録されていた水族館に電話をし、今に至るというわけであった。


107 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:11:44 ID:Fi5XmAVl0
「…………」
鋼は神妙な顔つきで聞いていた。
殺人が行われたのは自分達のいる水族館のすぐ近くである、そのような所で殺人が行われていたなんて……。
明日香、曽根村もまた同様の感想を抱いた様で表情が冴えない。
「……それは災難だったな。他の施設には繋がったのか?」
電話の向こうからは残念そうな声で答えが返ってきた。
どうやら繋がりはしたが電話にはでなかったらしい。
「そうか、ではお前は今後どうするつもりだ?」
『しばらくはここに身を隠すつもりです。下手に歩き回るよりは安全でしょうから。鋼さんは?』
「俺も夜が明けるまではここにいるつもりだ」
『そうですか。じゃあ、日が昇ったらまた電話をしていいですか?』
この問いに対して、鋼はチラリと曽根村や明日香の方を見るが二人ともOKサインを出している。
「ああ、構わないぞ」
『そうですか、じゃあまた後で。お互い生き残れるといいですね』
そうして高科奈桜との電話は終了した。


108 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:14:32 ID:Fi5XmAVl0
そこからは三人での今の電話によって得た情報の検討と今後の話し合いだった。
今回得た情報で一番重要なのは黒尽くめのブラウン、さしづめブラックがゲームに乗っており、近くを徘徊している事である。
普通ならば逃げるべきだが、三人は話し合いによって水族館に留まることにした。
高科奈桜との約束が有るのもそうだが、逃げるよりもここに居た方が安全と踏んだからである。
何しろ館内には至る所に監視カメラが設置されているのだ。
万が一、不審者が侵入したとしてもすぐに分かるし、先手を打って逃げる事も可能である。だからこそだ。

モニターを注意しつつ夜が明けるまではここに留まり、高科奈桜の電話を待つ。
その後は首輪をどうにかするため北西の研究所を目指す。
これが三人で話し合った今後の方針であった。

基本的な方針が決まった後、曽根村は一人ある事を考えていた。
それは高科奈桜の事である。
彼は彼女の事を完全には信用していなかった。
明日香や鋼はブラックの事を教えてくれたという理由で警戒を解いている様だが、彼女がゲームに乗ってないという可能性は0ではないのである。
そもそも、高科奈桜という会ったこともない人物を信用しろというのが無理な話なのだ。
ブラックの話のインパクトでうやむやになってしまったが、実は彼女自身についての情報は何一つ得てないのである。
胸に何かを燻らせながら、曽根村の顔はモニターを向いていた。


109 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:15:29 ID:Fi5XmAVl0
【H-6、水族館/一日目/黎明】
【進藤明日香@パワプロクンポケット1】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式、安眠マクラ@パワポケ4、トルマリンの置物@パワポケ4、特効薬×3
[思考]
基本:殺し合いから脱出する
1:曽根村、鋼と共に夜明けまで水族館に留まる
2:1の後、研究所へと向かう

【曽根村@パワプロクンポケット2】
[状態]右手首打撲
[装備]ナイフ、ブロウニング拳銃(6/6、予備弾数30発)
[道具]なし
[思考]
基本:戦闘は鋼に任せ漁夫の利で優勝を目指す
1:明日香、鋼と共に夜明けまで水族館に留まる
2:二人の信頼を得る:
3:高科奈緒に対して疑心
4:1の後、研究所へと向かう

【鋼毅@パワプロクンポケット3】
[状態]健康
[装備なし]
[道具]支給品一式、野球ボールが数個、ランダム支給品
[思考]
基本:殺し合いから脱出する
1:明日香、曽根村と共に夜明けまで水族館に留まる
2:1の後、研究所へと向かう


110 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:17:24 ID:Fi5XmAVl0
浜野朱里が入ったのは何の変哲のないスーパーであった。
深夜ということもあり、店内の明かりは完全に落ちている。
目立つ訳にはいかないので、明かりは消したまま、ランタンを使いながら浜野は店内を物色した。
店内には野菜、調味料、お菓子といった生活必需品が並んでいる。
だが、やはりというか、鮮度の問題からか魚や肉といった生もの、殺し合いの武器と成り得る包丁などの姿は見えなかった。
その中で少しでも役立ちそうな物を適当に数点デイパックに詰め、
浜野はスーパー内に設置されていたベンチに腰を下ろし、おもむろに鞄から携帯電話を取り出した。

「バックに入ってたのは槍とこれだけ。
おまけに武器は没収され、敵の一人は黒猫。まったく、先が思いやられるわ」

そう愚痴を吐きながらも浜野は携帯を操作し、親切高校を含む自分の知る限りのジャジメントの関連施設、さらには警察にまで電話をかけてみるが、全て繋がらなかった。
だが、あらかじめ予想していたのか浜野の顔に落胆の色は見えない。

「やっぱり、外部との連絡は取れない様になってるのね」


111 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:18:45 ID:Fi5XmAVl0
その後も浜野は携帯の操作を続け、あらかじめ幾つかの番号が登録されている事に気付く。
そこで、試しにその中の一つ、水族館に電話をかけてみた。
今までと違い、受話器からはプルルルルという呼び出し音が聞こえてくる。
そして、二回目の呼び出し音が始まろうとした時、呼び出し音は鳴らず人の声がした。

『何だ?』

「あら、通じたみたいね。そちらは水族館ですか?」
『ああ、確かにここは水族館だ。で、お前は誰だ?』
どうやら、本当に水族館の番号であったようだ。
「えっと……、あたしは高科 奈緒っていいます。あなたは?」
本名を教えても構わなかったが、あえて浜野は偽名を用いた。
どうせ顔も見られていないし、名前を特定する物もないのだ。
それに今後何が起こるか分からない。ならば、偽名を使った方が得策と判断したためだ。
ちなみに、高科奈緒の名前を使ったのは他にめぼしい名前が思いつかなかったため。
他にも、神条紫杏や大江和那の名も思いついたが、部下が主君の名前を使うわけにはいかないし、大江の名を使うのは生理的に受け付けなかった。
ゆえに、馴れ馴れしいクラスメイトの名を借用することにしたのだ。


112 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:26:27 ID:Fi5XmAVl0
『そうか、高科か。俺は鋼毅だ。で、何の用だ?』
正直に言ってしまえば浜野に用事など無いのである。
電話をいじっていたらたまたま水族館にかかってしまっただけなのだから。
だが、電話で話している間に浜野にはある妙案を思いついていた。
「……そうです、聞いて下さい!あたし見ちゃったんです。黒ずくめの人が他の人を殺すところを」

そう、それは嘘の情報を流すこと。
このような場だ、些細な事でも大惨事に繋がりかねない。それを利用するのだ。
もちろん内容は自分が有利になる事、差し当たっては黒猫の事だ。
自分に黒猫を倒す力が無いならば他の人に倒してもらえばいい。
このゲームは最後まで生き残っていた者が勝者なのだ。決して、多く殺した者ではない。
仮にバレたとしても罪は全て高科奈緒に架かるのだ。これを使わない手はない。
そして、浜野は全くの捏造話を鋼に聞かせた。

『……それは災難だったな。他の施設には繋がったのか?』
受話器越しからでも分かるほどに鋼は動揺しているようだ。
作戦はうまくいったらしい。
後は適当に相手をしつつ電話を切った。
「馬鹿とハサミは使いようってね。理想は黒猫と相打ちになってくれることだけど、無理でしょうね。
傷の一つでも負わしてくれれば儲けもんかな。まだ、近くには黒猫がいるだろうし、鋼にも言った通り夜明けまではここにいましょ」

バトルロワイアル、それは決して力だけでは勝てないゲーム。


113 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 00:30:13 ID:Fi5XmAVl0
【G-7、スーパー/一日目/黎明】
【浜野朱里@パワプロクンポケット10】
[状態]腹に打撲、疲労(小)
[装備]六尺棒
[道具]支給品一式、携帯電話、塩素系合成洗剤、酸性洗剤、油、ライター
[思考]
基本:優勝して紫杏の元に帰る
1:夜明けまでここで休憩をとる
2:1の後、水族館に電話をかける
3:黒猫(真央)を警戒
※携帯電話に登録されていた水族館以外の施設は後の書き手に任せます


114 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 01:00:46 ID:d9xaIlgt0
したらばより
61  ◆IvIoGk3xD6 [sage] 2008/08/08(金) 00:37:42 ID:ipDS3X9Y0


さるさん規制に引っ掛かったのでこちらで投下終了宣言しておきます
問題点がありましたらお知らせ下さい
タイトルは鋼パートが、電話が鳴ってすぐにでる〜狂気の鋼毅
浜野パートが、匿名リサーチ
でお願いします


投下乙
だがパート毎にタイトルを変える必要はあるのか?
大して長くないし

115 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 04:37:14 ID:Ki10Q9H40
>>104-113
投下乙、GJ
浜野の抜け目の無さは流石なんだが、それよりも鋼よ、ちょっとは疑えw

ソネムーは鋼を利用する気満々だけど、
鋼がここまで直進のみの男となると、ソネムーによって鋼も生かされるかもしれんね。
相性悪いしステルスでもあるが、同時に間違いなく互いに足りない物を持ち合わせてもいる。

116 : ◆IvIoGk3xD6 :2008/08/08(金) 09:03:10 ID:Fi5XmAVl0
>>114
確かに大して長くもないし、二つに分ける意味もないですね
タイトルは、鋼のだけでいいです
書き手のわがままで、wikiに収録してくれる人のことを考えてませんでした。すいません


117 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 09:03:17 ID:YslK9Zq60
投下乙
鋼をにらみつけた曽根村の顔が目に浮かぶぜwww
しかし朱里やっちまったなw名簿支給されたらアボンだwww
あとタイトルって『電話が鳴ってすぐにでる〜狂気の鋼毅/匿名リサーチ』でいいですか
ぶっちゃけると二つもページ作るのは色々と面倒でして……容量もそんなにありませんし

118 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 09:04:16 ID:YslK9Zq60
うお、もう書き込まれていたw
了解しました、そうしときます

119 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 23:04:49 ID:Igiyoy68O
投稿乙
勘違いのフラグか
鋼鵜呑みにしててワロタ

120 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 23:41:37 ID:bsqJ/ksV0
問題です

くにおの好物は何パンでしょうか

121 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/08(金) 23:42:11 ID:bsqJ/ksV0
あー…
邪魔してすまん
間違いだ

122 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:39:50 ID:+S+b0XflO
四路智美、九条英雄、凡田大介で投稿します。

123 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:40:55 ID:+S+b0XflO
凡田くんに引っ張られしばらく歩いたところで俺は言わなければならない事を思い出した。

「ところで凡田くん」

「なんでやんす?」


「ちょっと支給品を調べさせてくれないか?
実はしばらく何も食べて無くてさ
食べ物が無いかと思ってね
…それにさっき見つけた女性の死体を埋葬したいから何か使える物が無いか調べたい
それと武器が無いかも調べたいしね」

もっと早くに会って入れば救えたかもしれない命。

あの時何も出来なかった俺はせめて死んだ後くらいはなんとかしてやりたいと思っていた。

「ええええ!
女性の死体って!
一体誰が殺ったんでやんすか!」


「…それはわからない
だけど近くに殺し合いに乗った人間が居ることは確かだ
…もっと早く言っておくべきだったな」

彼女の死因となったと思われる傷。
アレは明らかに銃による物だった。
俺達も死なない様に気を付けなければならない。

「…そう言えばオイラも支給品の確認をしてなかったでやんすね
何か有るかもしれないでやんす」


124 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:43:02 ID:+S+b0XflO

九条と凡田のデイパックの中には食料品、コンパス、地図、紙と鉛筆、時計、ランタンと黒い板が入っていた。

「おお助かった!食料品だ!食べるぞ!」

腹が減っては戦は出来ぬ
食べ物が入っているのは有り難かった。


「ちょっと待つでやんす!
他にも何か入ってるみたいでやんすよ
まずそれを確認するのが先でやんす!」


「…ああ…そうだな
じゃあさっさと確認しよう」

…とりあえず同意はしておいたが我慢出来そうに無い。
………こっそり食べるか。

「まずは九条くんの支給品から調べるでやんす」

九条に支給されていたのはスタングレネードと拳銃とロケット弾だった。


「おお!凄いでやんす!」


「そうだな」

(ぱくぱく)

これはけっこう美味いな

「次はオイラの支給品を確認するでやんすよ
きっとオイラの支給品は九条くんの支給品より凄い物が入ってるに違いないでやんす!」
「…その自信はどこから来るんだ」

(もぐもぐ)

「ふっ…伊達にオイラはいろいろ集めていないでやんす
そのオイラのプロの勘でやんす!」

凡田の支給品は鍵とお守りとギターだった。

125 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:44:18 ID:+S+b0XflO


「…九条くんのよりショボいでやんす
…ところで九条くん後ろ向いて何をしてるでやんすか?」

「……なんだい?」


「支給品の確認が先だって言ったのになんで食べてるんでやんすか!」


…バレてしまったか。仕方ないのでちゃんと理由を説明する。

「ああごめんごめん
…我慢出来なくてね
なにしろ5日間何も口にしてなかったからな」


「へ?
…九条くんは一体どんな仕事をしているでやんすか?」

ここでも素直に答える。

「仕事はしてないよ
自由きままな旅人をしているのさ」

「………そうでやんすか」

なんとなく凡田くんの目が冷たい気がした。



126 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:46:05 ID:+S+b0XflO
「ところでそのギターをちょっと見せてくれないか?」

このギターにはなんとなく見覚えがあった。これは多分…

「いいでやんすよ」

「これは椿の…」

何故彼のギターがここにあるのだろうか…
まさか…参加しているのだろうか

「椿?誰でやんす?」
「ああ知り合いだよ
ギターは俺が使うから凡田くんは代わりにこの拳銃を使ってくれ」
椿のギターならそれなりの耐久力はある。
椿ほど使いこなせないかもしれないがとりあえず持って置くことにした。

「了解でやんす
ところでこれからどうするでやんす?」

俺は少し考えたのちこう答えた。

「そうだな…とりあえず工場に行こうか
支給品に埋葬に使えそうな物はなかったし、工場にならスコップくらい有るかもしれない」

「スコップなら海の家に有るかもしれないでやんす
行くならそっちに行くでやんす」

「工場にならスコップ以外にも武器になる物が有るかもしれないぞ」

「海の家なら九条くんが食べた分の食べ物を補充出来るかもしれないでやんす!
…それになんとなく工場に行くと大変な目に会う気がするでやんす」

「うーん…どうしようか?」

俺達が迷ってるその時だった。

「私が決めてあげようか?」

「誰だ!」

声がした方を振り向くとそこには一人の女性がいた。



127 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:49:52 ID:+S+b0XflO
「おお!オーナーでやんす!」

どうやら凡田くんの知り合いらしい。

「オーナー?
えーと…凡田くんこの人は?」


「オイラの所属しているプロペラモグラーズのオーナーの四路智美さんでやんす」

所属している?
…おかしいな聞き間違いでもしたのだろうか

「…ちょっと待て
所属しているって凡田くんはもう引退しているんじゃなかったか?それにモグラーズはホッパーズに名前を変えたんじゃなかったか?」

「何を言っているでやんすか?
オイラはまだまだ現役でやんすよ
それにホッパーズってなんでやんすか?
最近出来たのはプロペラモグラーズやんすよ」

…おかしいな記憶違いだったのか?。

「………あれ?そうだったっけ?」

「ニュースとかちゃんと見てるでやんすか?」

「いや…ずっと旅をしてるからあんまり…」

「…そうでやんすか」

…またなんとなく凡田くんの目が冷たい気がした。


「えーと…そろそろ私の話しに入って良いかしら
聞きたい事も有るし」

「あ…ああどうぞ」

そうして彼女は話し始めた。

「先に言われたけど…一応自己紹介しとくわ
あたしの名前は四路智美よ
殺し合いには乗って無いわ
よろしくねお二人さん」

128 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:51:23 ID:+S+b0XflO

とりあえず俺も挨拶をする。

「よろしく四路さん」
「よろしくでやんす」

「ああ…智美で良いわよ
それで聞きたい事があるんだけどあなた達、三橋一郎って人に会って無い?
…多分会って無いとは思うけど」

三橋一郎…彼女の知り合いだろうか。

「三橋一郎って人には会って無いな
ここに連れられてきて会ったのは凡田くんと智美さんだけだ」

「オイラも二人にしか会って無いでやんす」

「…そう残念ね
ねえ二人共に提案があるんだけど良いかな?」

残念ねと言っていたがあんまり残念そうではなかった。
まるでこの答えがわかっていたように。

とりあえず彼女の提案を聞く事にする。

「提案?なんだい?」
「あたしは殺し合いに乗って無い人を集めようと思ってるの
それであなた達に仲間になって貰いたいのよ」

「ああ喜んで」

「オイラも構わないでやんす」

断る理由も無いので素直に同意する。

「ありがとう
じゃあちょっと頼みがあるんだけど、これからあたしは工場へ行くからあなた達は海の家の方へ行ってくれない?」





129 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:54:50 ID:+S+b0XflO
仲間になってくれと言った後にいきなり分かれる提案をするのは予想外だった。


「ちょっと待て
一緒に行動しないのか?
一人だと危険だ」

これ以上無駄な犠牲者は出したくなかった。

「あら心配してくれてありがとう
…でもそれだと効率悪いからね
一緒には行くつもりは無いわ」

「だけどすぐ近くに殺し合いに乗った人間がいるかもしれないんだ」

そう下手すればさっき死んだ彼女見たいに…。

「…大丈夫よ
充分気を付けてるから」

「でも…」

「あーもう!
だから大丈夫よ!
なんと言われようと一緒に行くつもりは無いわ」

…どうやら一緒にくる気はまったく無いらしい。

「…わかった
そこまで言うのならついては行かない
だけどこれは持って行って欲しい
凡田くん拳銃を智美さんに渡してくれ」

「えーでもそれだとオイラ達が危険になるでやんす」

「…女性が一人でこの危険な殺し合いの場所を歩くんだ
それくらい渡してあげてくれ」

「…わかったでやんす」

凡田くんは智美さんに銃を渡した。

130 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:57:02 ID:+S+b0XflO

「ありがとう
…いい銃ね
代わりにこれをあげるわ」

「えーと…なにこれ?」

「さあ?野球人形って言う物らしいわよ
動かせる見たいだしオトリにでも使えるんじゃない?」

「…有効活用させて貰うよ」

正直どう有効活用出来るか思い付かなかったけど。

「それで話しの続きなんだけどあたしとあなた達で出来るだけ多くの参加者を仲間に引き入れて欲しいの
出来れば技術者優先ねあたしは南側の人を集めるからあなた達は北ね
それで仲間にした人達を三回目の放送の後、ホテルPAWAに集めてこの状況をどう打開するか話し会おうと思う
…仲間集めをお願い出来るかしら?」



「ああわかった
手伝おう」

「オイラもガンダーロボの為に頑張るでやんす!」

「ありがとう
それじゃまた後で会いましょうお二人さん」
「ああまた後でホテルで会おう」

そう言って俺と凡田くんは最初の目的地の海の家に向かって歩きだした。


131 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 11:58:34 ID:+S+b0XflO

ある程度智美さんとの距離が離れた後、智美さんは大声でこう言った。

「一つだけ忠告しといてあげるわ
さっきこのエリアで十波典明って人が森友子って人を多分殺したから十波典明って人には気を付けておいた方が良いわよ」


「……え?
ちょっと待て何で君がそんな事を知ってるんだ!」

「さあね
今度会った時にでも教えてあげるわ
さようなら九条くんに凡田くん」

「おい!ちゃんと話しを…!」

「…行ってしまったでやんす」

なぜ彼女がそんな事を知っているのか気になったが…仕方ない。

「…まあ今度会った時に聞こう
俺達は海の家の方に行こう」

「了解でやんす!」

俺達は歩き出す。
また会える事を信じて。

132 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 12:01:28 ID:+S+b0XflO
【B-6/1日目/黎明】
【九条英雄@パワプロクンポケット9】
[状態]:健康、正義の味方としての決意
[装備]:ギター
[参戦時期]:維織GOOD後からアルバムまでの間
[道具]:支給品一式、ロケット弾、スタングレネード、野球人形
[思考・状況]
基本:参加者全員を助け出し、亀田を倒す

1:海の家に向かう。
2:仲間を集める。

3:彼女(森友子)を埋葬したい。

4:第三放送前にホテルPAWA行く【B-6/1日目/黎明】
【凡田大介@パワプロクンポケット2】
[状態]:顔面に打撲
[装備]:無し
[参戦時期]:本編終了後
[装備]:お守り
[道具]:支給品一式、鍵
[思考・状況]
基本:ガンダーロボを救出したい
1:海の家に向かう
2:仲間を集める
3:基本人殺しはしたくない
4:九条を信頼
5:第三放送前にホテルPAWAに行く
6:チームメイトにH亀田がいる



133 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 12:03:32 ID:+S+b0XflO
【野球人形@パワプロクンポケット5裏】
野球をするために作られた人形。
心技体の玉が入っている。

【スタングレネード@現実】
上手くいけば音と光で相手の意識を少しの失わせる事が出来る。

【ロケット弾@パワプロクンポケット9裏】多くの惑星で買える武器。
威力は高い。
ラブリーチャーミーな敵役とは一切関係無い

【鍵@現実?】
普通の鍵。
ただのハズレアイテムかそれとも…

【お守り@パワプロクンポケットシリーズ】怪我の確率を下げてくれる。
交通事故を防いでくれたりけっこう便利。

【ギター@パワプロクンポケット9】
椿の愛用品。
人を殴っても壊れない耐久力を持っている。

134 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 12:06:09 ID:+S+b0XflO
▼ ▼ ▼

九条と凡田の姿が見えなくなった後、四路智美は一人呟く。

「…とりあえずは出だしは順調ね」

そう今の所は計画通りだ。

三橋くんの行動方針が分からないこの状況であたしは安易に殺し合いに乗るのは得策ではないと考えた。

だけど仲間を集めるにしても三橋くんが殺し合いに乗っていたので有ればまったく意味の無い行動になる。

私に支給された物は野球人形と複数のダイナマイトと探知機。

私はこの支給品を使ってどちらも選べる選択をする。

私の立てた計画はまず人を集める。

三橋が殺し合いに乗っていないのなら集めた人達に合流すればいいし、殺し合いに乗っているのなら集合場所に集まった人間をホテルごとダイナマイトで爆破し、一網打尽にしてしまえばいい。

支給品に探知機が有ることで簡単に人を見付けることも出来るから、人を集める過程で三橋くんの情報も集まるだろうから第三放送までには方針が決まるだろう。

探知機を起動して確認出来た人間四人のうち一人はすぐに殺されてしまったのが多少残念だったが、殺し合いに乗っていない二人が殺されなかっただけで良しとしよう。

二人に会った事で予想外の武器も手に入った。


135 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 12:07:51 ID:+S+b0XflO
これである程度殺し合いに乗った人間とも話しが出来る。

話しが分かる人間なら仲間に引き入れても良いかもしれない。

…もっとも話しが通じない相手だった場合は三橋くんの安全の為にも始末するしか無いかもしれないが。

…正直言ってこのやり方は良心が痛む。
信頼し力を貸してくれる人間を裏切るかもしれない作戦だからだ。

だけど私は彼を生かす為なら今よりもっと汚くもなろう。
屑にでもなろう。
人から何を言われたって構わない。

私は彼に生きていて欲しいから。

136 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 12:08:39 ID:+S+b0XflO
【B-6/1日目/黎明】
【四路智美@パワプロクンポケット3】
[状態]:健康
[装備]:拳銃(ジュニア・コルト)、探知機
[参戦時期] 3智美ルートで主人公の正体が1主人公だと発覚後。
[道具]:支給品一式、ダイナマイト5本 
[思考・状況]
基本:二度と三橋くんを死なさない。
1:工場に向かう。
2:しばらく情報集め。
3:人を集めたい。
4:第三放送までにはホテルPAWAに集まる人をどうするか方針を決めたい。
5:亀田の変貌に疑問?



137 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 12:09:37 ID:+S+b0XflO
【拳銃(ジュニア・コルト)@現実】
小型の拳銃。
弾が6発入っている。

【ダイナマイト@現実】
高い破壊力をお約束します。
5本支給されている

【探知機@現実?】
自分のいるエリアの全ての参加者の名前と距離を教えてくれる。
自分のいるエリア以外の情報は移動しないと取得不可能。

138 : ◆7DOBbsTUNE :2008/08/09(土) 12:13:22 ID:+S+b0XflO
投稿終了です。
題名は「想い」です。
…本スレが活気が無いのでとりあえず話しのネタ提供。
今までの話しで好きな話しと書き手さんは誰ですか?

139 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 13:43:26 ID:XuFR6rKD0
投下乙です
とりあえず智美は工場に行っちゃらめぇ
メカ亀田とアカネがいるんだぜ、智美がフルボッコにされちまうよ

個人的には◆JafXqJgmR2さんの『わるいやつら』が好きですね
いい味出してるよ、あやかさんとプレイグが

140 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/09(土) 13:53:22 ID:XuFR6rKD0
黒羽根あやか、プレイグ、リンを仮投下をしてきました
仮投下した理由としては
『黒羽根あやかの制限』
『三つ目の探知機』
の二つが問題かな、と思ったからです

141 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 16:41:50 ID:IrIVT5w60
>>139
大丈夫、工場にはタケミやたかゆきも向かって…。
あれ? たかゆきってだけで不安要素が増えたぞ?


投下乙です
自分は◆7DOBbsTUNE氏の「名推理?迷推理?オレはただ生き残りたいだけ」が好きです。
考察がロワっぽい勘違いが入り混じってていいです。

142 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 16:53:31 ID:IrIVT5w60
>>140
今見てきました。
とりあえず個人的にはどちらも問題ないと思います。
探知機はジョーカーとして亀田が贔屓したとも考えられますし。

143 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 21:44:48 ID:rY4owi7g0
さて、投下してもよろしいですかな?

144 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 21:51:53 ID:PL/6Tx/S0
どうぞどうぞ

145 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 21:52:12 ID:LEqG/ZMU0
投下乙!
やっぱり主人公とメガネのコンビはいいわ〜
セリフ回しがぽかったです
そして、智美も恐ろしいこと考えるなwww

>仮投下
自分は問題ないと思いました
感想は本投下の時に

146 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 21:53:43 ID:rY4owi7g0
それでは投下いたしやす
それとお二方、投下&仮投下乙です

147 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 21:54:23 ID:rY4owi7g0
 
さらは探っていた。
それは、近くに落ちているノーマル弾と機関銃を拾うチャンス。
レッドと東の言い争いは、互いに主張を譲らず平行線を辿り、それをほるひすと甲子が傍観するような格好となっている。
そのレッドと東は、『熱く』なりすぎてしまったのか、さらの様子に対し何か気付いたような素振りは見せていない。


   ◆  ◆  ◆


赤い人と、私を『馬鹿にした』男の人。
二人は言い争いに気を取られて、こちらへの関心が薄くなっている。
仲が悪いんでしょうか?
それはそうですよね、こんな場所でいきなり出会ったような人なんか、信用できるわけ無いですよね。
実の家族だって、信用なんか出来るはずも無いのに。
でも、今の私には好都合。
まだ、あと少し、もう少しだけ離れてくれれば、銃と変な弾を拾いに行ける。
銃で撃ってさえしまえば、何もかも関係ないのだから……。


   ◆  ◆  ◆


「だから説明しろと言っているんだ。
 あの女をどうして仲間と同列にして扱わなければならない?」

互いに主張を譲らぬまま、議論はヒートアップしていた。
自分の意見を聞き入れようとしない東に対し、レッドはいらつきを隠せなくなってきていた。

「だからと言って人の命を軽く扱っていい訳は無いだろう。
 彼女だって僕らと同じ様に、望みもしないのに亀田に連れて来られたんだ。
 ここで武器だけ取り上げておいて、そのまま置いて行く訳にはいかないだろ?」
「危険分子は処分するべきだ。
 俺は仲間の身を危険に晒したくはない」
「レッド、お前にとって仲間って何なんだ?
 仲間は守るべきもので、それ以外は手を差し伸べる必要はないとでもいうのか?」
「そうだ、仲間は守ってやらなければならない。
 だがこの女のような危険な存在は、こちらに害をなさないように、殺すか徹底的に戦力を奪い取るべきだと言っている」

守ってやらなければならない、その言葉が東の中の何かのスイッチを押してしまった。
何だそれは? それではまるで義務感からそうしているようではないか。

「守ってやらなければならない?
 お前は仲間だからって仕方なく守ってやるって言いたいのか?
 そんな考えで助けられたくはないな」

この言葉で、レッドの苛々も頂点に達した。
そして次の瞬間───レッドは東の顔面に拳を向けていた。

148 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 21:55:40 ID:rY4owi7g0


   ◆  ◆  ◆


赤い人が男の人に手を出した。
周りに居たおかしなぬいぐるみと十波君に似ている男の人も、驚いたのかその場に駆け寄っている。
私なんかどうでもよくなったのかな?
でもそれはむしろ好都合。
この場に居る全員の注目があの二人に集まっている、アレを取りに行くのは今しかない。
私の足は勝手に走り出していた。


   ◆  ◆  ◆


東はレッドの攻撃に気付くやいなや、当然のように避けようとする。
しかしレッドの腕はそれ以上に早く、東に出来たのは直撃を避けることだけだった。
レッドの拳が東の頬を掠ったのを見て、甲子は二人のもとに仲裁に入ろうとする。
それをほるひすが追いかけるような格好となり、4人の注目がさらから完全に離れた。

「……悪い東、今の行動は軽率だった。
 謝らせてもらう」
「こちらの方こそ軽率な発言をして済まなかった」

憮然としたまま沈黙する二人。
甲子はそんな二人に何か声をかけようとしたが、上手い言葉が見つからない。
それでも頭の中で必死に言葉を整理して、ようやく声を発せようという所で、彼の言葉は遮られる。
とても物騒な音で。


   ◆  ◆  ◆


作戦は成功だった、作戦と言えるほど大それたものじゃなかったけど。
私への注目が離れるときを見計らい、最短距離で変な弾と、機関銃を拾い上げる。
ただそれだけ。
先に拾った変な弾はこっそりポケットに入れておいて、後から拾う機関銃で皆撃ってしまえばいい。
私の作戦は完璧だった。
ただ一つ、自分でも気付けなかった誤算。
自分のような普通の女子高生が、機関銃を上手く扱える訳が無いという事を除いては。


149 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 21:56:17 ID:rY4owi7g0


   ◆  ◆  ◆


ババババババババッ───
深夜の草むらに銃声が響き渡る。
レッドはしまったという顔で銃声の方向に振り返るが、すぐに平静を取り戻す。
さらの銃口は明らかに下に傾いていた。
気持ちが昂りすぎていたのか狙いも滅茶苦茶で、若干距離があった事も幸いし、彼らに素直に銃弾が飛んでくる事は無かった。
しばらくしてその銃弾も尽き、彼女は銃を持ったままへたり込んでしまう。

「東……」
「分かった。
 俺の見込みが甘かった。
 もう彼女の件に関してはレッド、お前に任せるよ」

東は悔しそうな表情で、レッドに全てを委ねた。
それを聞き入れたレッドは、心底嬉しそうに笑顔を見せている。

「そうか、分かってくれたか東よ。
 俺は嬉しいぞ。
 なら一度だけでは飽き足らず、二度も俺達の命を狙ってきたあの女は、もう生かしてはおけない。
 だが、お前らの手を汚れさせるつもりはない。
 俺がこのリボンで絞め殺してくるぞ」

東は何も言わない。
人の命を救う事が出来なかったという無念と、そんな自分の情けなさに失望した気持ちとが入れ混ざっている。
そんな東の様子を予想していたかのように、レッドは躊躇なくさらの下に向かおうとする。
その時──

「待ってくれレッド!」


150 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 21:57:58 ID:rY4owi7g0


   ◆  ◆  ◆


甲子園児は葛藤していた。
一緒に行動してきた仲間達に、さらの命を奪う事を止める者は居ないようだ。
確かに何をされるか分からない。
自分の命も狙われた。
だけど、それはある意味仕方ないのかもしれない。
こんな殺し合いに連れて来られたら、精神をまともに保つ事が出来なくなるのも仕方ないのかもしれない。
彼女は女の子だ、女の子にこんな酷な事をさせる亀田は絶対に悪だ。
だけど、この女の子は果たして悪なのか?
冷静さを失っているだけで、根はきっといい子なはずだ。
東さんの名簿を見ても、悪い子にはとても見えない。
だからこそ……俺が救ってあげなきゃいけない。
そんな気がするんだ。
ここで彼女を殺させちゃいけない。
みんなで笑って帰るために──


151 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 21:58:45 ID:rY4owi7g0


   ◆  ◆  ◆


「なんだ甲子?
 奴の最期に伝えたいことでもあるのか?」
「最期? いいや違うな。
 俺が彼女を説得してくる、彼女を死なせはさせない」
「なっ、正気か甲子!?
 あんな危険な女を説得するなど、命が惜しくないのか!」
「いや、彼女の機関銃はもう弾切れだろ?
 なら大丈夫だ」

甲子はハッキリと言い切る。
レッドは少し考えた後、

「説得? なら俺が行く。
 お前では何かあったときに危険から自力で身を守れないだろう?」
「いーや、レッドじゃ駄目だ。
 レッドじゃ彼女が怯えて話を聞けなくなる。
 あと、東さんでも駄目だ。
 彼女はさっきの名簿のことで、東さんを拒絶してる。
 これは俺じゃないと駄目なんだ」

東はやっぱり何も言わない。
レッドは甲子の言葉を聞いて、頭を抱え込む。

「だが俺達はこんな所で立ち止まってる場合じゃないんだ。
 俺達には行かなきゃ行けない場所と、目的があるだろう?」
「それなら問題ない、行くのは俺一人だ。
 亀田は朝の6時に放送を行うって言ってたよな?
 それまでに商店街の入り口の辺りにある、消防署で落ち合うって事でどうだ?
 レッドや東さんやほるひすに迷惑はかけないから」
「……そうか、そこまで言うなら仕方ない。
 約束は絶対だ。6時、絶対にその時間に消防署に来るんだな。
 行くぞ東」

そう言うとレッドは即座に歩き出す。
東は甲子の方を一瞬振り向いたものの、すぐにレッドの後を追っていった。


152 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 22:00:15 ID:rY4owi7g0


   ◆  ◆  ◆


失敗してしまった。
銃を持って子供みたいに喜びすぎてしまったのだろうか。
結局ただ振り回しただけで銃弾は切れてしまった。
自分で自分が情けなくなる。
これで終わりだ。
私はこのまま殺される。
もしかしたら、とてつもなく惨い殺され方をするかもしれない。
でも自業自得なのだ。
私にはもう拒むことなんて出来ない。
そういう運命だったんだ。
今まで人を拒み続けてきた、そういう日々の積み重ねが今の結果を招いたのだろう。

赤い人と、それと言い争っていた人は居なくなってしまった。
てっきり赤い人が殺しに来ると思っていたから、ちょっと意外だった。
私が最初に銃を向けた彼──名前は甲子君と言ったかな──、彼は赤い人達にはついて行かずに残っている。
そうか、彼は私に命を狙われたんだ、彼自身が『落とし前』を付けるって事なのかな。
そうだ、彼だって怒ってないはずが無い。
私に殺されていたかもしれないのだから。
ああ、私の人生はこんなものだったのか。
本当にちっぽけで、最期まで独り相撲で、自分が殺そうとした相手に殺される。
悲しみを通り越して笑いまで出てきそうなくらいだ。

ああ、甲子君が近づいてくる。
私は全ての覚悟を決めて、瞳を閉じた。


153 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 22:01:05 ID:rY4owi7g0


   ◆  ◆  ◆


東さんは何も言わなかったな。
レッドは怒ってたかな?
ははっ、そりゃいきなり単独行動をするなんて行ったら怒るよな。
でも俺の行動は間違ってなんかないんだ。
さて、まず最初に何て言おうかな。
初めまして、なんか違うな。
まずは名前を名乗ってみる?
とんとんとん、いや、意味分からないから。
って、えっ、誰かいる?

後ろを向いてみると、ほるひすが俺の肩を叩いていた。
レッドと東さんが居なくなった時点で、もうこの場には俺と芳槻さんしかいないと思っていたので、正直ビックリした。
こんなことに驚いてしまったのは何か格好悪い気がしたので、何事も無かったかのようにほるひすに率直な疑問をぶつけてみる。

「なんだほるひす、まだ居たのか。
 いったいどうしたんだ?」

するとほるひすはおもむろにデイパックを漁りだし、何かを取り出してこっちに向けてくる。

「かくせいきだよ。
 こえをさけべるけどひともなぐれるよ」


154 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 22:02:14 ID:rY4owi7g0


人も殴れる、か。
そういえば自分は支給品を全部は確認してないから、どれが武器になるとかは分からないんだった。
確かに拡声器は重さもそれなりにあるから、いざとなったら武器にはなるかもしれない。
でも、本当はこれを使いたくは無いんだけどなぁ。

「ありがたくもらっておくよ。
 ありがとう、ほるひ……ってあれ?」

ほるひすに礼を言おうとしたら、もうほるひすの姿は無かった。
足速いんだなー、とかどうでもいいことに関心してみる。


うん、もう逃げてなんかいられない。
俺は覚悟を決めて、座り込んだままの彼女の元に近寄っていく。
これは俺の戦いだ。
今の俺に出来る事を精一杯やってやるだけさ。



「俺は甲子園児といいます、改めて初めまして、芳槻さん。
 俺の話を聞いてくれませんか?」




155 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 22:02:21 ID:LEqG/ZMU0
支援

156 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 22:03:32 ID:rY4owi7g0


【C-04/道/一日目/黎明】
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:ヒーローとしての苦悩、東に対し若干の苛立ち
[参戦時期]:ガンダーロボ戦後
[装備]:なし
[道具]:ナオのリボン、支給品一式、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート
[思考・状況]
1:朝6時に消防署で甲子と合流する。
2:商店街へ向かう、東との話し合いは保留。
3:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す。
4:甲子、東、ほるひすと協力する……必要はあるのか?


【東優@パワプロクンポケット7表】
[状態]:頬に小さな傷、甲子がやや心配
[参戦時期]:ヒーロー戦後
[装備]:なし
[道具]:詳細名簿、支給品一式、
[思考・状況]
1:朝6時に消防署で甲子と合流する。
2:商店街へ向かう、レッドとの話し合いは保留。
3:レッド、甲子、ほるひす、さらと協力、ゲームを打開する。
4:甲子を信じる。



157 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 22:04:46 ID:rY4owi7g0


【ほるひす@パワプロクンポケット6表】
[状態]:けんこー
[装備]:なし
[参戦時期]:パワーアップ後
[道具]:支給品一式、不明支給品0〜2個
[思考・状況]
1:さんにんといっしょにきょうりょく、げーむをだかいする。
2:しょうぼうしょへむかう。
3:???

【超人ライダーボトルキャップ@パワプロクンポケット8】
変身ヒーロー「超人ライダー」の初期作品のボトルキャップ。
凡田博物館に展示されている。

【ゴーカート@パワプロクンポケット7表】
ミニゲーム「くるまでパァーン!」のゴーカート。
普通のゴーカートより速く走ることが出来る、作ったのは黒野鉄斎。
彼なら工具があれば更に改造できるかも……。

【詳細名簿】
東の支給品。
参加者全員の顔と名前、所属(学校や野球チーム名など)が書いてある。
亀田主観の一言コメントも添えられている模様。
これ以上の詳細は以降の書き手にお任せします。

【ナオのリボン@パワプロクンポケット10】
東の支給品。
さらとナオとで半分ずつ持っているリボンの内ナオが所有している方。
あまり長くないので手首の拘束ぐらいにしか使えないと思われる。




158 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 22:05:48 ID:rY4owi7g0

【C-04/草むら/一日目/黎明】
【甲子園児@パワポケ甲子園】
[状態]:健康、さら及び銃器に対する恐怖(弱)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(水一本消費)、拡声器、不明支給品0〜2
[思考・状況]
1:6時までにさらを説得し、消防署へ向かう。
2:もしも説得できなかったなら……
3:レッド、東、ほるひすと協力、ゲームを打開する。

[備考]
※ 声がどことなく十波に似ているようです。
※ さらがノーマル弾を拾ったことに気付いていません。

【芳槻さら@パワプロクンポケット10】
[状態]:左頬・右目周辺に痣、顔面を中心に激痛、鼻血(ほぼ止まっている)、足に痛み(中)、精神的疲労(大)、甲子に殺される覚悟
[装備]:機関銃(残弾0)
[道具]:支給品一式、ノーマル弾
[思考・状況]
1:死にたく『なかった』なぁ……。
2:甲子君の話を聞いてみる?
3:十波君のことは信じられる?

[備考]
※ 前話でレッドが紛失したノーマル弾が、さらからやや離れた茂みに落ちています。
※ さらの機関銃が甲子からやや離れた所に落ちています。


【ノーマル弾@パワプロクンポケット8表】
ミニゲーム「くるくるバキューン」の武器です。
殺傷力等は以降の書き手に任せます。

【機関銃@パワプロクンポケット10裏】
リンやウタノが使っていた機関銃。
それなりに連射はきく。

159 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/09(土) 22:07:03 ID:rY4owi7g0
投下終了です。
もし、過去話とかと矛盾とかがあったら教えてください
時間は黎明で間違いないです、はい

160 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/09(土) 23:29:46 ID:IrIVT5w60
拡声器の呪いがwwww

甲子逃げてー><



投下乙です

161 : ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 11:19:46 ID:zj/exH2W0
ヘルガと珠子の話投下しようとしてたら寝落ちしたぁぁぁぁぁ!!orz


期限切れてますけどこれって投下して大丈夫でしょうか。
やっぱダメですかね…。

162 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/10(日) 11:26:42 ID:10CcrSgc0
>>159
投下乙です
甲子さんいくらフラグ立ててるんですかw死にたいのwww

>>161
全然OKだと思いますよ
寝落ちならしょうがないと言うのもあると俺は思います


163 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/10(日) 12:11:08 ID:hon9Chwh0
仕方ないとは思いますが、一言謝罪するのが筋では?

164 : ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:40:51 ID:zj/exH2W0
>>163
すいません、焦って一番最初にやるべきことを忘れてしまいました
この場を借りて寝落ちという形で期限を破ってしまったことを謝罪したいと思います
申し訳ありませんでした


とりあえず>>162さんの言葉に甘えさせてもらい投下いたします。

165 :今の自分にできること ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:42:03 ID:zj/exH2W0
「――っはあ! はぁ、はぁ……」

ピエロから逃れるためという名目で越後に川へと突き落とされ溺れかけたヘルガだったが、なんとか自力で陸に上がることに成功していた。
川から上がったばかりでびしょ濡れの体を引き摺るようにしながら、彼女は川から少し離れた草むらの影へと移動するとそこに横たわった。
乱れた息を整えながらヘルガは周囲の状況を確認する。
一応流されているときから陸の様子を伺い人のいない場所を狙って上がったので、周りに人影は一切ない。
もし人が来ても、伸びきった草がヘルガの姿をすっぽりと隠している。余程近くに来られない限りは見つかる心配も無いだろう。
改めてそれを確認すると、彼女は少しだけ警戒を解いて目を閉じた。

(まずは体力の回復だ。その後にどこかでこの服も乾かさねば……)

濡れたままの服なぞ着ていては寒さで行動力が鈍るどころか風邪をひく恐れもある。
だが外で火など焚いては煙が昇り自分の場所を知らせることになる。しかも先ほどわけのわからないピエロに襲われたばかりだ。あのピエロが追ってきていないとも限らない。
ひとまずはどこか建物の中に移動しなければならない。その中で着替えか何か物を乾かす道具でも見つかれば御の字だ。
見つからなくても物を干して乾かすまでの間隠れることもできる。

しばらくして息もだいぶ整い体力も回復してきたところでヘルガは顔を上げた。周囲への警戒を再開し、人の気配がないのを確認して起き上がる。
来ていた上着を脱いで少し水を絞ってデイパックの中へと詰め込む。水を吸い込んだ服というのは結構重いものだ。着たまま移動もできるがあまりしたくはない。
次に両手を使い髪から丁寧に水を絞っていく。

(こういう時はやはり邪魔だな……)

髪も服と同じで水が吸い込んだままだと重いし、何より顔や体に張り付いて鬱陶しいうえに視界まで奪う。
しかもヘルガの髪は腰まで届くほど長い。人一倍その鬱陶しさは増すことだろう。

(だが今そんなことを言っても仕方がない。それよりも――)

髪から水気を取りながら建物を探すべく遠くを見渡し始める。
すると都合のいいことに少し離れたところに建物が見えた

(あれは……大きいな。何かの施設か?)

しばらく考え込んだヘルガはおもむろにデイパックの中から地図を取り出した。
重要そうな施設はご丁寧に地図に場所と名前が書かれているのを思い出したからだ。
地図とコンパスを使い、先ほどの場所と今いる地形から自分のいる地点を割り出す。川の近くということもあり、あまり時間をかけることなく自分がG-4の地点にいるのだと確認できた。
となればあそこに見える施設というのも大体検討がつく。

(野球場か。つくづく野球に縁があるものだ)

野球と自分に何か因果めいたものを感じてヘルガは苦笑する。そして先ほどの越後のことを思い出す。
会ったばかりの自分を助けるために命を捨てた馬鹿を。

(もし奴が生きているなら、あそこに行くだろうか)

別にヘルガは越後が生きていて野球場に行けば再会できるとは考えていない。十中八九、越後はあのピエロに殺されているだろう。
だが少しだけ、もしもの可能性を考えてしまった。越後が生きていて野球場に訪れるという可能性を。
その考えにまたも苦笑を漏らしながら、彼女は野球場へと歩を進めていった。


166 :今の自分にできること ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:43:16 ID:zj/exH2W0
 * * *


一方野球場の中には既に先客がいた。

(野球場か。懐かしいな)

先客――埼川珠子は思い出に浸りつつスタンドから球場内に降り立とうとしたが、着地の際にグラリ視界が歪むとバランスを崩して体が傾いた。
転びこそしなかったものの、胸を抑えながら苦しそうに喘ぐその姿は健康であるとは決して言えないものだった。

(やはり傷が塞がるまでは無理はできないか)

壁に寄りかかりつつも自分の服を切り裂いて作った包帯の巻いてある胸を見やる。
咄嗟に攻撃を急所から外し、且つ綺麗に胸を貫かれたのが救いだった。肺や心臓といった内臓器官に異常はないらしく比較的軽傷で済んだほうだ。
だが、いくらなんでも最低限の止血くらいしかできない状況では動きに支障が出るというものだ。
現に包帯には早くも血が滲み始めている。先の立ち眩みも血が足りなくなってきた証拠だ。あまり激しく動くことはできそうにない。
地図で野球場を見つけてからここを目的地にしたはいいが。これなら途中の学校で身を潜めて体力の回復を待ったほうが良かったかも知れないと珠子は後悔し始めた。
しばらく貧血が収まるまでその場いようと座り込む。そこでふとバッターボックスが目に入った。
思い出すのは――年の割には落ち着きがなくて、馬鹿で、それでいて野球に対してはひたすら真面目な男。

(あいつは今も野球を続けているのだろうか)

彼女が最後に男の活躍を見たのは日本一決定戦。因縁の対決と世間でも言われた小杉との試合だ。
2アウトランナー満塁サヨナラの場面。あの男は見事に小杉を打ち崩して逆転サヨナラホームランを叩き出した。
万年2軍止まりのお荷物選手と呼ばれたあいつが、まるで別人にでもなったかのように活躍し始めスランプに陥っていたとはいえあの小杉を打ち崩したのだ。
その姿は私に一筋の勇気を与えてくれた。

(帰らなければな。あの男の元へ、必ず)

いつの間にか閉じていた目を開き、生き残る決意を新たに歩き出そうとした矢先であった。

「動くなそこの女。不用意に動けばその胸に新たに傷をつけることになるぞ」

珠子はビクりと声のしたほうを見る。そこには銃を構えた金髪の女――ヘルガが立っていた。

「一つ尋ねる。お前はこのゲームに乗っているか?」

膠着状態がしばらく続き、先に口を開いたのはヘルガだった。珠子はその問いに対してただ首を横に振る。
それを見てヘルガはゆっくりと銃口を降ろした。

「そうか。ならばもう一つ聞きたいことがある」

ヘルガはモデルガンを捨てて敵意の無いことをアピールしつつ、言葉を続けた。

「私に協力してくれないだろうか。このゲームに生き残るために」


167 :今の自分にできること ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:43:51 ID:zj/exH2W0
* * *


ヘルガの協力の申し出を珠子は受け、二人は選手の控え室でお互いが詳しい自分の状況を話しあうことにした。

「まずは自己紹介させてもらおう。私の名はヘルガだ」

名乗りながらヘルガは珠子と向かい合う形でベンチへと座る。

「埼川珠子だ。一応占い師をしている」

珠子は名乗りながら右手を差し出し握手を求める。ヘルガは少し戸惑いながらもその手を取り握手を交わした
握手を終えると珠子は自分が亀田と話をするため仲間を集めるために動いていること、そしてゲームが始まってからのことを話し始める。
対してヘルガは珠子の話している間、どう自分の状況を説明しようか少し悩んでいた。
ヘルガは未だ自分の方針というものを決めていない。ならばなぜ珠子と同盟を結ぼうとしているか。単純な話、どちらのスタンスを選ぶにしろ協力しておくほうが無難だと判断したからだ。
何せヘルガの支給品はモデルガンとらっきょう一瓶。武器と呼べる(かどうかも怪しいが)ものはモデルガンだけの現状では方針を決めていたとしても協力するしかない。
だからここは珠子とと同盟を結んでおこう思った。信頼を得られれば武器も得られる。
ただそれを正直に話せるわけもなく、珠子の話しが終わるまでの間どう説明するか考えねばならなかった。

「とまぁそんな感じでここで休んでいたわけだが……どうかしたか?」
「いや、なんでもない」

珠子の話が終わりヘルガが状況を説明する番になる。
ヘルガは考えた結果、自分のスタンスだけを省き残りは全て正直に話すことにした。
越後との出会いから川へと逃げるはめになったことを多少省きながら珠子に話す。
それを全て聞き終えた珠子は、仲間と別れてしまったヘルガになんと言っていいかわからずに「大変だったな」としか言えなかった。
そんな珠子の様子を見て、ヘルガのほうは逆に申し訳なくなってしまう。

「気にするな。その男とはたった数十分程度の付き合いだ」

気にしていないと言えば嘘になる。越後の命がけの行動はヘルガの心に強く焼きついたのも事実だ。
だがそれでも付き合いの浅い男に対して涙を流したりするほど、ヘルガは甘くも無ければお人よしでもなかった。

「……ハックション!」

くしゃみと同時にヘルガは寒気を覚える。そしてここには服を乾かすために来たということに気づいた。

「川を泳いできたのだろう、せめて上着は脱いだらどうだ」

珠子の言葉を受け、頷きながらヘルガは上着を脱いで自分の横のベンチに掛ける。
選手の控え室ということからかタオルも常備されており、ヘルガは服の変わりにそれを羽織ることにした。
珠子もタオルをナイフで裂くと包帯の換えとして胸に巻き始める。


168 :今の自分にできること ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:44:25 ID:zj/exH2W0
「そうだ。一ついいか」
「んっ、なんだ?」

ナイフを扱う珠子の姿を見て思い出したようにヘルガは言った。

「さっきも言ったがこいつは飾りでな。そのナイフを護身用として貰いたい、構わないか?」

武器の不足しているヘルガにとってナイフだけでも十分ありがたい戦力だ。故になんとしても珠子から譲ってほしかった。
珠子は少しだけ悩んだが、割とあっさりとナイフを手渡した。

「自分で頼んでおいてなんだが、いいのか?」
「ああ、仲間としての信頼の証とでも思ってくれ」

ニコリと笑う珠子を見ながら、少しだけ越後のことを思い出す。
あいつといい、ここには容易に他人を信用しすぎる者が多いような気がする。
だがヘルガにとって今はありがたいことなのも確かだった。ヘルガは「すまない」と一言礼を言いながらそれをデイパックへとしまった。

「そう言えば、ヘルガはここに来る前なにをしていたんだ」

その後、互いにベンチに座り向かい合うと雑談をして時間を潰すことにした。
どうせ珠子は怪我の影響で、ヘルガは服が乾くまでは動けないのだ。こうして親交を深めるのも悪くないと思い珠子は話題を振ったのだが――ヘルガにとってはあまり振られたくない話題だった。

「んぁっ、ああそうだな……。軍人だ」

ある島で人間を管理してとある怪しい薬の原料となる草の開発に協力していたなどと言えるはずもなく、少しどもりながらヘルガは無難な答えを返した。
あまり深く聞かれても困る思い、すぐに珠子へと質問を返す。

「そっちはどうだ。占い師と言っていたが」
「占いタマちゃんと呼ばれていた。少しは有名だと思っていたが、知らなかったか?」

しあわせ島にいることが多かったヘルガにとってはそういう話題も疎い。首を横に振り知らないことをアピールする。

「そうか……。まぁ今は閉業しているし無理もないか」
「閉業? 何かあったのか?」
「い、いや別になにもない。ちょっとした一身上の都合でな」

ヘルガの質問に今度は珠子がうろたえる番だった。まさか忍者のことまで説明するわけにもいかないので曖昧に誤魔化す。
互いにそんなことを繰り返していては話題が続かないのも必然だった。

「……動けるようになったらどうする?」

ここに来る前のことで会話が盛り上がらないことを察した珠子は話題を逸らすために今後の方針について訊くことにした。

「何時までもここに留まるわけにもいくまい。動くべきだと私は思う」

仲間を集めるというあら積極的に動いたほうがいい。殺し合いに乗っている者も少なくないことはヘルガも珠子自身もよく理解している。
そういった者よりも先に人を見つけるためにも動けるようになったら動いたほうがいいとヘルガは判断した。


169 :今の自分にできること ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:45:12 ID:zj/exH2W0
「そうだな。私も賛成だ」

珠子もその意見に異論はない。頷きながら賛成の意をヘルガに伝える。その時、不意に眠気を覚えた珠子は少し欠伸を漏らした。

「眠いのか?」
「ああ。多分、怪我のせいだ」

胸の刺し傷は予想外に珠子の体力を奪っていたようだ。気だるさと眠気がじわじわと広がっていくのを珠子は感じていた。

「寝ておけ。体力を回復してもらわないとこちらが困る」
「……すまない、そうさせてもらう」

少しだけ珠子は無防備に寝てしまっても大丈夫かと思ったが、迷った末にヘルガを信用して眠りにつくことにした。
確かに寝ている間は無防備ではあるが、殺気に気づかないで安穏と寝ていられるほど平和ボケした自覚も無い。
これでも里の忍者に襲われながら生活してきたのだ。いざとなれば体が勝手に覚醒する。それが珠子の考えだった。

「では、何かあったら起こしてくれ」

本当に何かあったら起こしてもらう必要など無いのだが、一応建前でそう言って珠子は眠りについた。



 * * * 



「……無防備な」

彼女――埼川珠子の寝息を聞いたとき初めにそう思った。人殺しが実際に行われている会場だというのにその自覚が全くないのだろうか。
越後並みに馬鹿なのか、それともどうしようもないくらいにお人好しなのか、それとも……。

「案外こういう状況下に慣れているのかもな」

私と出会う前の話しでもそれなりに腕が立つということは予想できた。
ならばこの一見愚かとも言える行動も彼女にとっては問題は無いのだろう。多分この女は例え私が寝込みを襲って首をナイフで掻き切ろうとしてもやり返すくらいはしてくるはずだ。
あくまで予想だが、そのくらいの実力はあると思っておいていだろう。それが頼もしく思う反面、同時に敵対した際は恐ろしいだろうと感じさせた。

(さて、今後の方針を決めねばな)

勿論それは珠子との行動を指すのではなく私自身の方針。参加者に立ち塞がるか亀田に立ち向かうかをだ。
今の状況だけ見るなら打倒亀田を目指すほうが楽だろう。なぜならまだ一人で動けるほどの武器も無い上に埼川珠子という強力な(まだ実際強さを確認していないが)仲間ができたのだ。
しかし私と彼女だけでは今度はこの首輪の問題が出てくる。これを外す者が居ない限り、まともに亀田と対峙することはほぼ不可能と言ってもいい。
だがもし解体できる人間が居なかったとしたら、居たとしても殺し合いをしている者に見つかり命を落としていたら? そうなったら八方塞がりとなってしまう。
だからと言ってそうなってはどうすることもできない。私には動けるようになったらすぐに行動してしらみつぶしに参加者を探すしか方法がないのだ。

170 :今の自分にできること ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:45:44 ID:zj/exH2W0
あと懸念すべき問題としては――私たちが亀田を倒してしまうかも知れないということだ。
それだけは避けなくてはいけない。亀田という悪は世界に必要なのだ。その悪を育てるために亀田に立ち向かうというのに逆に倒しては意味がない。
あまりにも亀田に対抗する戦力が強大になるならばその時は私も身の振り方を改めて考える必要があるだろう。

(……こんなところか)

大体の方針が決まると、私はなんとなくベンチに寝そべり天井を見上げる。
このまま自分も寝てしまおうともチラと考えたがこの状況下で見張りもなく寝ることがどれだけ危険なことかわかっている。
それに自分から珠子に寝ることを進めた手前だ。居眠りするわけにもいかない。
天井から窓の方へと視線を移す。空は少しづつ白みがかってきており、もうじき夜が明けることを知らせている。
普段は清々しいと思う朝だったが今の状況ではそんな暢気な感想を言えるわけもなく、私はただ黙って窓の外を見ていることにした。








【G-3/1日目/黎明】
【埼川珠子@パワプロクンポケット5】
[状態]:背中から胸への刺し傷(治療済み)、疲労(中) 、睡眠中
[装備]:日本刀
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:亀田と話しをするために戦力を集める
1:今は眠り体力を回復する
2:起きたらヘルガと共に仲間を集めにいく
3:いざとなれば人殺しもやむを得ない




【G-3/1日目/黎明】
【ヘルガ@パワプロクンポケット6裏】
[状態]:健康、少し寒い
[装備]:モデルガン、ナイフ、下着の上からタオル
[道具]:ラッキョウ一瓶、支給品一式
[思考・状況]
基本:亀田という悪を育てるために亀田に立ち向かう
1:服が乾くのと珠子の体力が回復するのを待つ
2:動けるようになったら珠子と共に仲間を集める
3:あまりにも亀田に対抗する戦力が大きくなってきた場合はそれを削る

171 : ◆iCiFbtU8SE :2008/08/10(日) 12:46:33 ID:zj/exH2W0
投下終了です

最後に期限を破ってしまい本当に申し訳ありませんでした


問題点などがありましたら言ってください

172 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:17:44 ID:10CcrSgc0
投下乙です
ヘルガとタマちゃんとは頼りになる対主催コンビですな
……ヘルガって対主催でいいんだよね?
そう言えばヘルガは長い金髪が濡れていて上半身は下着の上からタオル……
うん、エロイね、所長エロイね


それと丸一日経って特に駄目出しもないので本投下させていただきます

173 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:18:42 ID:10CcrSgc0
リンはわずかな凹凸を描く草原の中、身を低くして探知機を眺めていた。
エンジン音は聞こえない、探知機もリンの後方には反応を示さない。
ただし、新しく南東から向かってきている反応が一つ。
人数はわからない、この探知機は一人にしか反応を示さないからだ。
一難去ってまた一難。
車で突っ込んできた下手人から逃げ切ったのはいいが、新たな火種が来たようだ。
気配を殺して辺りを窺う。
隠れる場所は岩によって若干の起伏がある程度。
後は崖が遠くに見えるぐらいだが、さすがにあそこに隠れるところがあるとは思えない。
リンは近くにある凹凸の陰に身を隠して近づいてくる人影を待つ。
穴の中から覗き込むように顔を出すと、そこに近づいてきていたのは幼い少女だった。
緑色の髪とつむじから生えた一本の長い髪の毛。
小柄な身体に見慣れない洋装のぶかぶかの服を着ているがそれは間違いなく――。

「茜!?」

ビクリ、とその小さな体が震える。
茜は恐る恐るといった感じで振り返る。
その表情には戸惑いと焦りが見える。

「……」

間違いなく茜だ。
リンの最悪の予想通り、高坂茜はこの殺し合いに参加させられていたのだ。
見る限り怪我もない、襲われる前に見つけることが出来たのは不幸中の幸いだ。
しかし、ここからが問題だ。
この殺し合いからの脱出は非常に厳しい。
首輪はもちろん現在地も把握されている。
この探知機は亀田側にも持っているはずだ、しかもこれよりも何倍も優れた探知機が。
百歩譲って首輪を外せても脱出手段はおろか隠れる手段すらない以上先にあるのは死だ。
ならばいっその事、殺し合いに乗ってしまうか?
もしも八神が上手くやって、『姉』と『恋人』が居なくても生活できるほど強くなっているとするならば。
その時は八神に死んでもらってでも茜を生還させる。
もちろん、それはあまりにも甘い考えだ。
八神が下手を打っていて以前よりも依存している状態なら、それは最悪の結果となる。
だが、今は茜の保護を最優先するべきだ。
リンは少しだけ頬を緩ませて、茜へと近寄る。

174 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:19:22 ID:10CcrSgc0

「……」
「茜……、っ!?」

近寄ろうとした瞬間、左の草むらから一つの影が飛び出る。
リンは強引な動きで横へと飛んで、その奇襲を回避して懐にある銃で牽制代わりに一発だけ撃つ。
そしてリンは次の瞬間に気付いた、それはとんでもない失敗だと。

「茜!」
「……!」
「動かないでください」

奇襲を仕掛けてきた影の正体は黒いマントを羽織った女だった。
薄い化粧のせいで具体的な年齢は判断しづらい。
若いようにも見えるし、それなりに歳を重ねているようにも見える。
その女は素早い動作で茜の後方を取って、白い首筋に無骨な刀を当てる。
銃弾は肩にわずかに掠ったようだが動くことには何の異常もない。

「お……」
「お静かに」

茜が口を開こうとすると刃を立てて首筋をわずかに斬りつける。
その動作には何の迷いもない。
恐らく茜は交渉のためのものに過ぎない、邪魔になればすぐさま切り捨てるだろう。
最悪の構図、この女は殺すことに何の躊躇いもない。
人質を見捨ててしまえば、目の前の女を殺せるかもしれない。
だがそれは駄目だ、リンの目的は八神と茜の生還なのだから。

「……」
「リン、本名も生年月日も生い立ちも全てが不明の裏の世界に生きる情報屋。
 腕前は確かで依頼に見合う報酬さえ支払えばどんな情報でも掴んでくる。
 ……間違いはありませんね?」
「……ええ、そうよ。どこかでお会いしたかしら?」

リンは目の前の女を見た事もない、こんな威圧感のある女を忘れようもない。
この女の目的が全く読めない。
いずれにせよ、向こうは交渉をするつもりなのだ。
リンがよっぽどのへまをしない限り茜が死ぬことはない。

175 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:20:48 ID:10CcrSgc0
「私は我威亜党の幹部の黒羽根あやか、いえ、あやか伯爵と申します」
「……!?」
「今回のゲームには皇帝陛下のジョーカーとして参加しておりますので、よろしくお願いします」
「ジョーカー……」

殺し合いにおける現場の管理人かと納得する。
この女は我威亜党の中でも荒事の専門なのだろう、先ほどの動きを見ても納得できる。

「私の仕事は殺し合いを円滑にすること、殺し合いに乗ったものには飴を与えて逆らうものには鞭を振るう。
 つまりはそういうことです」
「それで、そのジョーカーが何の用かしら」

ジョーカーと言う事は正確には参加者ではない。
亀田皇帝の見たいものが殺し合いだとするのなら、正式な参加者ではないこの女が直接手を下す可能性は低い。
……絶対に殺さない、というわけではないのが問題なのだが。

「貴女には二つの選択肢があります。
 一つは一日が経つまでに私の前に三つの首を持ってくること。
 一つは先の条件に逆らって妹さんと早々にゲームから脱落すること。
 どちらを選んで頂いても結構ですよ」
「……」

断れるわけがない。
あやかと言う女にとってはどちらでも良いのだ、殺し合いに逆らう人物はいらない。
頷く以外に、生き残る方法はない。

「……いいわ、乗ってあげるわよ」
「それはそれは。こちらとしても大変ありがたいことです。
 それでは五回目の放送が始まる頃に……そうですね、役場にでも来てください。
 別にそれまでに全員殺して妹さんを含めて最後の二人になっていても構いませんよ?」

リンは話をしながらも茜の様子を窺っていた。
恐怖をみせながらも錯乱せずに強がることが出来るのなら、『家族』への依存は脱したように見える。
……リンも八神も居なくても、生きていけるようだろう。
ならば、かろうじて手に入れることが出来た情報の整理だ。

1、『黒羽根あやか』というジョーカーが存在する。
2、我威亜党の幹部には『皇帝』や『伯爵』といった呼び名がある。
3、優勝するためにジョーカーを殺す必要はない。

……得た情報は僅かだが、最後の情報だけは有益。
あの女と共に居れば茜は安全と言うわけではない、だがそれでも一人よりは何倍もマシだろう。

「ああ、言い忘れていました。
 約束の時間に遅れてきた、もしくは三人の首がなかった場合ですが……」

リンがもう少し情報を聞き出すことは出来ないかと口を開こうとすると、あやかの言葉に遮られる。
そして、その言葉が言い終わると同時に大きく、しかし下品ではない程度に口を開いて――。

176 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:21:36 ID:10CcrSgc0
「なっ……!?」

茜の首に『歯』を立てた。
あやかの白い犬歯が茜の同じく白い首筋に食い込む。
喉を動かせば茜の体が若干波打つ。
茜の動作の一つ一つが確かに物語っている、この女は確かに茜の血を吸っていた。

「…ぅ……」

茜が小さく声を漏らす。
あやかが血を吸うと同時にマントの切れ端か見えていた傷が徐々に塞がっていく。
そのあまりにも現実離れしている姿にリンは思わず声をこぼしてしまう。

「化け物……」
「ふふ、そういうことです。いわゆる『吸血鬼』というものですよ。
 安心してください、別に血を吸ったからこの子も吸血鬼やグールになるというわけではないので」

吸血鬼。
ニンニクを嫌い、十字架を嫌い、聖水を嫌い、太陽を嫌い、聖書を嫌い、夜にしか活動が出来ない。
弱点だらけだが、確かな『化け物』だ。
この女は文字通り人間ではなかった。
そして、その女を飼いならす亀田皇帝とは一体何者なのか。

「ノルマをクリアしていない、もしくは遅れてくればこの子の血を一滴残らず平らげさしてもらいますので。
 私の経験から言うと辛そうでしたよ、血を吸い取られていった人たちは。
 ああ、肉は食べません。私も畜生道には堕ちたくないので」
「……約束は守るわ、その代わり茜を」
「守りますよ、下手な嘘は苦手ですので」

それだけを言うと、今度こそリンはそこを立ち去った。


【G−3/草原/1日目/黎明】
【リン@パワプロクンポケット8】
[参戦時期]:茜の前から姿を消した数年後、EDよりも前
[状態]:健康
[装備]:グロッグ19(12/15)
[道具]:劣化版探知機、支給品一式
[思考・状況]
基本:一先ずノルマの三人殺しはクリアしておく。
1:とりあえずこの場から逃げる
2:情報を集めたい
3:八神と茜は何としてでも生き残らせる
4:探知機が存在するのなら入手しておきたい
5:第五回放送の前に役場へと向かう

177 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:22:15 ID:10CcrSgc0


    ◆    ◆    ◆    ◆


「……行ったか?」
「ええ、間違いなく行きましたよ」

緑色の髪とアホ毛が特徴的な小柄な少女はふいーっと大きなため息をついて座り込む。
そして見る見るうちにどぎついチンピラ紛いのピエロへと姿を変えていった。

「さすがは悪の魔道士兄弟、プレイグさんですね。見事な演技でしたよ」
「じゃかあしいわ、ダボ……
 マナは集めづらいし、実物は見たことないしで疲れたとか言うレベルやないで……」

制限がかかっているのはあやかだけではない。
プレイグの魔法にも大きく制限がかかっている。
そんな中のぶっつけ本番だと言う事もありプレイグは一杯一杯だった。
あやかはふと視線を落として懐にある『高性能型探知機』を眺める。
彼女のそれほど大きくない手からは少しはみ出すぐらいの大きさだ。
画面には会場全域の地図とその上に置かれてある赤い点。
赤い点は参加者だ、この状態ではどの点がどの参加者かはわからない。
慣れない手つきで機械を弄るとあやかの現在地、G−3をズームにする。
そこには、プレイグ、リン、と二つの名前が書き込まれている。
黒羽根あやか、とは書かれていない。
ジョーカーの特権、万が一これを奪われた際にも有利な展開になるようにしてくれたのだろう。
恐らくこの探知機は首輪に反応しているのだ、つまりあやかの首輪は普通とは違うと言う事だ。
……爆破の機能もない、とは言い切れないのが恐ろしいところだが。

「プレイグさん、少し休みましょうか」
「せやな……休まなやってられへんわ」


178 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:23:17 ID:10CcrSgc0
結局、あやかが選んだ選択はプレイグと同行すると言う事。
やはり戦闘で有利になるというメリットは大きい。
それでいて、プレイグには『天本玲泉』の情報は伝えない。
理由は一つ、『そっちの方が面白そうだから』だ。
この男が天本威流とそっくりの天本玲泉の死体を見ればどのような反応を示すだろうか?
何の感情も見せずに冷徹を気取るのか、怒りに身を任せてあやかを含めた近くの人間を皆殺しにするのか。
はたまた他の行動を取るのか。
彼女はそれが見たくてたまらなかった。
先ほどのリンも同様だ。
彼女の頭には参加者の詳細が入っている。
それはプレイグの情報もリンの情報も高坂茜の情報も例外ではない。
リンは高坂茜の前から去り、高坂茜はそれが原因で精神が壊れたと聞いている。
だが、そのことをリンは知らない。
出来ることならその時をしっかりとこの目で拝んでおきたいものだ。

「んで、次はどないするんや」

プレイグは座り込んだ状態で目つきの悪い顔を向けてくる。
この男もかなりの腕前だが連戦連勝出来るかというと不安な要素の方が大きい。
ヒーロー、裏組織のエージェント、超能力者、忍者、冒険探偵、アンドロイド、サイボーグ、古代のモンスター。
規格外のオンパレードだ。
二対一の状況に持ち込んでも負けてしまう可能性もある。
ならば、如何にして戦わずに勝つがポイントとなるだろう。

179 :Masquerade  ◆7WJp/yel/Y :2008/08/10(日) 15:23:54 ID:10CcrSgc0

「兵法の極意は戦わずして勝つことでしたか?」
「そや、自分だけやのうて人を動かして初めて金儲けが出来るんや」

最初にマーダーを増やす事を提案したのはプレイグだった。
自分たちはなるべく動かずに他人に参加者の数を減らせようという提案。
あやかとしては楽しければどちらでも良かったのでとりあえず賛成したのだが、これが予想以上に面白い。
人よりも上に立って自身の描いた絵図通りに動くのは思ったよりも快感だ。
しっぺ返しが来るかもしれないが、それはそれ。
危険を冒さなければ楽しみは得られない。

「それよりもやなあ……」
「どうしました?」

プレイグは首をすりすりと擦りながらあやかを睨みつける。
それで、ああ、とあやかは合点がいきにこりと微笑む。

「ええ、少々傷を負ったので。彼女への脅しにもなりますし」
「妙な感じがして変装が解けそうやったわ、このアホ」

よほど疲れているのか、それとも言ったところで効果がないと悟ったのか。
いつもは張り上げている声に張りがない。
結果的にはそれは正解、プレイグの予想通りにあやかは全く反省していない。
変装が解けてもそれはそれで面白かったかもしれないなんて考えていた。
そして、自身にかかった制限も実感していた。
銃ではあやかには傷を与える事は出来ない、それなのに肩にかすり傷を負った。
傷が塞がった後も痛みを感じる、ただ傷口が塞がっただけで痛みまでなくなったわけではない。
もっと大きな傷ならば大量の血でも回復するかどうかわからない。
どうやら彼女にかかっている『制限』は彼女を死なせるに十分値するようだ。
あやかは艶っぽい唇をその白い指で妖しげになぞり、ポツリとつぶやいた。

「……それにしても、やはりと言うべきか不味かったですね」
「じゃっかあしいわこんダボが!」


180 :救われるもの ◆NXWWzEezZM :2008/08/10(日) 17:43:17 ID:7p+vrSe80
したらばより転載

73 Masquerade  ◆7WJp/yel/Y [sage]  2008/08/10(日) 15:32:25 ID:8XnFuPKA0


【G−3/一日目/黎明】
【黒羽根あやか@パワプロクンポケット7裏】
[参戦時期]:本編終了後
[状態]:健康
[装備]:妖刀ムラマサ@パワプロクンポケット7裏
[道具]:支給品一式、高性能型探知機
[思考・状況]
基本:『殺し合い』を円滑に進めるために動く。方法は問わない。
1:同じような手でマーダーを増やす
2:ゲームに乗っていない人間は殺す、マーダーに出来そうだったらする
3:『名探偵』は、今度こそこの手で………
[備考]
1:参加者全員の顔と詳細情報についての知識を持っています。
2:探知機はあやかに反応しません

【プレイグ@パワプロクンポケット4裏】
[参戦時期]:本編終了後、イルが忍者編の世界へ飛ばされた後
[状態]:疲労、魔力消費
[装備]:ハヅキの杖@パワプロクンポケット4裏
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1〜3(杖は無い)
[思考・状況]
基本:『殺し合い』に乗り、ゲームを優勝を目指す。
1:あやかについては保留。とりあえず今は殺さない。
2:もっとまともな杖が欲しいでホンマ……
[備考]
1:杖がなくとも呪文を唱える事に支障はありません。精神的にほんの少し落ち着かないだけです。


【高性能型探知機@現実】
高性能な探知機、参加者全員の位置がわかる。
ズームにするとそのエリアにいる参加者の名前がわかる。
ただし、『黒羽根あやか』にのみ反応を示さない。
戦国時代・大正時代の人間のあやかが説明を聞いて使える程度には操作は簡単。




74 Masquerade  ◆7WJp/yel/Y [sage] 2008/08/10(日) 15:33:01 ID:8XnFuPKA0


最後にさるさんくらいました……
問題点の指摘お願いします


181 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/10(日) 17:45:54 ID:7p+vrSe80
うん、コテ消し忘れたんだ、済まない(´・ω・`)

感想
リン止めてえええええ
ジョーカーにいきなり見つかってしまうとは運がないw
というかジョーカー序盤から仕事し過ぎだろwww

182 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/10(日) 21:53:17 ID:BZ+feiby0
乙!
マーダーコンビが増えてきたなぁ
あやかの情報とプレイグの変身魔法のコンボはテラチートwww
リンもこのまますんなりとはいきそうにないな

183 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/11(月) 09:56:35 ID:J69ffihB0

よかったです


184 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/11(月) 23:24:05 ID:tMw4Hve/O
投稿乙
いい感じに能力発揮してるな
マーダーコンビ…
これからの活躍が楽しみです。

ちょっと遅レスかもしれないが私は◆7WJp/yel/Y氏の「黒野鉄斎の世界征服への道」が好きですね。
水滴がついてないとか細かい所まで良く書いて凄いと思いました。

185 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 20:19:03 ID:as0uPP5e0
7やってるんだけど、野球部分が酷すぎね?
全然勝てないんだが

186 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 20:20:32 ID:UQxbKmNj0
7は三遊間にヒットを打つゲーム
後はしあわせ草バグで主人公がホームラン打ちまくるしかない

187 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 20:40:07 ID:as0uPP5e0
1は当たればホームランだったのにな
つーか、味方が一番強くなるのって1だよね?


188 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 20:46:23 ID:UQxbKmNj0
平山が普通に150km投げたりするんだよなw
1・2ではそういうのは改善されているが

189 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 20:50:37 ID:Fhc01ghq0
>>188
1・2でも平山はちょっと鍛えりゃ150オーバーは投げてたような

190 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 20:53:48 ID:UQxbKmNj0
そうだったかな、いずれにせよ化物なんだがwww
それと現在地

http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0086.jpg

191 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 23:02:09 ID:Fhc01ghq0
現在地の画像超GJなんだぜ
ということで>>190のを利用させてもらって文字の地図の方も編集してきたよー
ついでに支給品リストとかも追記してきたよー
支給品リストは何か間違いがあったら、こっそり編集するなりボソっと言ってみるなりしてください><


べ、別にヒマなわけじゃ(ry

192 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 23:12:14 ID:Fhc01ghq0
ちなみにまだ一回しか出番がない生存者のリストも貼っておくよー
みんな均等に出番があるといいね!

* カネオ
* ピエロ
* メカ亀田
* 灰原
* 野丸太郎
* 芹沢真央
* 青野柴夫
* 高坂茜
* 黒野鉄斎
* 倉見春香
* 八神総八郎
* 大江和那
* 天本玲泉
* 小波走太
* 島岡武雄
* 布具里

* 平山紀之
* 椿
* 七原正大
* 七味東雅



193 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/12(火) 23:45:41 ID:Uzl8nvLGO
おお!一気に更新されたな。
更新した方たち乙

…しかし工場は激戦区になりそうな感じが

194 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/13(水) 22:28:26 ID:Q0ow7Q+e0
Wi-fiでランニングホームラン達成記念カキコ

195 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/15(金) 15:57:52 ID:K1tjgdCq0
保守

196 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/16(土) 12:27:02 ID:CFdyyhI4O
予約キタ━━(゚∀゚)━━!!!

197 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/18(月) 02:29:12 ID:IoF+mKko0
一つ質問があるんだがいいかな?
カネオのテレポート能力ってどれくらい制限されてて、どれ位の距離をテレポート出来るとかって決まってなかったよね?

198 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/18(月) 03:25:02 ID:4pw4S04FO
たった今wikiをみてきたがカネオのテレポートについては書かれてなかったな

199 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/18(月) 03:47:17 ID:tY7E5rl8O
よっぽど酷くなけりゃ次の書き手任せでいいんじゃね?

200 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/18(月) 23:15:25 ID:IoF+mKko0
>>198,199
遅くなったがレスサンクス


そして人が居たことに安堵した


201 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 02:10:40 ID:VHgV6rlOO
いつも確認してるぜ

202 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 08:49:58 ID:+IW3zAPgO
基本的にスレは見てるが…投下が無いと喋る事はあんまり無いからな。
何か話題でも有れば別なんだろうけど。

203 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 19:27:54 ID:mISUccVO0
なら話題を振るぜ
久しぶりにやるやつだと、名前見てorzってなることがあるよな
「うんこ」とか「ザ・ニンジャ」ってなんだよ…
そんなのに限って能力が高かったりするから困る

204 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 21:29:06 ID:+IW3zAPgO
そうか?
そう言う名前にした事無いからかな。
…裏サクセスやミニゲームを見てつけた名前だと勝手に予想。

205 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 22:16:32 ID:EQsEhzF70
「よ〜しあのマンガのキャラでアレンジチーム作るぞ〜!」
数合わせの個人的空気キャラ→ランダムイベントが神がかり能力が高くなる
お気に入りのキャラ→彼女のランダムイベントに振り回され酷い能力

これはよくある

206 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 22:59:12 ID:mISUccVO0
戦争編のランキングもシュールだよな
俺のソフトではラオウがマラリアで死んでたりする

207 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 23:00:32 ID:kqBO45tl0
俺未だに戦争編で200週したことないわ

208 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/19(火) 23:09:51 ID:+IW3zAPgO
200週に行くまで何人死んだ事か…
良くクリア出来たなと思うね。

209 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:43:17 ID:eHvGe0ov0
流れをぶった切ってすいません
七味東雅、倉見春香、椿、天本玲泉、投下します

210 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:44:50 ID:eHvGe0ov0
かろうじて月の光が差す森の中。
ランタンをつけた状態で周囲を見渡しながら、ゆっくりと進んでいく二人。
一人はユニフォームを着たプロ野球選手、七味 東雅。
もう一人は花丸高校の制服を来た女子高生、倉見 春香。
何時襲撃されるかわからないこの状況に二人は精神が参りかけていた。
七味もランタンをつけるのが危険な事であるのはわかっている。
だが、この真っ暗な山道で光もなく歩く事はいくらなんでも危険すぎる。
ひょっとすると大きな段差があって足を捻るかもしれない、下手をすれば骨折の可能性もある。
七味は辺りに誰もいない可能性にかけたのだ。
慣れない夜の山道と言う事で体力も大幅に削られる。
プロ野球選手の七味はともかく春香にとっては非常に辛い状況だ。

(早くどこかで休まないと……この下に神社があるはずなんだけど)

しかし、そうも言ってられなさそうだ。
目に見えて春香は体力をすり減らしている。
どうするか。
ここで休んでしまうか、それとも神社まで行ってしまうか。

「春香ちゃん。まだ行けるかな?」

少し恥ずかしいが七味は春香を下の名前で呼んでいる。
春香がそう呼んでくれといったのだ。
春香は疲れていた顔を隠すように満面の笑みを浮かべて誤魔化すように答えた。

「大丈夫ですよ! 後十二時間は平気です!」
「はは、そうか。じゃあもうすぐで神社だと思うから頑張って」

励ましあいながら山道を進んでいく二人。
そして、七味はそんな中で疑問に思っていることがあった。

(……どうしてヒーローがあそこに居たんだ?)

ヒーローは消えた。
二年前の八月の最終週に、彼が甲子園を優勝した後の学校での対決を最後に消えてなくなったのだ。
彼はその最期を見届け、花丸高校野球部を除く関係者全ての記憶から彼らは消え去った。
それなのにどうしてヒーローがあのホールに居たのか。

(レッドは言っていた、ヒーローは俺達の強い勝利への願いで生み出されたのだと。
 それなら、ヒーローがあの場所に居るのはおかしい。
 俺はブラウンが殺される前の時点では強い勝利なんて願っていなかった)


211 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:46:10 ID:eHvGe0ov0
もちろん今は願っている、亀田と名乗ったあの男を許す事は出来ない。
だが、連れてこられた時点では混乱しているだけだった。
ブラウンがあそこに居てはおかしいはずだ。

(……わからない。ヒーローはなんであそこに居たんだ?)
「先輩?」

そこまで考えていると春香に声をかけられる。
少し驚いて、七味は素早く春香の方へと向き直る。

「何かな、春香ちゃん?」
「神社、見えてきましたよ」
「あ、そっか。じゃあ早速入ろうか」
「……どうしたんですか? 少し怖い顔をしてましたけど?」

どうやら顔に出ていたようだ。
七味は目の前の女の子を怯えさせてしまったことに反省する。

「いや、大したことじゃないよ」
「そうですか……でも力になりますから何でも言ってくださいね!」

元気に答える春香に少し励まされた。
二人はゆっくりと鳥居を潜り、本殿には向かわずに入って直ぐにある天蓋付きのベンチへと座る。
それにしても随分と時間がかかってしまったものだ。
春香も落ち着いたのか足を投げ出してくつろいでいる。

「少しここで休憩しよう。太陽が出てくるまでは山道を歩かないほうがいいだろうね」
「はーい、わかりましたー!」

小学生のように元気良く返事をする春香に七味は微笑ましくなる。
しかし、言っておかなければいけないことがある。

「でも春香ちゃん。勝手にデイバックを奪うのは感心できないな」
「うっ……」
「デイバックを二つも持ってたら歩きにくいだろ?」


212 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/20(水) 00:46:20 ID:t9+YWRjqO
支援

213 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:46:57 ID:eHvGe0ov0
先ほどの麻酔銃で眠らせた男から春香ちゃんはそのデイバックを奪っていたのだ。
当然の如く隠せるわけもなく、七味は直ぐに気付き持ってあげたのだ。
急に襲われたことを考えると恐怖で武器を奪っておこうと思っても不思議ではない。

「むぅ……だって」
「まあ、怖かったのはわかるよ。
 とにかく中に入ってるものをこれに入れといて、余分なデイバックは捨てておくから」

春香ちゃんに向かって自分のデイバックを差し出して言う。
そして、七味はもう一つの支給品、セイラーマンサーベルを持って立ち上がる。

「あれ? 先輩はどうするんですか?」
「ちょっとこの辺りを散策、人がいるかもしれないからね。
 一応すぐに戻ってくるつもりだから。
 春香ちゃんはここに居て。何かあったらこの麻酔銃を撃つんだよ」

そう言うと七味は本堂へと向かった。
その言葉は半分本当で半分嘘、人を探すという目的もあったが考え事がしたかったのだ。

「あの、先輩!」
「ん?」
「本当に……私のこと覚えていませんか?」

春香ちゃんは上目遣いにこちらを見てくる。
むさ苦しい高校時代を送っていた七味としては嬉しいような照れくさいような勘違いしてしまうような。
どちらかと言えば年下が好みの七味には女子高校生の上目遣いは厳しいものがある。

「う〜ん……花丸高校の生徒なんだろうけど、覚えてないな」
「そうですか……」

恐らく自分を知っているということは春香は三年生なのだろう。
七味が三年だった時に一年なら学校で会っている可能性はある。
だけど七味は全く見覚えがなく、春香ちゃんは俺のことを詳しすぎるほど知っている。
七味の趣味や好きな食べ物、利き腕や家族構成など細かいところまでだ。
さすがにここまで知っていると不気味に感じてくる。
ひょっとすると、ストーカーか何かではないかと疑ってしまう、さすがにそれは自惚れが過ぎると七味も思うが。
しかし、今は深く考えている暇はない。
春香は怪しいが、悪い人物には見えない。
だったら守るべきだ、単純だが七味にか弱い女の子を見捨てるなんて真似は出来ない。

「じゃ、ここから動かないでね」
「はーい」

元気な声を背中で受けて神社を回り始める。
それと同時に考えも七味の頭を回りだす。


214 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:47:46 ID:eHvGe0ov0

――ヒーローのこと、亀田のこと、春香のこと、これからのこと。

ヒーローはこの状況では頼りなる、これは間違いない。
ヒーローはヒーローでなければいけないのだから。
生まれた瞬間からヒーローとして行動する事を強制される、だから人を殺せるわけがない。
悪人なら別、という不安要素もつくがこの上なく頼りになるはずだ。
最大の問題はヒーローが参加しているかどうかがまだよくわからないということだが。
だが、ブラウンだけいて他のヒーローが全くいないということはないだろう。

(……あ、駄目だ。またヒーロー頼みになってるよ、俺)

こんな荒事は七味の住んでいる世界とは別世界のお話だ。
七味の住んでいる世界は決して血と硝煙の臭いが広がる世界なんかとは違う。
だから、殺し合いなんてのは別世界の話。

(だからって、ヒーローに全部を押し付けて逃げる理由にはならないよな)

そう、逃げる理由にはならない。
目の前で人が死んだのだ、一般人である七味にとってこれ以上に重いことはない。
ヒーローがいないのなら自分自身がやらなければいけない。
自分で動かなければ何も変わらない。
七味は心を決める。
決して人を殺さず、亀田なんかには屈しはしないと。

215 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/20(水) 00:48:26 ID:t9+YWRjqO
支援

216 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:48:34 ID:eHvGe0ov0

   ◇   ◆   ◇   ◆


椿は天本と共に山道を歩いていた。
目指す場所は街。
優勝を目指すにしろ、亀田を倒す道を目指すにしろ、人と会わなければいけない。
発電所にこもる事も可能と言えば可能だが、今の状態ではあまりメリットがない。
その理由としてはあんな山奥まで人が来る可能性は少ないということに尽きる。
では、危険ではあるが街まで降りて味方を増やすべきだろう。
ならば合流、そして武装の強化が優先される。
死んでしまっては駄目なのだ、生き残るためには武器、銃で撃たれて死なない人間など居ないのだから。

「嬢ちゃん、足元に気をつけな」
「大丈夫です、山道には慣れていますので」

天本はニコニコとした表情で椿の後ろを歩いている。
椿はこの表情にどこか薄ら寒い印象を抱いていた。
様々な場所を渡り歩いてきた椿は多くの人間を見てきた。
馬鹿なほど他人を信じる人間、いつも獲物を狙っている動物のような人間、笑顔の裏で人を騙す詐欺師。
確信はないが、この少女も最後の部類の人間に似たような匂いを感じる。
いや、少し違うか。
どちらかと言うと笑う以外に自分を守る方法を知らないのだろう。
少なくともこの状況で笑ってられる人間はよっぽどの馬鹿か腹に一物を抱えているかのどちらかだ。

(まあ、いいさ。こっちも利用させてもらうだけだからな)

だが、その手の輩は自分が便利だと教えていれば裏切らない。
利用して利用して、ボロ雑巾のようになってもまだ利用して、持つ事も出来なくなってから捨てるのだ。
そうはさせるものか。
たかだか十代の娘に裏をかかれるほど椿は腑抜けていない。
あの泣き顔まで演技だったとは考えにくい、つまりは心の底から騙しきる気になれていないというところだろう。
いずれにせよお互いの利益が合致しているのだ、そう簡単には裏切らないだろう。
椿はどう見ても柄の悪い浮浪者だ、簡単に信じろといわれても信じないだろう。
天本は害のなさそうな女子高生だが襲われたら手も足も出ない。
お互いがお互いの弱点をカバーしているのだ、そう簡単には切らないだろう。

217 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:49:54 ID:eHvGe0ov0

「……おっと、ストップだ、嬢ちゃん」
「? どうしたんですか椿さん」

天本は突然の静止に小声で理由を訊ねる。
椿の視線の先には一つの灯りを照らして歩く男女の影があった。
一人は体付きのしっかりとした20歳前後の男、一人は天本と似たような年頃の女。

「二人組……ですね」
「……少し妙だな。デイバックを三つも持ってやがる」
「人を襲ったんでしょうか?」
「さあな、俺たちみたいに襲われた相手のをぶん取ったのかもしれないが」

さて、どうする?
話しかけるか、無視をするか、天本に入れ知恵して目の前の男たちを犯罪者と言う情報を流すか。
無難な選択肢は無視をする事だろう。
デメリットも少なく、メリットは襲われることを回避できる。
女連れとは言え100%安全とは限らない、それでも男一人よりは安心できるが。
椿は少し考えた後。

「あの二人の後を追うか」
「はい」

追跡を選んだ。
周囲を警戒して進んでいるのか向こうのスピードは遅い、山道を歩きなれた二人なら追跡は十分可能だ。
追跡のメリットとしては前方から殺し合いに乗った相手に二人が先に会うということ。
そして、敵と会った場合にどのような行動を取るかでスタンスがわかる。
男たちの後を追っていく。
警戒しているのはわかるのだがどうも動きが危なっかしい。
恐らく山道を歩きなれていないのだろう。
気付かれないように距離を測りながらついていく。ランタンの光のお陰で見失う事はまずない。
そして、数十分ほど追跡すると神社の中に入っていった。

「神社、だな」
「ええ、そうですね……」
「どうした嬢ちゃん、いきなり暗い顔になっちまって」
「いえ、実家の神社に良く似ていて……少し思い出してしまったので」

そうか、と椿は答え深くは聞かないことにした。
人には話したくない事もあり、それを聞いてこの穏便な関係を崩すなんて馬鹿な真似はしたくない。
それは置いておいて、ここから先にどうするかだ。
恐らくこの神社に入ったのは休憩のためだろう。
話しかけるか、それとも無視を決め込むか。

218 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:50:41 ID:eHvGe0ov0
【C−2/神社/1日目/黎明】
【倉見春香@パワプロクンポケット7表】
[状態]:健康
[装備]:麻酔銃@現実(一発消費)
[参戦時期]:アルバム「午後のひととき」後
[道具]:支給品一式×3、ランダム支給品2〜6個
[思考]
1:休んで七味の足手まといにならないようにする
2:七味の記憶を取り戻す

【七味東雅@パワプロクンポケット7表】
[状態]:健康
[装備]:セイラーマンサーベル
[参戦時期]:ドラフト指名後プロ入団2年目の時期
[道具]:なし
[思考]
1:春香ちゃんを守る
2:ゲームに乗らない人物を守る、そして一緒に協力する
3:ヒーローがいるなら合流する
4:ひょっとして春香ちゃんってストーカー……いや、ないよな
[備考]
※デイバックは春香に預けています
※ヒーローは参加しているだろうと思っています

【椿@パワプロクンポケット9表】
[状態]健康
[装備]鉈
[道具]支給品一式×2(不明支給品1〜5)
[思考]
基本:生き残るのに手段は選ばない
1:目の前の二人組をどうするかを決める
2:天本を利用してゲームを有利に進める

【天本玲泉@パワプロクンポケット4表】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式(不明支給品1〜3)
[思考]
基本:日の出島に帰る
1:人を殺したくない
2:椿についていく

【セイラーマンサーベル@パワプロクンポケット7裏】
水兵みんなの憧れ、一般人にはただのサーベルとしか見えない。

219 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/20(水) 00:51:35 ID:eHvGe0ov0
投下終了です
題名は どうして『彼ら』がそこにいた? です

220 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/20(水) 01:12:47 ID:kCVaFDyA0
投下乙!
椿かっこいいよ椿
そして春香と七味の奇妙なコンビはどうなるのだろうか

221 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/20(水) 07:07:17 ID:No2vqoVR0
投下乙!
椿がどう動くかで結構変わっていきそうだね

222 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/20(水) 09:02:26 ID:Y6juoQrTO
投下乙!
椿がどう行動するか見物ですね。
チーム結成になるのかそれとも…

223 : ◆NXWWzEezZM :2008/08/21(木) 00:00:00 ID:GbiqvvfJ0
したらばの方に仮投下してきました。
問題点は向こうに書いてきた通りです。

224 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/21(木) 17:40:59 ID:PQ285lt7O
>>223
見てきました。
個人的にはテレポートはもうちょっと移動距離を制限した方が良いと良いと思いました。
あんまり移動距離が有ると死なない子になってしまうぜ。

デイパックは…支給品が入って無いしOKなのかな?
何で彼処に有るか疑問ですけど。

それと関係無いけど研究所には上川達が居たけど気付かない物なんだろうか…

225 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/21(木) 21:02:59 ID:NjJ9ohA50
>>223
自分もテレポートが少し距離があるのとデイバッグが研究所にあるのが引っかかりました
距離がありすぎるとそれこそ追跡不能で殺せなくなりますし

226 : ◆NXWWzEezZM :2008/08/21(木) 23:39:12 ID:GbiqvvfJ0
>>224,225
ご意見ありがとうございます。
テレポートの距離に関しては、本投下の際に修正させていただきます。
デイパックの場所についてですが、色々と考えてはあったのですがネタ潰しや先の展開を縛る可能性があるため、
ここでそれを説明するわけにもいかないので、
これも本投下の際に適当な鞄等に変更させていただきます。

上川の件に関しては、研究所の広さと、行動タイミングのズレでどうにかなるかと思いましたが…

227 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/21(木) 23:59:38 ID:PQ285lt7O
そうですか…
まあ研究所はそれなり広いみたいだからね。
修正頑張ってください。

228 : ◆7WJp/yel/Y :2008/08/23(土) 21:24:09 ID:NguU9ogo0
◆NXWWzEezZM氏の本投下に期待保守

229 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/23(土) 21:25:32 ID:NguU9ogo0
……名前欄は忘れて欲しいんだぜ

230 :カネオの奇妙な探検 ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 16:58:12 ID:rtN0MN640
仮投下スレの修正版を投下します
キャラはカネオ一人だけです

231 :カネオの奇妙な探検 ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 16:59:23 ID:rtN0MN640
倉見春香と七味東雅が去ってからしばらくして、カネオは目を覚ました。
まず初めに彼は周りを見回してみる。
辺りには誰もいない。
自分のデイパックが無くなっている。
空はまだ暗いまま。
ここは木が生い茂る森の中。
これらの情報から、考えられる自分の状況は──

「む〜〜〜ん、ボクのデイパックがないんだなぁ〜。
 許せないんだなぁ〜、おしおきなんだなぁ〜。
 きっとあの女が盗ってったんだなぁ〜、許せないんだなぁ〜〜〜」
一度に多くの事を考えるのは無理だったようだ。


その後しばらくして、少しずつ頭が冴えてきたカネオは、ようやく自分の状況を大まかに把握する。
デイパックが無いことが深刻なことであるという事も理解し、当分の間の行動方針を決めた。

「おなかが減ったから、食べ物がありそうな所に行くんだなぁ〜」

と言っても地図が無いので、行くべき場所の見当も付かない。
しかしそんな事もお構いなしで、カネオはふらふらと歩き出した。


232 :カネオの奇妙な探検 ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 17:00:31 ID:rtN0MN640


   ◆  ◆  ◆


「む〜ん、ここはどこなんだなぁ〜」

カネオが歩き始めて20分くらい経った頃だろうか、彼はある建物を目の前にして歩みを止めた。
入り口は近くには見当たらない、しかし窓から中の様子が僅かに窺える。
カーテンによってその窓の大部分は遮られているが、その隙間からはベッドのような物が見えた。
この建物が何であるか、適当に歩いて辿り着いただけのカネオには分からない。
それでも、ベッドがあるならばそこに人が居る、もしくは居た可能性は十分にある。
それなら食べられる物の一つや二つくらいは見つかるだろう。
ここまで来れば、建物の前に突っ立っている必要は無い。

「きっとこの中に何か食べ物があるんだなぁ〜。
 そうと決まれば早速侵入するんだなぁ〜」

カネオは窓に鍵がかかっているかどうかは確認していない。
だからと言って、窓を割って中に入るという手荒な真似をした訳でもない。
彼の特技───瞬間移動する能力、テレポート───を用いれば、全ては一瞬で済むのだから。



233 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/24(日) 17:02:09 ID:3HRwFYmV0
しえーん 


234 :カネオの奇妙な探検 ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 17:03:44 ID:rtN0MN640


テレポートを発動し、二つの地点を一瞬で移動する。
こうして建物への侵入に成功したカネオ。
しかし普段から何気なく行っていたこの一連の動作が、ここに来る前までとは勝手が違う事に気付いた。

「何かがおかしいんだな、いつもより凄く疲れたんだなぁ〜。
 瞬間移動がこんなに疲れるものだとは思ってなかったんだなぁ〜。
 早く食べ物を探してゆっくりしたいんだなぁ〜」

テレポートへの制限、理屈は分からないものの、それが制限されているという事には勘付いた。
しかし彼はそれ以上発想を広げる事は無かった。
それは彼にとってそれはどうでもいい事だったから、そんな事よりも空腹を凌ぐ事の方がはるかに重要だったからに他ならない。


   ◆  ◆  ◆


初めにテレポートで辿り着いた部屋は、ベッドが二つ置いてあった。
だが医薬品などは見当たらず、彼にとって特に収穫となるものは何も見つからない。
当然食糧も見当たらなかったので、彼はその部屋に見切りをつけ、他の部屋の探索に向かっていった。

次に彼が辿り着いたのは更衣室であった。
カネオはロッカーを開けて中を調べるという作業を何回か繰り返したが、食糧となるものは見つけられない。
しかし、最後に開けたロッカーで思わぬ発見をする。

「これは便利そうなカバンなんだなぁ〜。
 ちょっと拝借していくんだなぁ〜」

それは何の変哲もないリュックサック。
強いて言えば、ポケットの数が多くて市販のものとしては便利というぐらいの代物であった。
彼が中を確認したところ空っぽではあったが、道具を入れられるものが見つかっただけで収穫である。
早速彼はそれを背負って、用が無くなった更衣室を後にしていった。


235 :カネオの奇妙な探検 ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 17:04:45 ID:rtN0MN640


その後もカネオはしばらく建物の探索を続けた。
しかしいくつかの部屋を調べてはみたものの、食糧どころか役立ちそうな武器などのアイテムすら見つけられない。
それでもあくまでマイペースに探索を続けていた結果、長い廊下の突き当たりにある部屋に辿り着いた。

「なんか凄そうな部屋なんだなぁ〜。
 きっとここならいい物が置いてあるんだなぁ〜。
 早速中に入るんだなぁ〜」

それまで見た部屋とは明らかに何かが違う、立派な金属の引き戸がそこにあった。
カネオは迷わずそれを引いて中へ進んでいく。
鍵はかかっていなかった。


   ◆  ◆  ◆


カネオが入っていったのは冷凍室だった。
彼は電気のスイッチを見つけることが出来なかったので、暗い室内にそのまま足を踏み入れていく。
幸運にも入り口から程遠くない場所にあった『食べ物』を、彼はすぐに発見することが出来た。
彼が手に取ったのは、真空パックの袋に入った鳥の手羽先だった。


236 :カネオの奇妙な探検 ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 17:05:49 ID:rtN0MN640


「む〜ん、これはおいしそうな食べ物なんだなぁ〜。
 これは拝借しておくんだなぁ〜」

袋の隅に『名古屋コーチン』と記されているそれを、カネオは先程のリュックサックに放り込む。
そして他にも何か食べられるものがないかと冷凍室の奥へと進もうとしたが、廊下の灯りが届かなくなった辺りで引き返した。
灯りが届かないと見えないというのもあるが何より彼の進む意思を削いだのは、その寒さだった。

「ここは寒いんだなぁ〜、宇宙みたいに寒いんだなぁ〜〜〜」

こんな独り言を吐き出して、彼は冷凍室から退散した。
何かを呟いても誰も聞いていないというのは、少々寂しく感じた。
弟達を探さねばならないか、そんな事を考えてみるものの、食欲に打ち勝つことは出来ないのであったのだが。

「まずはこれを料理しに行く事が第一なんだなぁ〜。
 焼くなり煮るなりしないと食べられないんだなぁ〜。
 楽しみなんだなぁ〜」

結局収穫は冷凍されたの手羽先一つだけである。
だが彼一人にはそれでも十分であった。
こうなれば彼の当分の間の目標はただ一つ、これを調理して食べることだけ。
調理器具を求めて、彼は再び歩き出した。


237 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/24(日) 17:05:49 ID:3HRwFYmV0
パワプロポケット支援ver

238 :カネオの奇妙な探検 ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 17:07:28 ID:rtN0MN640


   ◆  ◆  ◆


ここは奇怪な研究所。
そこへ偶然にも侵入してきた宇宙の嫌われ者、スペースコックローチの一人、カネオ。
今まで数多くの宇宙船に侵入し、そして成果をあげてきた。
果たして今回の侵入でも成功を収められるのか。
カネオの研究所探検はまだ続く。
行き着く先に何があろうとも。


【A−3/研究所/1日目/黎明】
【カネオ@パワプロクンポケット9裏】
[状態]:疲労(中)、空腹(中)
[装備]:なし
[道具]:凍った手羽先、リュックサック
[思考]
1:手羽先を食べられる状態に加工して食べる、食べたらどこがでゆっくり休憩する。
2:弟たちを探す。
3:春香に会ったら、『おしおき』をする。

[備考]
※ 参戦時期は9裏主人公の戦艦に最初に乗り込んできた後です。
※ 春香の名前は知りません。また春香の見た目に関する情報も、暗かったために曖昧です。
※ テレポートをすると疲れが溜まる事を認識しました。
  テレポートの移動距離に関する制限は認識していません、またテレポートの制限の度合いは以降の書き手にお任せします。


239 : ◆NXWWzEezZM :2008/08/24(日) 17:08:19 ID:rtN0MN640
投下終了です。
誤字等ありましたら報告ください

240 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/24(日) 17:09:10 ID:rtN0MN640
それと、支援してくださった方ありがとうございました

241 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/24(日) 17:12:27 ID:3HRwFYmV0
投下乙です。

テレポートはそれくらいならいいでしょう。
建物の前から建物の中くらいならできそうですし。

242 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/24(日) 17:42:16 ID:01Xu7e7a0
投下乙です
ふむ、上川&わん子との絡みが楽しみだな
荒井三兄弟独特のうざさを発揮して欲しいぜwww

243 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/25(月) 09:13:34 ID:WyxjorCrO
投稿乙です。
さてカネオがどう動くか楽しみだぜ

244 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 03:07:13 ID:/07sQXxiO
スレが寂しいなあ
保守がてらになんか雑談しようぜ!


今日はもう寝るけど

245 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 15:59:36 ID:EKodMu+B0
ほす

246 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 20:33:19 ID:mCsmuXNtO
さて何を話そうか…

とりあえず現時点での期待のキャラは?

247 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 22:50:00 ID:Xk5PjotHO
東さんには期待してる
いい人すぎて損な役に

248 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 22:51:44 ID:/07sQXxiO
真央と走太のコンビだな
俺はああいう異色の組み合わせの対主催が好きなんだ



あとは七原かな
布具里を見捨てて危険対主催になる可能性もあるから続きが気になる

249 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 22:52:13 ID:Xk5PjotHO
途中送信しちゃった

いい人すぎて損な役になりそうだけど

あとは上川とか

250 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 23:42:46 ID:l5qxIZCB0
レッドには是非空気を読まず対主催間の仲をギスギスさせてほしいものだと期待している

251 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 23:56:39 ID:mCsmuXNtO
私はカオスのノリカに期待
…現時点では火だるまだけど、いろいろな意味で活躍してくれそう。


252 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/28(木) 23:59:22 ID:9MxPM0zw0
俺は十波の斜め上っぷりに期待
最終的にどこまで突き抜けるか楽しみだぜ

253 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/29(金) 00:19:06 ID:cs4g6S6o0
せっかくだから俺はリンに期待するぜ!

254 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/29(金) 02:44:59 ID:M2bZF+MtO
大好きな大好きなタマちゃんとヘルガが組んだだけで大満足。
このあとの展開に期待。

255 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/29(金) 12:53:08 ID:Kgr7qHtRO
至近距離にいるカズと朱里にwktk

256 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/29(金) 18:31:23 ID:hhiO+6SCO
さて大体出たし次の話題に入って良いかな?
参加未参加問わずに、パワプロクンポケットシリーズで好きなキャラは。


257 :ゲーム好き名無しさん:2008/08/29(金) 19:48:09 ID:PJw2+5LQ0
隊長になら掘られてもいい
ミニゲームでは雑魚でアンドロイドに仲間がいることをうっかり喋っちゃったりとダサいはずなのに
何故か格好いい

258 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/01(月) 17:29:46 ID:cdbbG23DO
今日の夜辺り投下くるかね

259 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/01(月) 19:30:33 ID:SenELEMd0
期限はまだある、焦る必要はないさ
しかし無差別マーダー二人に危険対主催とはw激戦必死だなwww

260 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/03(水) 13:43:35 ID:RS9VOYWo0
倉刈さんかな
てゆーかモグラーズ全員だな
2は一番やりこんだこともあるが
一番好きだぜ
そんなこともあって二朱には期待している

261 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/03(水) 13:45:31 ID:RS9VOYWo0
すまんsage忘れた…
ゴメスor2=3

262 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 22:45:45 ID:sUdjY+1NO
灰原、青野、メカ亀田投稿します。

263 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 22:47:20 ID:sUdjY+1NO
「ふ…ふふ…はははははは!」

青野柴夫はで笑う。

殺った!殺った!殺った!

落田はアッサリと死んだ。

もう後戻りは出来ない。

このまま突き進むしかなくなった。

それにしても…

「殺すのって意外と簡単なんだな…
これならイケる…生き残る事が出来る!」


そうこれは仕方の無い事だったんだ。

生き残るにはこれしか無いんだから。

誰だって生きていたいと思う物だ。

誰だってそう思うはずだし俺だってそう思う。

落田だって生きたかったに決まってる。

だから仲間のフリなんかして背後から俺を襲うつもりだったに違いない。

そうでなきゃいけない。
そうでなきゃ認めない!。

だってそうでなきゃ俺は………いや駄目だ考えるな…今は生きる事だけ考えよう。

落田を殺して奪った支給品を確認して強力な武器が無いか調べるんだ。

俺は落田のデイパックを開ける。

264 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 22:50:08 ID:sUdjY+1NO
始めに中から出てきたのは…サルだった。

「は…?」

何でこんな物が入っているんだ…?

「キキー!」

そうやって俺が呆気に取られているとサルは落田のデイパックを持って逃げやがった。

「な…!こらまて!」

あのサル意外に速い。
必死で追い掛けているのにまったく追い付けない。

それにしてもサルと言い喋るボールといいなんでそんな物を支給するんだ!
当たりの支給品が拳銃とアレで二つ有ったから良かったが…。


たまにこっちを馬鹿にしたような仕草をしてきやがるし…。

ああむかつく…捕まえたら殺してやる。

撃ち殺しても良いが玉がもったいないからと思って撃つのを辞めておいたがいい加減我慢の限界だ。

あと少し…あと少しだけ我慢してやる。

そうやってサルを追い掛けていると前方にサングラスをした男が見えた。

面倒だが殺らなくては。

サルが工場方面に逃げていく。
くそ…早く殺って追い掛けないと。

俺は男に向けて銃を撃った。

これで男は腹に穴を開け落田と同じになる

そう思い勝利を確信した。

だが…腹に穴を開けたのは俺だった。

「な…!」

有り得ない…有り得ない!有り得ない!有り得ない!有り得ない!

265 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 22:53:12 ID:sUdjY+1NO
有り得ない!有り得ない!有り得ない!有り得ない!有り得ない!
なんでサングラス男が無傷で俺が…!

もう一度…もう一度撃って殺してやる!

「死ね!」

俺はサングラス男に銃を向けたが遅かった。
サングラス男は銃を叩き落とした上に俺を押さえ込んだ。

馬鹿め力には自信が…動かない…!

「いくつか質問と指示を与える
生きたければ従え」

「誰がお前なんかの言うことなんか」

「…状況がわかっていないようだな」

体に激痛が走る…!
こ…こいつ銃の傷口を広げやがる!

「痛い!痛い!やめろ!やめてくれ!」

「これでも私は拷問が得意でね
素直に従えば助けるが抵抗するなら傷をほじって広げてやる」


「わ…わかった従うよ」

く…くそ…とりあえずこの場は…だが絶対に後で殺して…。

「ふむ…では裏切ったらどうなるかその体に教えこんでやろう」

あ…有り得ない…!
や…やめさせなくては…。

「ま…待ってくれ!
俺は…!」

「犬の躾はしっかりとしないと行けないだろう?
死んだ方がマシだと思える体験をさせてやる」

「や…やめろ…やめて…うわぁぁぁ!」



266 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 22:54:58 ID:sUdjY+1NO
▼ ▼ ▼

メカ亀田が工場に向かう途中で一人の男に出会った。

男の名前は青野柴夫。
殺し合いには乗っていない…らしい。

怪我をしていたがなんでも八神とか男に襲われたらしい。

しかし…怪しい。

何が怪しいかって?

それは青野がなんの躊躇いも無くオイラに話しかけて来たこと。

忌々しい事だがオイラは亀田に似せて造られた。

それ故に内面はオイラの方が優れていると言うのに劣っているオリジナルに間違われる事もある。

ましてやこの殺し合いを開催したのはオリジナル。

この姿を見て多少は警戒するのは当然と言って良いだろう。

だが青野にはそれがなかった。

まるで最初からオイラが殺し合いに乗っていないとわかっているように。

それに八神と言うやつの説明になんとなく違和感を感じた。
まるで誰かに喋らされているような…。

まあいい…
どういう事なのか時間をかけて聞き出せば良い。

とりあえずは手駒が出来た事を喜ぶ事にしよう。

例え後で始末する事になったとしても。

▼ ▼ ▼

もうあんな体験だけはしたくない。

それが俺のサングラス男に受けた拷問の感想だ。

アレをもう一度やられると考えると寒気がする。



267 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 22:56:00 ID:sUdjY+1NO
初めから…初めから優勝なんて無理だったんだ。

あの男に勝てるはずが無い。

だから俺はサングラスの男に言われた事をする。

殺し合いに乗っていない人間の嘘の情報を流し仲間に入り込みチームを分断し潰し合わせる。

とりあえずサングラスの男に事前に情報を提供されていたメカ亀田に会えた。

殺し合いに乗っていないと伝えたらすんなりと仲間になれた。


流すように言われた嘘を流す。
八神と言う人間に襲われたと。


とりあえず今はこれでいいはず…次にどうするか考えなければ。

あの苦しみをまた受けないためにも。

268 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/03(水) 22:56:05 ID:qv5Hac++0
sien

269 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 22:59:51 ID:sUdjY+1NO
【B−7/B−8との境界付近/一日目/黎明】
【メカ亀田@パワプロクンポケット6裏】
[状態]:損傷なし
[装備]:特になし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1〜3個
[思考]
基本:『殺し合い』を失敗させた後に亀田を殺す
1:工場へと向かい、人と遭遇する。
2:青野から情報を引き出す。
3:脱出のために役立ちそうな人間を優先して仲間にする
4:サングラスの男(灰原)に激しい殺意と敵意[備考]
※参加時期は不明
※メカ亀田は灰原の名前は知りません
※自動追尾ミサイルとバリアーは没収されています
※八神が殺し合いに乗っていると言う情報をえました。
※青野をいまいち信用していません。

【青野柴夫@パワプロクンポケット6】
[状態]:腹に銃創(処置済み)、疲労大、サングラスの男(灰原)に恐怖
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、
[思考・状況]
1:メカ亀田と行動する。
2:サングラスの男(灰原)の指示に従う。
3:苦しみたく無い。
[備考]
※参加時期は一応6主人公と落田がしあわせ島から帰って和桐に働き始めた後からです。
※ランダム支給品は灰原に奪われました。



270 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 23:01:41 ID:sUdjY+1NO
▼ ▼ ▼

「ふむ…とりあえずは上出来だな」

青野が去った後、サングラスの男こと灰原は一人呟く。

青野からは実にいろいろな物を手に入れられた。

拳銃に喋るボールにとぶやつと書かれた小型のロケット。

特に喋るボールは興味深い。

あの大きさでそれなりの人工知能を搭載している。
動力はどうなっているのだろうか。

解体して調べても良かったが設備がそろっていなかったので止めておいたが、これを持ち帰るだけでも価値はあるだろう。

とりあえず今はデイパックの中にしまっておく。

青野もうまく動いてくれれば良いが期待は出来ないだろう。

殺しても良かったのだがメカ亀田を破壊し損ねた以上、やつは勢力拡大を目指すだろう。
正直主催者に反抗する勢力が増えると優勝を目指す上でいろいろ面倒だ。

だからこそ青野のを生かして反抗勢力に紛れ込ませ嘘を流す。

最初に会ったのがメカ亀田以外だったらメカ亀田が殺し合いに乗っていると言う情報と八神が殺し合いに乗っていると言う情報を流す。

メカ亀田に会った場合は八神が殺し合いに乗っていると情報を流す。

他にもいろいろ指示をしておいたがこれだけでも効果があるだろう。

271 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 23:02:57 ID:sUdjY+1NO

八神がこの殺し合いに参加させられていない場合も有るが最悪の場合を想定しておかなければならない。

正義感が高いやつだから参加しているなら殺し合いを止めに動くだろう。

参加していない場合でも疑われるのは青野。
たいした実害は無い。

白瀬がいるなら殺し合いに乗っているのだろうか。

白瀬がいるなら接触したいところだ。

出来れば私が途中で息耐えた場合に優勝し情報を大神に持ち帰るように指示したい。

プロ意識が高い白瀬なら実行してくれるだろう。

必要なのは生き残る事では無く情報を届ける事に有るのだから。

272 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 23:05:46 ID:sUdjY+1NO
【Cー7/B−7との境界付近/一日目/黎明】
【灰原@パワプロクンポケット8】
[状態]:健康
[装備]:正宗@パワプロクンポケット7裏、トムプソン(2/4)@パワプロクンポケット7裏
[道具]:支給品一式、ムチ@パワプロクンポケット7裏、ボールオヤジ@パワプロクンポケットダッシュ、とぶやつ@パワプロクンポケット8裏
[思考]
基本:優勝し、亀田の持つ技術を大神へと持ち帰る
1:離れ島へと向かう
2:見敵必殺、ただし相手が複数いる場合など確実に殺せないと判断した時は見逃す
3:白瀬がいるなら指示を与えたい
4:喋るボール(ボールオヤジ)を持ち帰る
[備考]
※参加時期は不明、後続の書き手さんに任せます
※青野にはいまいち期待していません


273 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 23:07:33 ID:sUdjY+1NO

【ボールオヤジ@パワポケダッシュ】
走太の父親の魂が宿った喋るボール。
ロボットでは無い。
【とぶやつ@パワプロクンポケット8裏】
エリアを一つ移動出来るアイテム。
ここでも1エリア分移動出来る。
一回限りの使い捨てアイテムだが何かエネルギーを供給出来ればまた使えるかもしれない。
【サル@パワプロクンポケット4】
森本と一緒に住んでいるサルの1匹。
悪戯好きのようだ。
落田のデイパック(支給品一式、ランダム支給品0〜2)を持って工場方面に逃走中。

274 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/03(水) 23:10:54 ID:sUdjY+1NO
投稿終了です。
題名は
「それぞれの思惑」
です。

275 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/03(水) 23:17:39 ID:wsR+DpfB0
投下乙です
銃弾をピッチャー返しにするなんて……隊長、恐ろしい子!
しかし、青野には小物臭とカワイソス臭がプンプンするなw
同行者がメカ亀田で行く先が工場で逃げれても隊長の影に常に怯えることになるとはwww
そしてそこにいたんですね親父ボールw

276 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/04(木) 10:52:09 ID:ho42HzmJ0
乙。どう動いても死が近づいてきそうな青野さん頑張れw

あと灰原は基本的に「私」ではなく「俺」じゃなかったっけ。
自分より上の立場の人間なら「私」になるだろうけど。間違ってたらスマン。

277 : ◆7DOBbsTUNE :2008/09/04(木) 17:51:50 ID:WXIj5B+0O
確認して来ました。
確かに「私」じゃ無くて「オレ」でした。
収録して頂いた後に直そうと思います。

278 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/06(土) 02:35:27 ID:cC3FRqMJ0
wki更新乙です
まだ1話しか書かれてないキャラ達をまとめてみた(予約済み除く)

* ピエロ
* 野丸太郎
* 芹沢真央
* 高坂茜
* 黒野鉄斎
* 八神総八郎
* 大江和那
* 小波走太
* 島岡武雄
* 平山紀之

こうして見ると、割と固まってるように思えるなあ。
自分もどこかのプロットを考えてみようかなぁ・・・

279 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/06(土) 21:03:05 ID:Uw2sgn5JO
更新乙です。

>>277
期待しているぜ

280 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 18:42:22 ID:2ocRjL7RO
そろそろ投下に期待

281 : ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:50:41 ID:4hgm3ldn0
七原正大、布具里、九条英雄、凡田大介を投下します

282 :時間移動か洗脳か ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:52:22 ID:4hgm3ldn0
七原は少しの間だけ考えた結果、布具里と行動を共にすることに決めた。
布具里が戻ってくるまでの間が手持ち無沙汰でしょうがない。
ならばと浜辺に腰を落としてデイバックの中身を確認しなおす。
水、大量の食料、地図、コンパスなど先ほど確認したものが出てくる。

「……おいおい、まさかあの忍者装束だけなのか?」

今まで我威亜党の邪魔を散々してきたのだから、おかしい話ではない。
おかしい話ではないが困った話ではある。
布具里と出会うことによって防弾チョッキを手に入れることが出来たからいいが、
もしも誰とも出会わなければ忍者装束だけで戦う羽目になっていたのだ。
腕には自信があるものの、さすがに銃を持った相手に無手で勝てるとは思わない。
自身の装備の貧弱さに、はぁ、と小さくため息をついて乱暴にデイバックをひっくり返す。
支給品がバタバタと落ちていく。
ガチャガチャと音を立てて漁っていくと、一つの小さな、煙草の箱ほどの大きさの箱が手に当たる。
小さなもののため、布具里と情報を交換する時には見渡していたのだろう。
しかし、この大きさでは大した武器であると思えない。
火薬が入っていたとしても高が知れているし、箱に入る程度の武器に殺傷力があるとは考えられない。
七原はあまり期待をせずに、その箱の裏を覗き込み。

「うぉ……これは……!!」

先ほどまでの暗い顔を瞬時に明るい表情へと変化させる。
猛スピードでデイバックへとしまい込み、その小さな箱を手に持って海の家へと走っていく。

283 :時間移動か洗脳か ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:53:30 ID:4hgm3ldn0

「親父!」
「おお、いきなりどうした我が息子よ。
 まさかその歳になって父ちゃんと遊びたいとでも言うのか?」

既に白い忍者装束に着替え終わっていた布具里が冗談めかして訊ねる。
そんな冗談を右から左へと聞き流して、七原は不気味に笑いながら手元の箱を大きく上に掲げる。

「さあ親父、ギャンブルだギャンブル!
 その袋の中に入っているものを賭けて、俺と勝負しやがれ!」
「なに! ギャンブルだと!」

その言葉に布具里の眼は一気に輝いていく。
七原がするつもりのギャンブルは『Pカード』、ある高校で流行った単純なカードゲームである。
箱の中にはPカードの説明書とカードが1セット。

「四人でやるギャンブルらしいけど今回は二人だからな。
 ちょうど二等分すればいい感じになるだろ」

説明書を読みながら丸テーブルに座り込む七原。
布具里も顔を輝かせて椅子に座り込んでいく。

「まあいい、そのうちルールも覚えるだろ!」
「いいのか息子よ。こう見えても父はギャンブルには強いんだぞ?」
「は、借金にまみれた男が言うセリフじゃないな!」
「お互い様ってやつだぞ!」
「朝が来るまでに身包み剥いでやるよ!」

駄目人間全開の二人の熱い夜は始まったばかりである。

284 :時間移動か洗脳か ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:54:21 ID:4hgm3ldn0


   ◇    ◇    ◇    ◇


九条英雄と凡田大介は海の家へと向かって北上していた。
先ほど別れた智美のことが気にはかかっていたが、今は仲間を集めると言うことに集中した方がいい。
智美の判断は正しい、三人で動き回るよりも二手に別れた方が仲間を多く集める事が出来るのは当然だ。
頭もいいように見えたし凡田との会話を聞く限り社会的地位も高いようだ。
危機を乗り切れる何かしらの策がある、智美が一人で動く事を選んだのも理由があるはずだ。

「九条くん」
「……ん? 何だい、凡田くん」

考え事をしていたため若干反応が遅れる。
それに気になる事はもう一つある。
凡田の言った、ドリルモグラーズに所属している、との言葉。
現在はドリルモグラーズという球団は消え失せて大神ホッパーズと名前を変えているはずだ。
そして、旅の途中で小耳に挟んだ情報が正しければ凡田 大介と言う選手はとっくに引退しているはずだ。
もっとも、風来坊ゆえにガセネタを今まで信じ込んでいたと言う可能性もあるが。
あまり世間のことに興味は持っていないかったが、これからはこまめにチェックすることに決めた。

「海の家が近づいてきたでやんすよ」
「ああ、そうだな」
「じゃあ早速……」
「ちょっと待った」

駆け寄ろうとする凡田を諌めて耳を潜める。
ほんの少しではあるが人の声が聞こえる、さすがに内容を聞き取る事は出来ないが。

「人がいる、話し声みたいだから複数だ」
「へえ、幸先がいいでやんすね。早速仲間をゲットでやんすよ」
「……気楽だね、凡田くんは」

しかし、どうするか。
相手が殺し合いに乗っているかどうかわからない状況で攻撃を仕掛けるのは論外だ。
相手がどんなスタンスでいるのかを知らないと行動の取りようがない。

「どうするんでやんすか、九「くっそぉぉ!!」

凡田の問いかけに被せたかの様に叫び声が周囲に響き渡る。
九条と凡田は顔を見合わせ、再び海の家へと目を向けて静かに耳を潜める。

「はは、これで俺の連勝だな親父!」
「ちくしょー! 次だ次だ!」



285 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 18:55:25 ID:DUY1bwKTO
支援

286 :時間移動か洗脳か ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:55:57 ID:4hgm3ldn0
会話の内容は和気藹々としたものだ。
さすがにこんな場所で大声を出すような人間が殺し合いに乗っているとは考えづらい。
若干抜けている人たちだと判断できるため、仲間にして頼りになるかと聞かれると首を横に振る。
頼りにはならないが、やはり仲間は多いほうがいい。
意を決して海の家への扉を開ける。

「失礼するでやんすよー」
「ん……なっ!?」

しかし、そんな交渉自体は容易だろうと思い扉を開けた瞬間、驚きの声が響き渡る。
海の家の中にいたのは二人。
一人はハンチング帽にサスペンダーの上に羽織っているが特徴的な若い男。
もう一人は顔の骨格が有り得ない形をしている白い服を着た男。
二人は丸テーブルに向かい合って座っていて、そのテーブルにはカードが散らばっている。
よく見るとテーブルの位置は窓からは四角になり、それでいて直ぐに窓から逃げれる場所だ。
何も考えずにゲームに熱中していたのではないようだ。

「湯田くん!?」

ハンチング帽の男が大声で凡田へと呼びかける。
その手には警察が使う拳銃、ニューナンブを握り地味な色のベストを羽織っている。

「……あー、人違いでやんすよ。オイラは凡田でやんす」
「人違い? そんな馬鹿な!?」

男は大きく目を見開いて凡田へと問いかける。
九条はそんな様子を静かに見届けて、この二人が殺し合いに乗っていないだろうという大体のあたりをつける。
二人で動いていると言う事は最後の一人になるまで殺しあうというルールに矛盾している。
もちろん利害の一致で組んでいると言う可能性も高いが、それならあの銃を牽制にも使わないのは不自然だ。

「……少し、話をいいかな?」
「おう、俺たちを殺す前の決め台詞か何かかい?」
「……俺たちは仲間を探しています。
 この殺し合いから脱出するための、あの亀田とか言う男を倒すための仲間を」
「へえ、そいつは奇遇だねえ。俺たちも殺し合いに乗るつもりは頭からないんだよ。
 出来るなら穏便に済ましたいと思ってたところでさあ。
 それで、あんたたちの名前は?」

動揺しているハンチング帽の男に変わり、白い服の男が対応する。
こっちをおちょくるような言葉だが、恐らくそれが自然体なのだろう。
ニヤニヤと余裕のある笑みを顔中に浮かべている、理不尽な状況には慣れているということだ。


287 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 18:56:11 ID:ipsdB7Tk0
 

288 :時間移動か洗脳か ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:56:46 ID:4hgm3ldn0

「九条 英雄、こっちの眼鏡の人は凡田 大介」
「俺は布具里、考古学者だよ」
「何が考古学者だ、遺跡泥棒の間違いだろ」
「はっはっは、こいつは手厳しいな、我が息子よ」

混乱から立ち直ったハンチング帽の男は布具里ジト目で睨みつけた後、口を開く。
この二人は雰囲気からしてただの一般人ではない。
九条や椿のような、どこか危ない道も歩いて生活している人間。

「七原 正大と言います。
 帝都に探偵事務所を開いているので是非ご利用をお願いします」

明らかな営業スマイルで近寄ってくる。
探偵、あまり良いイメージはない。
だが精神的に逞しいのは間違いないのだろう。

(この二人は親子なのか、親子に殺し合いをさせるなんて腐っているな。
 ところでテイトってどこだ?)

少し疑問に思うものの、あまり知られていない地名なのかもしれない。
それにその日の食事に困るほど金に困っている九条が探偵を利用する事なんてまずない。
凡田が今まで溜め込んでいるコレクションをフリーマーケットに出すぐらい有り得ない。

「俺は九条 英雄。職は持っていません、風来坊ってやつですね」
「オイラは凡田大介でやんす、モグラーズのピッチャーでプロ野球選手でやんすよ」
「プロ……?」
「へえ、兄ちゃん外国にでも住んでるのか、あっちの住み心地はどうなんだよ?」
「いや、オイラは日本人でやんすよ……外国になんて行った事もないでやんす!」

話がかみ合わない、先ほどの九条と凡田と智美の会話のように何かがずれている。
いわゆる共通の認識がそっくりそのまま違うような、致命的なズレがある。

「知らないな、モグラーズなんて野球倶楽部。親父は?」
「俺も知らないね。日本で横文字使ってる野球倶楽部は」
「あんた達、本当に日本人でやんすか……?」


289 :時間移動か洗脳か ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:57:45 ID:4hgm3ldn0
明らかにおかしい。
さすがにプロ野球を知らない日本人なんて絶対にいない。
モグラーズもそれなりに知られているし、何より野球倶楽部という言い方にも引っかかる。

(……まさか)

九条の脳裏に思い浮かぶのは一つの突飛な考え。
有り得ない、出来るはずがない、夢を見すぎている。
普通ならそう思う考えだ。

――ここにいる人間の住んでいた時間が違っているなど。

しかし、有り得ないことは有り得ない。
現に幽霊が具現化してある草野球チームに力を貸す、なんてことも平気で起こる世の中なのだから。

「……七原さん、今年って何年でしたっけ?」
「? 大正○○年だろ?」
「は?」
「じゃあ凡田くんは?」
「△△年でやんすよ」
「は?」
(決まり、か)

その言葉で彼の中での推理に確信を得た。
七原や布具里はもちろん、凡田も九条も違う時間から拉致をされたことになる。
いや、七原や布具里の間にも時間の違いがあるかもしれない。

「……まさか!?」

そこに七原も気付いたようだ。
会話での明らかな食い違い、先ほどの年代、そして見たことのない大型の拳銃。
気付く余地はある、それでも鋭い部類の人間に入るだろう。
置いていかれた布具里と凡田は眉をひそめて難しい顔をする二人を眺めている。

「時代の違い……か?」

七原の声が海の家に響く。
あの亀田皇帝には時間を移動する手段がある。
それがどんな原理で起きているかはわからないが。


290 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 18:58:15 ID:ipsdB7Tk0
 

291 :時間移動か洗脳か ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 18:58:35 ID:4hgm3ldn0

「それってアレでやんすか?
 未来に行ったり過去に行ったりする漫画とかアニメでも使い古されたアイディアでやんすよね」
「……それ以外思いつかないんだよ」

口ではこう言うが、九条は七原と違いもう一つの可能性も頭にあった。
それは薬や機械を使った洗脳。
自分がモグラーズの選手で、自分が大正時代の人間であるように思い込むように洗脳された。
正直な話、これが一番現実的な考えだ。
だが、その場合も疑問点が数ある。
参加者全員を洗脳する必要はないとは言え、かなりの手間と時間と金がかかる。
そして何よりも洗脳することに必要性が感じられない。
時間移動の方は話の筋は通るのだ。
先ほどのテレポートも、あの巨大ロボも、全てが現代の技術ではない未来の技術だとすれば。
技術面では全てが納得できる。

「……今は情報を集める事が先決だな」

七原もそう簡単には納得できないらしく眉をひそめて九条と凡田に向かって向き直る。
その眼は真っ直ぐに二人を見ている。

「情報交換、といかないかい? ちょっと我威亜党には因縁が遭ってね。
 殺し合いに乗るつもりは毛頭もないからな」


    ◇    ◇    ◇    ◇


七原は値踏みするように九条と凡田を眺めていた。
どちらも身体を鍛えているようで体格はいい、少なくとも何時間も歩き回って倒れるようには見えない。
九条と言う男は話をした限り、頭は悪くない鋭いタイプの人間。
凡田は普通の一般人そのもので人殺しをしそうには見えない、気のいいタイプだろう。
仲間としては上等の部類に当たるだろう。

「我威亜党のことなんだが……時間が違うとすると知らないか?」
「ええ、全く」
「一言で表すと悪の組織ってやつだ、世界征服を目指してくるんだから。
 百貨店に強盗に入ったり怪しげな機械を作ったりと色々と悪事を働いていたんだ。
 そして、帝都に地震を起こした」
「大正の地震って……まさか、あの大震災が人為的に起こされたのか?」

九条が目を見開き呆然と呟く。
確かにあの自身での被害はパッと見ただけでも凄まじいものだった。
あれが人為的に行われたとはそう簡単には信じられないだろう。

292 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 19:00:53 ID:DUY1bwKTO
さるさんくらいました…orz仮投下いってきます

293 :代理:2008/09/08(月) 20:42:39 ID:LiaWqCY6O
「我威亜党はそのために動いていたんだよ。
帝都に地震を起こして、多くの人間を殺し、ある禍々しい姿の化物を召喚するためにね」
目を瞑ればあの姿が鮮明に思い出せる。この世のものとは思えない造形、恐竜をも超える力、いくら攻撃しても倒れない圧倒的な耐久。
あれを支配すれば確かに世界征服などたやすいだろう。
結局は飼い慣らす事など出来ずに文字通り潰されたが。
「でも、安心したよ。
『未来がある』ってことはあの化物は倒されたってことだろ?」
「聞いたこともないですね、情報工作か何かされたんでしょう」確かに無駄に恐怖を煽っても仕方がない。
ただの地震とした方が都合が良いのだろう。
そのことからも我威亜党が未来に伝わっていないのも納得がいった。
「それで、俺と仲間はその召喚された化物に殺された……はずだった」
「だけど気がつけばここにいた、ってことでやんすか?」
「ああ、傷も綺麗に塞がっている。こいつも未来の技術って奴かな」身体に痺れなども感じないし後遺症はない……ように思える。
不思議なものだと開いたり閉じたりしている手を見る。


294 :代理:2008/09/08(月) 20:44:48 ID:LiaWqCY6O
「ああ、我威亜党についてだけど幹部は俺の知ってる限り五人いる。
亀田皇帝、チバヤシ公爵、秋穂侯爵、あやか伯爵、寺岡子爵、チキン男爵。
どいつも癖のある連中ばかりだよ」
恐らくこの首輪は寺岡子爵の特製だろう。嬉々として殺しをするような人物ではないが、嬉々として兵器を作るような人物だ。
大方、気がついたら作っていたとかそんな理由だろう。
「……これも何かの儀式かもしれないな。
帝都の大地震もあの化物を呼び出すためのものだったから、可能性は高いと思う」
「規模が違うぜ、息子よ」
「そうだな、あの時は万単位、こっちは数十人だ」もちろん、数の問題ではないが。
しかし、儀式や生贄などでは大きなポイントとなるのも事実だろう。
「今のところ我威亜党が殺し合いを始めた目的はわからない。
だけど、世界征服という大きな目標に繋がるものは確実なはずだ」
あの化物を支配できなかった以上我威亜党にも多大な被害が出たはずだ。
ならば遊んでいる暇はない、これにも何かしらの意味がある。

295 :代理:2008/09/08(月) 20:47:41 ID:LiaWqCY6O
「仲間も大勢居たんだけど、こっちに連れてこられたかはわからないな」
「その人たちの名前を教えてもらってもいいかな?」
「ああ、今メモに書くよ。そっちの知り合いもよければが書いてくれるか?」「了解でやんす!」
九条と凡田も筆記用具を取り出してデイバックに入っていたメモ帳に名前をつらつらと書いている。
「こっちで知り合ったのは……?」
「……親父だけだ」
「ハハハ、そんなにへこむな息子よ。良いことだってきっとあるさ」
「俺は四路 智美って人に会いました」「四路 智美? 智美もいるのか!?」
七原の頭に浮かぶのは元スパイの頼りがいのある女の姿だ。
銃の腕前もたいしたものだし、何よりしたたかだ。
「多分人違いだよ、凡田くんの知り合いだから」
「……同姓同名か」
「俺と凡田くんの名前を出したら警戒は解いてくれるはずだ」カリカリと音を立ててメモに名前を書き込んでいく。
七原は書き終わると顔を上げてメモを渡す。
「信用は出来るやつらだよ、少し我の強いのが多いけど」
「オイラも出来たでやんす!」
「……一応信用は出来ますよ、少なくとも殺し合いに乗るような奴らじゃない」
「了解……って倉刈さんまで。同姓同名多いんだな」

296 :代理:2008/09/08(月) 20:51:54 ID:LiaWqCY6O
多くある名前ではないが珍しいというほどではない。
同姓同名がいるぐらいおかしくはないだろう。
「散々話してもらって申し訳ないけど、こっちには重要な情報がないんだ。
これから仲間を探そうとしたところでね」
「仲間、か」
「三回目の放送でホテルに集合でやんす」 第三放送ということは大体十数時間後。
時間がないわけではない、しかし遊んでいる時間はない。
「じゃあ早速動こうか」「あ、その前にスコップはないでやんすか?」
「スコップ?
知らないな、親父は……っておい、なにやってんだ」
「ん〜? いや、面倒くさい話してるからよ〜、ちょっとパンを食ってただけだよ」
「……スコップは?」
「見てないな〜、包丁とかそういうのもないから武器になりそうなのは取り上げられてると思うぜ?」布具里は相変わらず呑気だ。
三人は軽くため息をつき、話を続ける。
「一旦別れるか。山にも施設があるから見て回りたい。
二人と二人ならちょうどいいだろ」
「じゃあ俺と凡田くんで」
「え、一緒に行かないんでやんすか?」凡田が疑問の声を上げる。
確かに四人もいれば頼りになるだろう。
しかし、ここは冒険に出なければいけない。
「俺たちは先に街に向かっておく、こう見えても冒険家だからな荒事は専門さ。
そっちは先にホテルに行って綺麗にしておいてくれよ」


297 :代理:2008/09/08(月) 20:53:12 ID:LiaWqCY6O
七原は修羅場に慣れた自分と布具里が仲間集めをする場面だと判断した。道中で襲われる可能性や話しかけた相手が殺し合いに乗っている可能性だって高い。
危険冒すのはプロがやるべきだ。
「そうか……でも、俺たちも一応仲間を探しておく」
「死ぬなよー、命あっての物種だからな」
「『依頼』は完遂させるさ。
こう見えても達成率は100%、期待しといてくれよ」
布具里が手を振って海の家を出て行く。
これで方針は立った。
ホテルの見張りは九条たちに任せて七原たちは仲間を見つけて保護する。
「さて、親父。さっさと仕事終わらせて続きをやるか!」
まだ殺し合いを破壊する依頼は始まったばかりだ。

298 :代理:2008/09/08(月) 20:57:06 ID:LiaWqCY6O
【B-5/海の家/一日目/早朝】
【九条英雄@パワプロクンポケット9】
[状態]:健康、正義の味方としての決意[装備]:ギター
[参戦時期]:維織GOOD後からアルバムまでの間
[道具]:支給品一式、ロケット弾、スタングレネード、野球人形、大正編の仲間の名前が書かれたメモ
[思考・状況]
基本:参加者全員を助け出し、亀田を倒す
1:ホテルに向かいながら仲間を集める。
2:彼女(森友子)を埋葬したい。
[備考]
※七原と軽い情報交換をしました。
【凡田大介@パワプロクンポケット2】
[状態]:顔面に打撲
[装備]:無し[参戦時期]:本編終了後
[装備]:お守り
[道具]:支給品一式、鍵
[思考・状況]
基本:ガンダーロボを救出したい
1:ホテルに向かいながら仲間を集める。
2:基本人殺しはしたくない。
3:九条を信頼。
4:チームメイトにH亀田がいる
[備考]
※七原と情報交換をしました。

299 :代理:2008/09/08(月) 21:00:00 ID:LiaWqCY6O
【七原 正大@パワプロクンポケット7裏】
[状態]:健康
[参戦時期]:ほるひす戦敗北直後[装備]:地味な色のベスト、ニューナンブM60(6/6)
[道具]:支給品一式、Pカード、九条と凡田の知り合いの名前の書かれたメモ、予備弾(12/12)
[思考]
基本:亀田を倒す。
1:仲間を集めるために動き回る。
2:ほるひすに警戒心。
3:第三放送前にホテルPAWAへと向かう。
[備考]
※大正編のどの人物とどの程度面識があるか、メモに誰の名前が書かれたかは後の書き手に任せます。
※布具里から拳銃、ニューナンブM60を巻き上げました
【布具里@パワプロクンポケット7裏】
[状態]:健康[参戦時期]:不明
[装備]:特になし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品残り0〜1個(本人確認済み)、亀田幻妖斎の服(仮面付き)
[思考]
基本:正大に寄生して生きる。
1:仲間を集める。
2:第三放送前にホテルPAWAへと向かう。
[備考]
※確認済みの支給品の中に、衣服になるものは入っていません。

300 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 21:08:17 ID:LiaWqCY6O
代理投下終了です。

感想
そして投下乙

七原達は激戦区に行くか…。
生きて帰れるのか!?
そして九条達は隊長と同じ目的地か…。

これからが楽しみだ!

301 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 21:29:07 ID:2ocRjL7RO
この俺が投下を見逃しただとッ!?


何はともあれ投下&代理乙です
こんな状況でもギャンブルに興じる駄目親子にワロタwww
それなのに後半でまともそうな対主催になるように話が繋がってるのが面白い

頑張れ駄目親子!そして風来坊!と凡田!



余談ですが、代理の際にカタカナが全部半角になってるので、収録の際はしたらばからコピペした方が良さそうですね

302 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/08(月) 21:38:03 ID:dbWBDBaY0
GJです。
ダメ親子いいなぁ。殺し合いの最中、迷わずギャンブル始めるなと。
多少ボケつつも七と九はかなり頼りがいあるし、まともに立ち回ることが出来れば強力なチームだね。


一応気になった事は、七原が言っているほるひすの件だけど、
我威亜党が起こした地震は「ほるひす」を召喚するための物では無かったという点かな。
彼らは別の邪神を呼んだんだけど、その邪神は、何故か一緒に目覚めてしまったほるひすに食われたんだよね。
扱おうとする以前に、ほるひすは亀田や秋穂にとっても存在自体がイレギュラーだった。
何か重箱の隅をつつくような指摘で、気を悪くしたら本当に申し訳ない。

我威亜党が化物を召喚しようと地震を起こし、
結果として扱いきれない化物が召喚されたということに変わりは無いわけだから、
それに関する会話や語りも九分九厘問題ないと思うんだけどね。「アレを呼ぶつもりは無かった」というだけで。

303 : ◆7WJp/yel/Y :2008/09/08(月) 21:52:23 ID:DUY1bwKTO
代理投下ありがとうございます
携帯からですが感謝の言葉を


確かに未把握の人が読むと勘違いしてしまいそうですね……
了解しました、収録の際にその点を地の文で補完しておきます


304 :ゲーム好き名無しさん:2008/09/09(火) 07:55:02 ID:CIEuOSo1O
投下乙です。
なんというだめ親子、だがそれがいいw
やるときはやる親子格好良いよ親子


一つ突っ込むなら、親父の道具欄にある亀田幻妖斎の服は、装備欄に移動すべきって事ですかね
華麗に省略された着替えイベントに泣いたww

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