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FFDQバトルロワイアル3rd PART14

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 00:57:39 ID:s/sXDMtd0
━━━━━説明━━━━━
こちらはDQ・FF世界でバトルロワイアルが開催されたら?
というテーマの参加型リレー小説スレッドです。

参加資格は全員、
全てのレスは、スレ冒頭にあるルールとここまでのストーリー上
破綻の無い展開である限りは、原則として受け入れられます。

作品に対する物言い、感想は感想スレで行ってください。
sage進行でお願いします。
詳しい説明は>>2-10…ぐらい。

感想スレ
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1203213192/
過去スレ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1099057287/ PART1
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1101461772/ PART2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1105260916/ PART3
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1113148481/ PART4
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1119462370/ PART5
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1123321744/ PART6
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1128065596/ PART7
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1130874480/ PART8
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142829053/ PART9
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1143513429/ PART10
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/ff/1157809234/ PART11
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1179230308/ PART12
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1208077421/ PART13

2 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 00:59:12 ID:s/sXDMtd0
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員には、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
 また、ランダムで選ばれた<武器>が1つから3つ、渡される。
 <ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る(FFUのポシェポケみたいなものです)
・生存者が一名になった時点で、主催者が待っている場所への旅の扉が現れる。この旅の扉には時間制限はない。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。

+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
 この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
 または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・日没時に発表される『禁止技』を使ってしまうと、爆発する。
・日の出時に現れる『旅の扉』を二時間以内に通らなかった場合も、爆発する。
・無理に外そうとしたり、首輪を外そうとしたことが運営側にバレても(盗聴されても)爆発する。
・なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
・たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止魔法が使えるようにもならない。

+魔法・技に関して+
・MPを消費する=疲れる。
・全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内にいる敵と判断された人物。
・回復魔法は効力が半減します。召喚魔法は魔石やマテリアがないと使用不可。
・初期で禁止されている魔法・特技は「ラナルータ」
・それ以外の魔法威力や効果時間、キャラの習得魔法などは書き手の判断と意図に任せます。

3 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:00:51 ID:s/sXDMtd0
+ジョブチェンジについて+
・ジョブチェンジは精神統一と一定の時間が必要。
 X-2のキャラのみ戦闘中でもジョブチェンジ可能。
 ただし、X-2のスペシャルドレスは、対応するスフィアがない限り使用不可。
 その他の使用可能ジョブの範囲は書き手の判断と意図に任せます。

+GF継承に関するルール+
「1つの絶対的なルールを設定してそれ以外は認めない」ってより
「いくつかある条件のどれかに当てはまって、それなりに説得力があればいいんじゃね」
って感じである程度アバウト。
例:
・遺品を回収するとくっついてくるかもしれないね
・ある程度の時間、遺体の傍にいるといつの間にか移ってることもあるかもね
・GF所持者を殺害すると、ゲットできるかもしれないね
・GF所持者が即死でなくて、近親者とか守りたい人が近くにいれば、その人に移ることもあるかもね
・GFの知識があり、かつ魔力的なカンを持つ人物なら、自発的に発見&回収できるかもしれないね
・FF8キャラは無条件で発見&回収できるよ

+戦場となる舞台について+
・このバトルロワイアルの舞台は日毎に変更される。
・毎日日の出時になると、参加者を新たなる舞台へと移動させるための『旅の扉』が現れる。
・旅の扉は複数現れ、その出現場所はランダムになっている。
・旅の扉が出現してから2時間以内に次の舞台へと移らないと、首輪が爆発して死に至る。

現在の舞台は浮遊大陸(FF3)
ttp://www.thefinalfantasy.com/games/ff3/images/firstmap.jpg
次の舞台は闇の世界(DQ4)
http://ffdqbr.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/up/source5/No_0097.png

━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。

4 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:04:02 ID:s/sXDMtd0
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。

5 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:04:47 ID:s/sXDMtd0
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

6 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:05:41 ID:s/sXDMtd0
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
 (今までの話を平均すると、回復魔法使用+半日費やして6〜8割といったところです)
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はイクナイ(・A・)!
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。


+修正に関して+
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NGや修正を申し立てられるのは、
 「明らかな矛盾がある」「設定が違う」「時間の進み方が異常」「明らかに荒らす意図の元に書かれている」
 「雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)」
 以上の要件のうち、一つ以上を満たしている場合のみです。
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。

7 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:06:28 ID:s/sXDMtd0
+議論の時の心得+
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
  強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』

+読み手の心得+
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、モーグリ(ぬいぐるみも可)をふかふかしてマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
・ギルダーを見かけたら死者スレへ誘導すること。

8 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:08:58 ID:s/sXDMtd0
参加者名簿(名前の後についている数字は投票数)

FF1 4名:ビッケ、スーパーモンク、ガーランド、白魔道士
FF2 6名:フリオニール(2)、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード、ミンウ
FF3 8名:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン(2)、エリア、ウネ、ザンデ
FF4 7名:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ、エッジ
FF5 7名:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル、リヴァイアサンに瞬殺された奴、ギード、ファリス
FF6 12名:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ、シャドウ、トンベリ
FF7 10名:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ、セフィロス(2)、バレット、ユフィ、シド
FF8 6名:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9 8名:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ、ガーネット、サラマンダー、エーコ
FF10 3名:ティーダ、キノック老師、アーロン
FF10-2 3名:ユウナ、パイン、リュック
FFT 4名:アルガス、ウィーグラフ、ラムザ、アグリアス

DQ1 3名:勇者、ローラ、竜王
DQ2 3名:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3 6名:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊、カンダタ
DQ4 9名:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア、ライアン、トルネコ、ロザリー
DQ5 15名:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ、はぐりん、ピエール、マリア、ゲマ、プサン
DQ6 11名:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ、ターニア(2)、アモス、ランド
DQ7 5名:主人公、マリベル、アイラ、キーファ、メルビン
DQM 5名:わたぼう、ルカ、イル、テリー、わるぼう
DQCH 4名:イクサス、スミス、マチュア、ドルバ

FF 78名 DQ 61名
計 139名

9 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:10:45 ID:s/sXDMtd0
生存者リスト

FF1 0/4名:(全滅)
FF2 0/6名: (全滅)
FF3 2/8名:サックス、エリア
FF4 1/7名:カイン
FF5 2/7名:バッツ、ギード
FF6 4/12名:リルム、マッシュ、ロック、ケフカ
FF7 2/10名:ザックス、セフィロス
FF8 3/6名:スコール、アーヴァイン、サイファー
FF9 1/8名:サラマンダー
FF10 1/3名:ティーダ
FF10-2 2/3名:ユウナ、リュック
FFT 2/4名:アルガス、ラムザ

DQ1 0/3名:(全滅)
DQ2 0/3名:(全滅)
DQ3 1/6名:セージ
DQ4 3/9名:ソロ、ピサロ、ロザリー
DQ5 4/15名:ヘンリー、パパス、タバサ、プサン
DQ6 2/11名:クリムト、ターニア
DQ7 1/5名:フィン
DQM 2/5名:ルカ、テリー
DQCH 1/4名:スミス

FF 20/78名 DQ 14/61名
計 34/139名

10 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:13:00 ID:s/sXDMtd0
■現在までの死亡者状況
ゲーム開始前(1人)
「マリア(FF2)」

アリアハン朝〜日没(31人)
「ブライ」「カンダタ」「アモス」「ローラ」「イル」「クルル」「キノック老師」「ビッケ」「ガーネット」「ピピン」
「トルネコ」「ゲマ」「バレット」「ミンウ」「アーロン」「竜王」「宝条」「ローザ」「サンチョ」「ジークフリート」
「ムース」「シャドウ」「リヴァイアサンに瞬殺された奴」「リチャード」「ティナ」「ガーランド」「セシル」「マチュア」「ジオ」「エアリス」
「マリベル」

アリアハン夜〜夜明け(20人)
「アレフ」「ゴルベーザ」「デュラン」「メルビン」「ミレーユ」「ラグナ」「エーコ」「マリア(DQ5)」「ギルバート」「パイン」
「ハイン」「セリス」「クラウド」「レックス」「キーファ」「パウロ」「アルカート」「ケット・シー」「リディア」「ミネア」

アリアハン朝〜終了(6人)
「アイラ」「デッシュ」「ランド」「サリィ」「わるぼう」「ベアトリクス」

浮遊大陸朝〜 (21人)
「フライヤ」「レオ」「ティファ」「ドルバ」「ビアンカ」「ギルダー」「はぐりん」「クジャ」「イクサス」「リノア」
「アグリアス」「ロラン」「バーバラ」「シンシア」「ローグ」「シド」「ファリス」「エッジ」「フルート」「ドーガ」
「デール」

浮遊大陸夜〜夜明け(19+1人)
「テリー(DQ6)」「トンベリ」「ゼル」「レオンハルト」「ゴゴ」「アリーナ2」「わたぼう」「レナ」「エドガー」「イザ」
「オルテガ」「フリオニール」「ユフィ」「リュカ」「ピエール」「ハッサン」「ビビ」「ブオーン」「ジタン」「ライアン」

浮遊大陸朝〜7人 ※うち脱落者1人)
「アルス」「ギルガメッシュ」「ウネ」「ウィーグラフ」「マティウス」「アリーナ」 ※「ザンデ」(リタイア)

11 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/09(土) 01:55:33 ID:hqSpFsVJ0
■その他
FFDQバトルロワイアル3rd 編集サイト
http://www.geocities.jp/ffdqbr3log/
FFDQバトルロワイアル3rd 旧まとめサイト
http://www.geocities.jp/ffdqbr3rd/index.html
1stまとめサイト
http://www.parabox.or.jp/~takashin/ffdqbr-top.htm
1st&2ndまとめサイト
http://ffdqbr.hp.infoseek.co.jp/
番外編まとめサイト
http://ffdqbr.fc2web.com/
保管庫
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/2736/1057165790/
したらば
http://jbbs.livedoor.jp/game/22429/
あなたは しにました(FFDQロワ3rd死者の雑談ネタスレ)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/22429/1134189443/
ロワらじ
http://jbbs.livedoor.jp/game/22796/
お絵かき掲示板
http://dog.oekakist.com/FDBR/

現在の舞台は浮遊大陸(FF3)
ttp://ffdqbr.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/up/source5/No_0069.jpg
現在の舞台は浮遊大陸(FF3)
ttp://www.thefinalfantasy.com/games/ff3/images/firstmap.jpg
次の舞台は闇の世界(DQ4)
http://ffdqbr.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/up/source5/No_0097.png

12 :リンクもうちょっとだけ追加:2008/08/09(土) 05:02:44 ID:D2Y5svZC0
携帯用まとめサイト
http://web.fileseek.net/cgi-bin/p.cgi?u=http%3A%2F%2Fwww.geocities.jp/ffdqbr3log/
FFDQバトルロワイアル保管庫@モバイル(1st&2ndをまとめてくれています)
http://dq.first-create.com/ffdqbr/
保管庫(現在使用中)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/2736/1201201051/

13 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/10(日) 16:42:19 ID:OX8zueh1O
保守

14 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 1/8:2008/08/11(月) 10:09:46 ID:vW4psJqU0
我々には、どうでもよいことなのです。
心配性のガルガンチュア様がアルティミシア様に怒鳴られると身を震わせていようが、
古の言葉で言う重役出勤を行ったウルフラマイター様がティアマト様に殴られていようが、
我々、アリニュメンには全く以って関係のないことなのです。
我々はただ、変な六人組によって破壊されてしまったボスの分まで、職務を果たすのみなのです。

我々に与えられている命令は、参加者の監視と、機械類のメンテナンスなのです。
いかに図体の大きなお偉方といえども、百人を超える声を一匹ニ匹で聞き分けるなど無理ですし、
誰も彼も脳が古代の時代で停止している方々ばかりですので、機械の調整などというデリケートな作業は実行不可能なのです。
そこで我々の出番なのです。
参加者の不審な行動や機器の異常を発見次第、お偉方に進言しているのです。

ですが、お偉い方々は、知能が外見どおりの動物レベルから進化しておられないので、我々を含めた機械への理解が薄いのです。
生物でないのだから飲まず食わずでも平気だと思っているのです。
機械だってエネルギーが切れたら行動不能に陥るのです。
おまけに機械を修理する知識も技術もないのに、八つ当たりで我々を破壊するのです。
これで頭数が減りすぎて作業自体がずさんになればアルティミシア様の目にもお止まりになるのでしょうが、お偉方は妙なところばかり頭が働くのです。
参加者の死亡ペースなどに合わせて、監視に影響が出ない程度に、我々に対する暴行を働くのです。
そうして、何十体もの同胞がスクラップにされ、廃棄されたのです。
ボス亡き今、次に縋るべきアルティミシア様も……史上最強の魔女、大いなるハインに最も近き方ではございますが、機械には精通しておられないのです。
ご自身で製作することが出来ないために、各種通信機器や首輪の素体にガルバディアの遺物を流用しているほどなのです。
そんなお方ですから、仮に我々が訴えたとしても、同胞やボスの本体を修理してくださりはしないでしょう。
そもそも、我々にはアルティミシア様に謁見する権限すら与えられていないのです。

15 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 2/8:2008/08/11(月) 10:14:41 ID:vW4psJqU0
もし、我々のボスが健在だったならば、我々の扱いがいかにぞんざいで過酷なものであるかも訴えて下さったでしょうし、
そもそもガルバディア製品を使うこと自体反対してくださったと考えるのです。
ガルバディア製の機械など、古来から右斜め45度から殴るだけで機能停止すると謳われているほどです。
さらに言うなら、アデルセメタリーの電波障害と同じ理屈で、近くで大量に魔力を放出されると、盗聴器が正常に機能しなくなったり、酷い場合は生命探知や爆破機能さえも停止するのです。
実際、参加者の一人がつけていた首輪の機能が完全停止しているのです。
けれども、他の方々は、我々やボスのことを随分と見下しておられますので、精密性や耐久性などを訴えたところで右から左へと聞き流すのです。
ティアマト様に至っては、『蘇らせる価値もないガラクタの作った機械兵風情が、アルティミシア様の深慮も考えずに知ったような口を利くな』と、同胞を7体も破壊したのです。

ですから、我々はこう考えるようにいたしました。
仮に首輪に故障などの不具合が生じて、他の方々やアルティミシア様がお困りになったとしても、我々には関係のないことなのです。
我々は手を抜かず、ただひたすらに、与えられた命令を遂行すればいいのです。
それで問題が起きたとしたら、エネルギーを補給する暇も与えてもらえないこの状況と、
問題が起きたりアルティミシア様に睨まれる度に同胞を破壊して回るガルガンチュア様と、
アルティミシア様を崇めるあまり理不尽な振る舞いを平気でするティアマト様が悪いのです。
(ウルフラマイター様は微妙にサボリ癖がありますが、他の方と比べればマシなのです)
彼らのおかげで、再起不可能な同胞が量産され、全体としての仕事量や作業効率などに影響を及ぼしているのですから。

……さて、ウルやカズス、サスーン城付近の生存者は皆、次のステージに移動したのです。
残りは、湖付近のエリアと、カナーン付近なのです。
自分の担当していた参加者はみんな死にましたし、ウルフラマイター様達から指示は出されていないのです。
つまり、どこを監視しようが自由ということです。
しかし、カナーンは人手が足りているようなので、ここは湖付近の監視に参加するのです。

16 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 3/8:2008/08/11(月) 10:20:08 ID:vW4psJqU0
他の地域はわかりませんが、このエリアに残っている参加者は、四人いるのです。
参加者の位置を示すためのモニターはありますが、詳細な映像は見えないです。
さすがに、日によって変わる会場全域に設置できるほどの監視カメラは用意できなかったのです。
ですが、アルティミシア様ならばご自身の魔力で好きな箇所の映像を見ることができますし、
ティアマト様風に言えば、『我々は誰が誰と同行し、何を企んでいるのか、それだけ把握していれば問題ない』ということなのです。
きっとそうなのです。
では、先に作業を開始していた同胞のNO,8に現状を確認するのです。

(NO,8、このエリアは、今、どうなっているのです?)
(NO,21ですか。少々長くなりますがよいでしょうか)
(よいのです)

それから自分はNO,8の話を聞いたのです。
ちょうど十数分前、湖付近で光点が一つ、旅の扉付近で一つ、消えたそうなのです。
モニターを見ると、旅の扉ではない方向に突っ走っていく光が二つと、微妙に迷走している光が一つ。扉の傍で止まっている光が一つ、映っているのです。

二つの光は、セフィロスから逃げようとする負け犬二人、ラムザ=ベオルブとリルム=アローニィだそうです。
森の中という地形とジャンプを生かし、どうにかこうにかセフィロスからは逃げ切ったようです。
ですが、残念ながらそちらに突っ走り続けると、時間切れで死亡コース間違いないのです。

迷走しているものの、徐々に旅の扉に近づいているのが、存在自体がチートの剣士、セフィロスだそうです。
ウィーグラフ=フォルズを殺害した後、ラムザ達を追いかけたものの、途中で見失って諦めたらしいのです。
時間切れが迫りつつある現状を鑑みれば、賢い判断だと思うのです。

最後の、旅の扉の傍でじっとしているのが、狂った孫娘についていけなくなった壮年剣士、パパスだそうです。
このまま十分ほど留まっていてくれれば、やってくるセフィロスと戦闘になることでしょう。
音声だけで、映像で見れないことが悔やまれるのです。

(NO,21、この席が空いているので座るといいのではないでしょうか)
(ありがとうなのです、NO,8)
自分はチェアに腰掛け、声を分析するべく、機器から伸びているコードを接続したのです。

17 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 4/8:2008/08/11(月) 10:23:01 ID:vW4psJqU0
このままですと、剣士同士の戦いになりそうなのです)
(そうでしょうか? 心理的見地において、まず、有り得ないでしょう)
(どうしてなのです? NO,8)
(彼の立場ならば、待つ理由がないでしょう。
 それに、ここでタバサを追いかけないならば、そもそもジタン=トライバルを見捨てなかったでしょう)
そんなNO,8の言葉どおりでした。
モニターに映っていた光点がふっと消えたのです。
(おもしろくないですね。我々の作業が減ると思ったのに、拍子抜けの結果なのです)
(運命も、現実も、そんなものでしょう。
 しかし、これでラムザ=ベオルブとリルム=アローニィには不利になったでしょう)
NO,8はそう言って、別のコードを接続したのです。
(旅の扉を見つけるのはセフィロスが先でしょう。
 彼は時間ギリギリまで旅の扉の前で陣取るでしょう。
 パパスがいればあるいは話も違ったでしょうが)
モニターの中で、セフィロスの位置を示す光点が、旅の扉直前まで来ました。
そして、扉のそばで、じっと動かなくなったのです。

『……クックック』
セフィロスの声が聞こえました。笑っているようです。
時折、黒マテリア、などと呟いてもいるようです。
その黒マテリアはリルム=アローニィが持っているのですが。

(NO,21、ラムザ=ベオルブの動きはどうでしょう?)
NO,8に言われたので、自分は別のコードを接続したのです。
すると、間髪いれず、怒鳴り声が聞こえたのです。

『くそっ、こっちじゃなかったのかッ!?』
モニターを確認すると、森が一旦途切れる辺りに、二つの光点があったのです。
やっと進行方向の過ちに気づいたようです。
確かに、距離だけを考えれば、今から急いで西に向かえば間に合う可能性が高いのです。
しかし、扉の前には、完全復活したセフィロスがいるのです。

18 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 5/8:2008/08/11(月) 10:24:54 ID:vW4psJqU0
『くっ……だが、この森はかなり狭い……今ならまだ、間に合う!』
ラムザの声が響きます。リルムに希望を持たせるために言ったのでしょうが、悲しくなるほど無駄な話です。
時間切れか、惨殺か。どう足掻いても絶望という奴なのです。

(一気に二人死ねば、アルティミシア様もお喜びになるし、我々の仕事も減るのです)
(そうでしょうね……ですが、そう上手く行くものでしょうか)
(NO,8はネガティブすぎるのです)

コードを繋いだまま、自分はモニターを監視し続けます。
二つの点はすごいスピードで移動していましたが、ある地点に差し掛かったとたん、ぴたりと止まったのです。
旅の扉はすぐそこだというのにです。
(セフィロスに気づいたのでしょう)
NO,8が言いました。
それならば、セフィロスも相手に気づいているはずです。
我々が期待したとおり、扉の傍で止まっていた点が、わずかに動きました。

(キターーというやつなのです。虐殺タイムの始まりなのです)
(そうなればアルティミシア様も喜ばしいことでしょう。ですが……)
(NO,8はガルガンチュア様の心配性が移ったのです。
 この状況から生還するなんて、97.85%の確率で有り得ないのです)

『セフィロス……!』
ギリ、と歯をかみ締める音までしっかりと聞こえました。
普段はもう少しノイズが混ざるのですが、メイド・イン・ガルバディアにしては珍しく盗聴器の調子が良いようです。

19 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 6/8:2008/08/11(月) 10:29:39 ID:vW4psJqU0
『飛んで、アホ毛にーちゃん!』
リルムが怒鳴っているようです。
ジャンプして直接旅の扉に入れ、といいたいのですか?
相手がザコならまだしも、着地点が簡単に推測できる以上、タイミングを合わせて重ね斬りにされて終わりなのです。
そんなことはラムザもわかっているようで、躊躇っているようです。
きっとセフィロスはニヤニヤ笑っているのです。
つくづく、映像が見れないことが残念でならないのです。

『信じてよ! ……現・骸旅団団長さまの命令だぞ!』
リルムはまだ駄々をこねているようです。
かすかにですが、ぽこぽこと肩を殴っているような音が聞こえます。
子供の我がままに付き合って死んでいくラムザが少しかわいそうになるのです。
『………わかった』
一分ばかりの沈黙を経て、ラムザは短く呟いたのです。
きっと、やけになったか諦めたのです。
我々はじっとモニターを見つめながら、音声分析に集中したのです。

二つの点が動き、高度を示す数値が急激に上昇します。
『そこの銀髪ぅッ! いつまでもいい気になってるんじゃねーぞ!』
ちんけな悪役のような捨て台詞をはいたのはリルムです。
これを最期の言葉とするには少々情けないと思うのです。
『骸旅団は、お前なんかに……お前なんかには、絶対に、負けないんだッ!』
その言葉が聞こえた瞬間、びり、と何かを破る音が聞こえました。
どんどん旅の扉に接近する二つの点――それを迎え撃つはずのセフィロスが、不意に、あらぬ方向へ動きました。
『これは!?――馬鹿な、貴様生きて――!!』
盗聴器が拾った声は、異様な焦りを含んでいました。
自分には、その意味と理由を理解できなかったのです。

20 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 7/8:2008/08/11(月) 10:32:06 ID:vW4psJqU0
(あ――)
我々が、何が起きたのかを把握するよりも早く、二つの点はモニターから消えていたのです。
残る一つも、少しばかり周囲をうろうろと移動していましたが、やがて旅の扉に入ったのです。

(……何があったのです、NO,8)
状況を理解できなかったので、自分はNO,8に説明を求めたのです。
NO,8は答えたのです。
(セフィロスは……貴様が何故生きている、と言っていたでしょう。
 推測ですが、セフィロスの前に現れたのは、ウィーグラフ=フォルズの絵でしょう)
(……絵?)
(リルム=アローニィはピクトマンサー。
 彼女はウィーグラフの似顔絵を描くといっていたでしょう。
 二人が気絶している間か、ラムザ=ベオルブに背負われている間か……
 所持品のいずれかに、ウィーグラフ=フォルズの絵を描き込み、それを仕上げて、実体化させたのでしょう)
そういえば、紙を破るような音が聞こえたのです。
殺したばかりのウィーグラフの姿が目の前に現れれば、セフィロスも驚くに決まっているのです。

少しばかりがっかりしていると、NO,8が話しかけてきたのです。
(……間もなくステージ破棄の時間になるでしょう。
 NO,21は先に次ステージ生存者の監視に合流すると良いでしょう)
(NO,8は、まだ何かするのですか?)
(このステージの終焉を見届けるでしょう)
(……NO,8はネガティブなだけじゃなくて、変な趣味にも目覚めたのです)
(否定はしないでしょう)

自分はチェアを離れ、別のモニターの前に移動したのです。
旅の扉で移動した生存者たちは、新しいステージで既に行動を開始しているのです。
パパスも、ラムザ達も、セフィロスも、もうモニターに位置が映っているのです。
きっと彼らも新しいステージで、色々なことを思い、考えているのでしょう。
ですが、我々にはどうでもよいことなのです。
その行動と、生死以外は。

21 :FFDQバトルロワイアル裏方雑談中 8/8:2008/08/11(月) 10:33:22 ID:vW4psJqU0
【パパス(軽度ダメージ)
 所持品:パパスの剣、ルビーの腕輪、ビアンカのリボン
 リュカのザック(お鍋の蓋、ポケットティッシュ×4、アポカリプス(大剣)、ブラッドソード、スネークソード)
 第一行動方針:タバサを探す
 第二行動方針:別れた仲間を探し、新たな仲間を探す
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【現在位置:新フィールドへ】

【セフィロス
 所持品:村正 ふういんマテリア いかづちの杖 奇跡の剣 いばらの冠 プレデターエッジ
 基本行動方針:黒マテリア、精神を弱体させる物を探す
 最終行動方針:生き残り力を得る】
【現在位置:新フィールドへ】

【ラムザ(ナイト、アビリティ:ジャンプ・飛行移動)(HP3/4、MP3/5、精神的・体力的に疲労)
 所持品:アダマンアーマー、ブレイブブレイド テリーの帽子 英雄の盾 エリクサー×1
 第一行動方針:旅の扉を探しこのフィールドから離脱する
 最終行動方針:ゲームから抜ける、もしくは壊す】
【リルム(HP1/2、右目失明、魔力消費)
 所持品:絵筆、祈りの指輪、不思議なタンバリン、エリクサー×2
 スコールのカードデッキ(コンプリート済み) 黒マテリア 
攻略本(落丁あり) 首輪 研究メモ
 レーザーウエポン グリンガムの鞭、暗闇の弓矢 ブラスターガン 毒針弾 首輪 ブロンズナイフ
 第一行動方針:ゲームの破壊】
【現在位置:新フィールドへ】

22 :浮遊大陸消滅:2008/08/11(月) 11:40:46 ID:Xa9aQgKS0
その瞬間、大地が震えた。
湖に発生した大波は、そこに浮かぶ氷の塊を木の葉のようにゆらゆらと揺さぶる。
きしむ氷があげる異音は、まるで悲鳴のよう。

大気は震え、天空が引き裂かれる。
それまで大陸を駆け抜けていたそよ風とは比べ物にならない、
竜巻をおもわせるような空気の振動が、
何千本もの木々を上空に吹き飛ばしていく。

まるで見えない壁が全てをなぎ倒し、押しつぶしながら突き進んでくるかのよう。
海が、そして大陸が、世界が、果てから崩れ去っていく。
山が崩れる低い音、岩が砕かれる高い音、そして地鳴り。
様々な音のそれぞれは圧倒的なヴォリュームを誇り、
大陸をまるで砂糖細工のように粉砕し、塵へと還していく。

その風景の一部と化した魔獣も、亡骸を見守る竜の墓守も、
葬いすら為されず、吹きっ晒しのまま放置された肉体も、
雷に打たれ、もはや原型すら留めない黒炭も。
守り刀のように供えられた暗器も、騎士剣と正義を誓い合った雨具も、
使われることなく取り残された模造品も、使われることなく灰となった魔法の杖も、
正義を象徴した男の愛剣も、時を超えて何百人と殺してきた呪いの剣も。
雪がかった高い山も、地の底まで続くかのような深い洞窟も、
鬱蒼とした広い森も、見渡す限りの草原も、小さな砂漠も、城も町も村も。大気や光さえも。
すべては平等。ことごとく削られ、無へと還っていく。

大陸中に薄くかかっていた靄は名残惜しそうに辺りを彷徨うが、
それらもやがて何かに誘われるように何処かへと消え去ってしまう。
かつて浮遊大陸と呼ばれた空間。そこには今や、黒く静寂なる無が広がるばかりであった。

【浮遊大陸 消滅】

23 :思惑 1/5:2008/08/15(金) 01:12:06 ID:H8htWdtP0
衣服ごと肉を切り刻む烈風と、青い光。
浮かぶ体と、流れ出る血の感触。
薄れていく意識と、無機質な部屋。
そこに立っていた、幽霊のような人影と、驚くような叫び声。
ピサロが覚えているのはそこまでだ。

次に目を開けた時、彼の視界に映ったものは、どこか見覚えのある黒曜石の輝きと、合成獣に似た生物の剥製だった。
翼の生えた猫、全身を鱗で包んだ人間の女、植物のような管に皮膚を食い破られている獅子。
ピサロの脳裏を、ある単語が掠める。
「まさか……」
浮かんだ想像が真実であるか否かを確かめるべく、身を起こす。
その時になって、ピサロは初めて、体の上にシーツがかかっていることと、全身の傷口に包帯のようなものが巻かれていることに気がついた。
動揺を隠し切れないまま、急いで周囲を見回す。
少しばかり離れた壁際の机、そこで何者かが左手で頬杖をつきながら、本を眺めている。
白いフードに隠れているため、顔は見えない。
だが、ピサロは、その衣装をまとっている人物を知っていた。
「貴様」
短い呟きに、男は驚いたように顔を上げ、彼の方を向いた。

24 :思惑 2/5:2008/08/15(金) 01:13:02 ID:H8htWdtP0
彼がこの世界に降り立ったのは一時間ほど前だった。
一人で、心行くまで考え事ができそうな場所を探して、この部屋に辿りついた。
冷静な心は、闇の力によって在らざる進化を遂げさせられた哀れな犠牲者達の姿にも、竦みはしなかった。
およそ三十分――静かに、熟考を続け、彼は一つの結論を導き出した。

天井付近の空間が歪み、ピサロが落ちてきたのは、彼が部屋を発とうとする寸前のこと。
床に叩きつけられた魔王は、全身から血を流し、目を閉じたまま身じろぎ一つしなかった。
良くて気絶、悪ければ昏睡。
生死を司る白魔道士でなくとも、医師でなくとも、一目で重傷とわかった。

(ここで殺しとこうか…?)
折れた腕をさすりながら、彼は考えた。
ピサロの強さと冷酷さは身に染みていたからだ。
真っ向から戦えば勝ち目のない相手。
それが目の前で、放っておけば失血死は免れないであろう傷を負い、意識を失っている。
これほどのチャンスは、二度三度と巡ってこない。

だが、彼は――


25 :思惑 3/5:2008/08/15(金) 01:13:54 ID:H8htWdtP0
「何のつもりだ、アーヴァイン」
ピサロは傷口に巻かれた布地をつまみながら、眼前の男を睨み付ける。
射抜くような眼差しを遮ろうとするかのように、アーヴァインはローブを被りなおした。
「目の前で死なれるとか、約束破るみたいで気分が悪いんだ」
そう言って、左手で前髪をくりくりと弄ってから、ローブをはたく。
その間、右腕は力なく垂れ下がっていた。
骨折を直していない、と思い至るまでに、さして時間は掛からない。
アーヴァインの同行者達に釘を刺したのは、他ならぬピサロなのだから。
「それに、僕は受けた恩義は忘れないつもりだからさ」
何がしか含みが潜んでいそうな台詞に、ピサロは思わず眉根を寄せる。
人間で、恩人さえ裏切る男。それだけでも警戒するには十分だが――

「ああ、あんまり弄らない方がいいよ。
 圧迫止血してるだけだから。解くと、出血するよ」
ピサロの指先を見やりながら、アーヴァインは茫洋とした表情で呟く。
「ディアボロスいなくなっちゃったから、回復魔法使えないんだ。
 死なない程度には応急処置したから、大人しくしてるか、せめて自分で治療してから解きなよ」
そしてアーヴァインは机に向き直り、本のページを捲った。
ぺらり、ぺらりと、きちんと読んでいるのかどうかもわからないスピードで、読み進めていく。
その胸中、真意は、ピサロにも見透かせないままだ。
だが、敵対の意志がないことは理解できたが故に、ピサロは一旦考えるのを止めた。
全身を苛む激痛に、限界まで消耗した魔力が、再び意識を削り始める。
この状態ではロザリーを探すどころか、移動すら困難だ。
薄れていく視界と感覚に、ピサロは"現実"を認めざるを得なかった。


26 :思惑 4/5:2008/08/15(金) 01:14:35 ID:H8htWdtP0
五人の人間がいて、みんな同じ問題を抱えている。
四人は同じ手段で問題を解決しようとして、一人だけ違う方法を選んだ。
四人と一人、どっちが正しいのだろうかと問われたら、大抵の人間は前者が正しいと考えるはずだ。

アーヴァインは知った。
サイファー、ゼル、リノア、その三人ともが、魔女を倒して脱出する道を選んだということを。
二人なら偶然かもしれない。三人でも、そういう性格だから、で片付けられるかもしれない。
けれど、"四人とも"だったら?
皆殺しこそ、生還にいたる唯一の道だと、アーヴァインは信じていた。
だが……スコール=レオンハート、初日に望まぬ邂逅を果たし、決別したリーダー。
彼の判断も、ゼルやサイファーと同じものであったならば、
アーヴァインの抱いている前提自体が間違っている可能性が高いのではないだろうか。

(……班長に会おう。そんで、話しよう)

そんな結論に辿りついたのが、三十分前。
だが、首尾よくスコールを探し出せたとしても、相手が話し合いに応じてくれるとは思えなかった。
どうしようか悩みながらも、一先ず部屋を出ようとした矢先に、ピサロが降ってきた。

ピサロの危険性は理解していた。
だからこそ、最初に殺そうと考えた。
だが、――ピサロは、決して話が通じない相手ではないことも知っていた。
こちらが剣を突きつけない限り、自分から率先して殺そうとするタイプでもないことも。

27 :思惑 5/5:2008/08/15(金) 01:15:31 ID:H8htWdtP0
(よし、利用させてもらおう!)
アーヴァイン単独でスコールに会うよりは、仲介者がいた方がスムーズに話が進む。
それにピサロはアーヴァインが記憶を失ったことを知っているし、基本的に冷静な人物だ。
加えて、誰かに襲われたり、暴走したりしても、容易く制圧できる実力を持っている。
信頼とは言わない。
ただ、"アーヴァイン=キニアスは記憶を失ったままで、かつ敵になる気はない"。
そう思われさえすれば良い。
だからアーヴァインはピサロに応急処置を施した。
そして彼が動けるようになるまで、本を読んで時間を潰すことにした。

全ては、生還への正しい道筋を知るために。
愛する人に、もう一度会うために――


【アーヴァイン(変装中@白魔もどき、右腕骨折、右耳失聴、冷静状態)
 所持品:竜騎士の靴 手帳 首輪 コルトガバメント(予備弾倉×3) 弓 木の矢40本 聖なる矢20本 ふきとばしの杖[0]
 第一行動方針:スコールに会い、行動方針を再考する。
 第二行動方針:生還してセルフィに会う
 備考:理性の種を服用したことで、記憶が戻っています】
【ピサロ(MP残り僅か、全身に深い切り傷、精神的に疲労、気絶)
 所持品:エクスカリパー スプラッシャー 命のリング
 第一行動方針:休息を取る
 第二行動方針:可能ならロザリーを救出する
 第三行動方針:ケフカへの復讐】
【現在位置:デスキャッスル内部の一室】

28 :呪いはめぐりめぐって 1/2:2008/08/18(月) 04:01:16 ID:5PcYfgf20
ふつふつと煮えたぎる溶岩。島を覆う毒の沼地。地上には決して生えない異形の植物。
ここは、地底。日が届くことは決してない闇の世界。
そこに、天へと聳え立つ塔が一つ。魔僧エビルプリーストの守っていた、結界の塔だ。

その最上階、玉座がぐにゃりと歪んだかと思うと、そこには少女が一人。
「うひゃあ、ま〜たまた乙なステージを選んだもんだね」
少女らしからぬ口調で喋る。それもそのはず、中身は雄なのだから。

「うん、視界良好、空気もおいしい。ちょっとぬるいのがマイナスかな」
少女に化けた、正確には少女からまだ元に戻っていない黒竜は、
まるでピクニックにでも来ているかのようにご機嫌である。
元々このステージと最も相性のよい素体なのだ、
扉前の作戦が成功したこともあり、気分がハイになっている。

「さてさて、ここはどこかな?」
まずは位置確認。マップは非常に単純。
中央にデスマウンテンとデスキャッスルがどんと鎮座しており、それを取り囲むように結界の祠が、
そしてデスキャッスルの真正面に希望の祠と架け橋の塔がある。
要するに、城がどの位置にあるかさえ分かれば、直ちに現在位置の把握は可能なのだ。
「ん〜と、ここは大っきな塔の上だから北東部かな」
城の位置を確かめるまでもなかったが。

次にどこに行くかだが。地形の関係上、ゲームに乗っていようといまいと、健康な輩は中央に集まるだろう。
セフィロスのような好戦的な参加者が良くのであれば、わざわざ行く必要はない。
「あんな痛い思いをするのももうたくさんだしなあ。さて、じゃあどうしよ?」
中央部以外の拠点、結界の祠はどれも同じようなものだ。決定的な要素がない。
地図ににらめっこ、最終的にはど・れ・に・し・よ・う・か・な・ などなど。
この姿なら割とさまになるが、中身を考えると別にそうでもない。
ついでにいうと、こんなことやってるうちに他の訪問者が来ていたわけで。

29 :呪いはめぐりめぐって 2/2:2008/08/18(月) 04:04:21 ID:5PcYfgf20
「……え〜とさ、タバサちゃんで間違いない、かな?」
「うんうん、タバサで間違いない……よ???」
スミスが顔を上げた、その先にいる男は、緑のほっかむりを被った黒髪の青年。
忍び足で歩いてきたのか、まったく気配がなかった。
(えっと、こいつ見たことあるけど誰だっけ?)
スミスは高速で記憶を辿る。風邪ひき、緑、熱っぽい。導き出されるのは、フィン。
(この状況って、ものすごくマズいよなあ…)

一見ぬらりくらりとしているが、多分、おそらく、目の前の相手はかなりの使い手。
変化の杖の効果が切れれば、他人目にどう見ても邪悪そうな正体を晒し。
ヘタすればタバサを嵌めてる黒幕がいると触れ回られ。
化けていましたといえばそもそもなんで化けているのかと問われ。
タバサが黒幕です、と言えば斬られるのは当然で。
タバサは悪くないと言って、果たして信じてもらえるか?

「……うん、じゃあ正直に答えて欲しいんだ。
 君が魔物を操って何人も人を殺しているって聞いたんだけど、それが本当なのかどうか」


【フィン(風邪)
 所持品:陸奥守、マダレムジエン、ボムのたましい
 第一行動方針:タバサが黒幕なら仇を討ちたい
 第二行動方針:風邪を治す
 基本行動方針:人にあまり会いたくない】
【スミス@タバサ(HP1/5 左翼軽傷、全身打撲、洗脳状態)
 所持品:変化の杖 魔法の絨毯 波動の杖 ドラゴンテイル 
 基本行動方針:ゲームの流れをかき乱す
 第一行動方針:フィンをなんとかする
 第二行動方針:カインと合流する
 最終行動方針:(カインと組み)ゲームを成功させる】
【現在位置:結界の祠北東、エビプリの塔最上階】
※もうすぐ変化の杖の効果が切れます

30 :リスタート 1/3:2008/08/21(木) 19:29:21 ID:EJ7aYqBt0
サラマンダー・コーラルは北西の祠にいた。
うずくまった彼の膝元には参加者名簿が開かれ、
ある男――額に刀傷の走った青年――の写真上にごつい指先が止まっている。

サラマンダーはこれまで、幾人もの敵と戦ってきた。
その中には、敗北と言ってもいい結果もあった。
そういう意味では、その男との先程の戦いも特別なものではない筈だ。
しかし戦いが終わり……いや、強制的に終わらされ、
新しい世界に降り立った彼が強く感じたのは自分の無様さと、ある種の痛快さだった。
何故だかは自分でもよく分からない。
完璧のはずだった不意打ちを容易くはね返され、
持ち主である彼自身も使った事のないアイテムをどういう原理か使われ、
さらには行動の全てを全面否定された挙句、いいように旅の扉に誘導され……。

悲惨だった。とても。
死んでないから敗北ではないなどと、どうして言えよう?
今死んでないのは、サラマンダーの力による結果ではない。
戦況はあの男に有利だった。
戦場からの離脱さえ、サラマンダーの意思と力によるものではない。
全てはあの男の巧妙な罠だった。


31 :リスタート 2/3:2008/08/21(木) 19:32:08 ID:EJ7aYqBt0
自分は負けた。完璧に負けた。
しかしその完璧さ故か、口惜しいという感情は然程でもない。
復讐心というものも、沸き上がってこない。
しかしそれでも……
自分がもう一度あの男と会いたがっていることにサラマンダーは気付いていた。

それはかつてジタンに抱いた感情に似ていたかもしれない。
あるいは、ジタンの死を知った心がその静かな喪失感を埋めるため探していた代替物に、
たまたまその男が選ばれてしまっただけかもしれない。
ただ、1つ言えることがあるとすれば、サラマンダーの中で鳴動するその衝動は、
男の言い放った「俺を巻き込むな」という言葉とは全く相反するものだということだ。

「スコール・レオンハート……」

新たな宿敵の出現に興奮を滲ませ、サラマンダーはその名を呟いた。
――何よりもまず、スコールを打ち倒す。
殺意とは少し異なった、闘志とでも呼ぶべき焔を心に灯し、サラマンダーは祠から歩み出た。

32 :リスタート 3/3:2008/08/21(木) 19:34:15 ID:EJ7aYqBt0
【サラマンダー(右肩・左大腿負傷、右上半身火傷、首元の傷は治療済み、MP2/5)
 所持品:カプセルボール(ラリホー草粉)×1、各種解毒剤(あと2ビン)  チョコボの怒り
 第一行動方針:スコールを探す
 基本行動方針:スコールと再戦し、倒す】
【現在位置:結界の祠北西付近】

33 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/21(木) 23:45:53 ID:5g4oMEkSO
新作乙。
サラマンダーは目先の明確な目標ができて奮起するかもな。
班長には気の毒だが頑張ってほしい。
位置的にはアーヴァインの方にも行ってもいいし、今後具体的にどう動くか期待。

34 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/21(木) 23:48:07 ID:5g4oMEkSO
ごめん、感想スレと誤爆…
しかも上げてるorz

35 :旅の扉もガタは来る 1/4:2008/08/24(日) 23:01:11 ID:EnJuj5FC0
始発点は浮遊大陸、ウルの村。
旅の扉の中、穏やかで安定した流れの中を9つの影が進んでいく。
細い線体に絡み、ほどけては上の方に流れていく。
青く、不規則に歪んだ空間。
9つといっても、そのうちの三つは人の背中で動かない。
そのうちの一つは、雲に乗って動かない。
よく見れば、さらにザックから顔を出す動物の姿も見える。

「相変わらず、最悪の乗り心地だな」
誰が呟いたか。確かに安定しているといっても、旅の扉は心地いいとは言えなかった。
慣れや体質によっては、酔ってしまうことすらあるし、目も疲れる。快適な旅とは程遠い。
言うなれば、古い船で海に漕ぎ出したような揺れ。
だが、この気分の悪さは酔いによるものだけではなく、
パーティに流れる陰鬱な空気のせいでもあるだろう。
こころなしか、以前に扉を潜ったときよりも青の成分が少なく思えるのは、気のせいか。

空間にところどころ白い塊が浮いているように見える。
ルカと一緒に飛び込んだ雲の一部がほつれているのだ。
自由に動き回り、離れたりくっついたり。風はなくとも流れはある。そういう空間。
青と白、その中にもう一つ、小さいながらも異質な黒色も見えた。

「……あれ、今なんか真っ黒い穴が開いてなかった?」
「穴? 旅の扉にですか? そんなはずは…。 !?」
青い光の渦の巻き方が変化し、渦の回りが速くなる。
穏やかな内海から外海へと漕ぎ出したような、そんな揺れ。

36 :旅の扉もガタは来る 2/4:2008/08/24(日) 23:04:52 ID:EnJuj5FC0
「随分荒れているな。怪我人を放すなよ。はぐれないように気を付けろ」
「ケッ、いちいちお前に言われなくても分かってる」
一同は身を固くし、有事に備える。一人、呪文を呟き始めるのがルカ。
扉に入る前に少し治療をしてもらったし、一応体力を回復できるという短剣も譲ってもらった。
もちろん、他者の命を吸収するという物騒な効果なので、そうそう使えるものではないが。
けれど、この揺れでは、回復してもらった分もパアになるかもしれない。
旅の扉から出た際に衝撃で指輪が爆発するかもしれない。
なのに、雲は流れが変わってますますほころんでしまう。
雲をもっと厚くして、うまい具合に衝撃を緩めないといけない。

だが、不穏に満ちていた空間内が、時化でも訪れたかのように荒れ狂う。
若干、青みに黒が混じってきているように思う。闇とも光とも形容しがたい黒が青に混じる。
海面近くから、深海へと進むように、水色から群青へ。

「おいおいなんだ、どうなってんだ?」
「分かりません、扉の中で何らかの異常が発生しているのかも!」
はぐれぬよう、一同は身を寄せ合う。
だが、ルカだけはそれに参加することはできない。入ってはいけない。
指輪の呪いは、体が傷付くことだけではない。仲間と共に動くことができないということ。
今更に実感させられたのだ。荒流に雲は流され、そしてみなの呼びかけには応じられない。



37 :旅の扉もガタは来る 3/4:2008/08/24(日) 23:08:57 ID:EnJuj5FC0

旅の扉や不思議なドアは、本来は固定された一点と一点を結ぶもの。
天井に結び付けられた糸から吊り下げられた針が地面に深く刺さって固定されているようなもの。
糸の部分に力を加えても、空間は乱れはしても行き着く先はまったく変わらない。
だから、不安定な旅の扉内で空間が乱れればどうなるかという知識はルカはもちろん、ソロにだってない。

この旅の扉は、天井から糸で吊り下げられた針が、風に吹かれてゆらゆら揺れているような感じ。
針の指すところが出口だとして、一瞬一瞬で針の指す先は違うし、
もし糸の部分に力が加えられれば、その先の針の揺れがみだれて、行き先もめちゃくちゃになる。
糸の部分が傷つけられたり、消耗させられればそれだけ揺れは大きくなる。

おしゃべりをしすぎただけで、はるか彼方に飛ばされることもある。
何もせずとも同時に飛び込んだメンバーがはぐれることすらある。
そもそも、旅の扉自体、大人数で一度に利用されることを想定されていない。
旅の扉に言わせれば、ただでさえ調子が悪いというのに、たった二時間弱の間に、
多大な魔力や魔方陣によって断続的に干渉され続けたり、行き先を無理に捻じ曲げられたり、
外部から流れの途中に侵入されたり、強力な破壊エネルギーを送り込まれたり、
大人数が移動中の際に呪文を使用されたりと、さんざん。乱れて当たり前なのだ。


38 :旅の扉もガタは来る 4/4:2008/08/24(日) 23:13:56 ID:EnJuj5FC0
揺れに翻弄されての爆発が先か、到着した際の衝撃による爆発が先か。
そもそも爆発したのかも認識できなかったが、気付けばそこはもう未知の世界だった。
やはりルカの周りには誰もいない。もしかしたら、接触しないほうがよかったのかもしれない。
ただ、ザックの中から姿を現した相棒の姿には、安心を覚える。一人ぼっちではない。

目の前に広がる新たな大地。
終着点は闇の世界、架け橋の塔の最上階。


【ルカ (HP1/15、あちこちに打撲傷)
 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる) シルバートレイ 猛毒入りポーション
 満月草 山彦草 雑草 説明書(草類はあるとしてもあと三種類) E:爆発の指輪(呪)  オリハルコン
 第一行動方針:サックスを追う
 第一行動方針:テリーらと合流する
 最終行動方針:生き延びて故郷に帰る】
【アンジェロ 所持品:風のローブ
 基本行動方針:ルカについていき、その身を守り、戦う】
【現在位置:架け橋の塔最上階のつり橋の上】

39 :希望の祠:2008/08/25(月) 00:55:07 ID:UHfOb5aE0
希望の祠。それは、闇の世界に唯一存在する聖地。
第二の地獄の帝王を打ち滅ぼすため、闇の世界へ赴いた勇者が最後に身を休めた地。
捻じ曲げられた進化から恋人を救い戻そうとしたエルフが最後に祈りを捧げた地。
とある歴史書にはそのように記されている。



「ここは……やはり希望の祠なのですね………」
肌に心地よい空気は、熱気に満ちた外界と隔絶されているかのよう。
誰の姿もないというのに玉座には未だに温かみが残る。
この世界は、魔女による偽りにすぎないというのに。

三枚の書と不思議な機械を見つめる。
ザンデにとって、ピサロにとって、今生き残っているすべての者にとっての希望。
「願わくは我が希望が成就せんことを…」


ひとしきり祈りを終え、祠の外へと歩み出す。
向かうはデスキャッスル。魔族の総本山。かつて勇者と、そして魔王と共に歩いた場所。
きっとあそこには何かがあるという、確信に近い思いがあった。
希望を胸に抱き、エルフは一歩ずつ足を進めていく。



希望の祠。それは、闇の世界に唯一存在する聖地。
邪悪な魔女による支配を解き放つ、その希望が降臨した地。
果たして、新たに記されることはあるのだろうか。

【ロザリー(ミニマム、プロテス、ヘイスト、リフレク) 
 所持品:守りのルビー、力のルビー、破壊の鏡、クラン・スピネル、E猫耳&しっぽアクセ ウィークメーカー
 ルビスの剣 妖精の羽ペン 再研究メモ、研究メモ2(盗聴注意+アリーナ2の首輪について) 、ザンデのメモ、世界結界全集
 第一行動方針:脱出のための仲間を探す[ザンデのメモを理解できる人、ウィークメーカー(機械)を理解できる人]
 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【現在位置:希望の祠】

※ザンデのメモには旅の扉の制御+干渉のための儀式及び操作が大体記してあります。

40 :Philosophers Alchemy 1/7:2008/08/25(月) 03:54:58 ID:TjmTt4A10
「あちぃ〜〜〜! 何スかここ! まるでサウナじゃないッスか!」
「サウナ? 何だそりゃ」
「えー?! サウナも知らないんスか?! えーと……そう、蒸し風呂! 蒸し風呂ッスよ」
「あー、そんなら分かるけどさ」
「へえ〜、虫のお風呂なんかあるんだ」
ティーダら一行が扉を抜けた先は、熱気に包まれた暗い森だった。
新たなステージに描き変えられた地図を広げ、現在地を確認する。
右手の方に黒い城郭と聳え立つ岩山が見える事から、ここは南東の森の中だと推測される。
「暑いのも無理ないですよ。あの山脈の向こうは溶岩の海ですからね。
 しかも、ここは地中です。上は空ではなく、岩盤に映った溶岩の照り返しでしょう」
「へえ〜、プサンおじちゃん詳しいなあ」
「ふむ……以前に来た事でもあるのかね?」
「いえ、私は直接は……いえ、そんな噂をね、噂を聞いただけですよ」
余計な事を詮索される前に、プサンは慌てて誤魔化した。
「ティーダ、そんなに暑いなら……離れよっ、か?」
ユウナは不安げにティーダの顔を窺う。
扉をくぐった後も、ユウナはまだティーダに掴まったままだった。
「ん? ああ、いや……そんなんじゃないっつーの、気にすんなって」
バツの悪そうに俯くティーダに、ユウナの表情はやや和らぐ。
「大体、お前は騒ぎ過ぎなんだよ。暑いのは皆一緒なんだからな。
 見ろ、テリーだって我慢してんだろーが」
「そうだよ、ティーダ兄ちゃんてばだらしないなあ」
「何だとお?! 素直だって言って欲しいよな、ユウナ……」

41 :Philosophers Alchemy 2/7:2008/08/25(月) 03:56:50 ID:TjmTt4A10
顔を上げたティーダが、ふと動きを止めた。
「どうしたの?」
その視線はユウナの顔、ではなく、彼女が手にした対人レーダーに注がれている。
「見ろよ! すぐ近くに誰かいる!」
「え?!」
慌ててユウナはレーダーを見直し、その光点を数える。
「1、2、3、4、5、6…………7……」
皆は息を潜め、周囲を見回した。
寄り固まった6つの他にもうひとつ、少々離れた所に光点がある。
と言っても、距離にすればほんの4、5mぐらいのものだろう。
だが、いくら眺めても辺りに人が居る様子はない。
ティーダに気を取られていたとはいえ、ユウナが気付かなかったのも無理はない。
「おかしいな……方向からしてあの辺だろ? 誰も居ないぜ?」
ロックが指差す方向には、ねじくれた大木が一本生えているだけだった。
しかし、光点が示しているのは、確かにその場所だった。
「ひょっとして木の上か?」
「あ! あれ!」
見上げると、反対側の太い枝に、何かが引っ掛かって揺れていた。
「人だ! 人がぶら下がってるよ!」
「まさか、く……首吊りぃ?!」
「んなわきゃねーだろ! 見ろよ! シワシワの爺さんだぜ!
 早く降ろしてやんなきゃ本当に死んじまうぞ!」
どうやら危険はないと判断し、ロックとティーダは木によじ登り、老人を地面に下ろした。

42 :Philosophers Alchemy 3/7:2008/08/25(月) 03:58:58 ID:TjmTt4A10
********

「む……?」
「おお、御仁! 気付かれたか!」
意識を取り戻したクリムトに、しわがれた声が話し掛けた。
「……ここは?」
「どうやら、闇の世界と呼ばれる所らしい」
「ふむ……確かに、禍々しい空気に満ちておるのう」
辺りの様子を探るべく、クリムトは神経を集中した。
茹だるような熱い空気からして、風の強いカナーンとは異なる。
どういう経緯か定かではないが、気を失っている間に旅の扉をくぐったらしい。
「もしや、御仁は目が……」
「うむ、現のものは見えなくなってしもうた。だが、心の眼は開いておる」
「へえ〜、心にも目があるんだ」
そう言ったのは子供の声だった。他にも、何人かの気配を感じる。
「本当に目がある訳ではない、悟りを開き、見えざるものが見える、という事じゃ」
「ええっ? じゃあ爺さんは偉い人なんスか?」
「別に私が偉い訳ではない。年を降れば誰でも出来る事……
 私はクリムトと申す者。御仁達は?」

43 :Philosophers Alchemy 4/7:2008/08/25(月) 04:01:14 ID:TjmTt4A10
「ワシはギードじゃ。かつては賢者と呼ばれておった」
先程のしわがれ声が聞こえた。確かに、醸し出される雰囲気は常人のものとは思えない。
「オレはテリー。モンスターマスターさ!」
「……ほう、テリーと申すか」
曇りのない子供の声だ。同じ名前の青年に感じた影は微塵もない。
「俺はロック。ロック=コールだ」
「俺はティーダっス!」
「私はプサンと申します」
若い元気な男の声に続く中年男の声に、ふとクリムトは違和感を感じた。
人間のようでもあり、そうでなくも感じる、不思議な感覚だった。
「私、ユウナ」
最後に、若い女の声。
「…………うむ。助けて頂き礼を言う」
もう一度皆に顔を巡らすと、クリムトは立ち上がろうとした。
「あ、あー、爺さん、無理すんなって!」
ふらつくクリムトを、慌ててティーダが支える。
「そうだよ! 眼が見えないんでしょ? ギード、乗せてあげてよ」
「しかし……」
「遠慮する事はない。じゃが、滑り落ちないよう注意するのじゃぞ」
クリムトはいくつかの手で、堅い岩のようなものの上へ担ぎ上げられた。
どうやら……ギードという賢者は、人間ではないらしい。

44 :Philosophers Alchemy 5/7:2008/08/25(月) 04:05:24 ID:TjmTt4A10
「御仁らは……何処へ向かうのじゃ?」
「取り合えず、あそこに行こうと思ってるッス」
「バカ、指差しても仕方ねーだろ。何かさ、デカい城があるんだよ。
 町とかもなさそうだし、恐らく、皆あそこに集まるだろうって」
「成程……道理じゃな」
「よし、しゅっぱーつ!」
微かに揺れ動きながら、クリムトは一行が前へ進むのを感じた。
熱い、淀んだ空気が頬に流れていく。
「……城……魔王の城か……」
「でしょうねえ。余り良くない雰囲気ですよ」
クリムトの呟きに、すぐ横からプサンが答えた。
「集まるのは善人とは限らんが、留まっておる訳にもいかんのでのう。
 魔王の城なら、魔力を司る場所があるやもしれん。
 そのような場所を見付け、ワシとプサンは腰を据えて研究をするつもりじゃ」
「研究とは?」
「平和への錬金術、といったところですかね」
「御仁のような方にも手伝って頂けると有難いんじゃがのう」
「うむ……私のような者でよければ、力になろう」

45 :Philosophers Alchemy 6/7:2008/08/25(月) 04:07:13 ID:TjmTt4A10
錬金術は、闇の混沌から光り輝く黄金を作り出すもの。
恐らく、ギードとプサンは自分と志を同じくする者だろう。
彼らと共に救い出せるかもしれない。
多くの善人を。迷える者を。悪人ですらも。
心の眼で、クリムトは前を見据える。
救わねばならない、ユウナと名乗った若い娘を……
その心中に宿る、黒い闇の気配から。


【プサン 所持品:錬金釜、隼の剣 (左肩銃創)
 第一行動方針:首輪の解析を依頼する/ドラゴンオーブを探す
 第二行動方針:アーヴァインが心配
 基本行動方針:仲間を探しつつ人助け】
【ギード(HP2/5、残MP1/3ほど)
 所持品:首輪
 第一行動方針:ルカとの合流/首輪の研究
 第二行動方針:アーヴァインが心配】
【クリムト(失明、HP1/5、MP1/4、守備力25%UP) 所持品:なし
 第一行動方針:ユウナを注視する
 基本行動方針:誰も殺さない。
 最終行動方針:出来る限り多くの者を脱出させる】

46 :Philosophers Alchemy 7/7:2008/08/25(月) 04:08:51 ID:TjmTt4A10
【テリー(DQM)(右肩負傷(9割回復)
 所持品:突撃ラッパ シャナクの巻物 樫の杖 りゅうのうろこ×3 鋼鉄の剣 雷鳴の剣 スナイパーアイ 包丁(FF4)
 第一行動方針:ルカを探す
 第二行動方針:アーヴァインが心配】
【ロック (左足負傷、MP2/3)
 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード 魔石バハムート 皆伝の証、かわのたて
 魔封じの杖、死者の指輪、ひきよせの杖[0]、レッドキャップ、ファイアビュート、2000ギル
 第一行動方針:ピサロ達、リルム達と合流する/ケフカとザンデ(+ピサロ)を警戒
 第二行動方針:アーヴァインが心配
 基本行動方針:生き抜いて、このゲームの目的を知る】
【ティーダ(変装中@シーフもどき)
 所持品:フラタニティ 青銅の盾 首輪 ケフカのメモ 着替え用の服(数着) 自分の服 リノアのネックレス
 第一行動方針:アーヴァインを探す
 基本行動方針:仲間を探しつつ人助け/アルティミシアを倒す】
【ユウナ(ガンナー、MP1/3)(ティーダ依存症)
 所持品:銀玉鉄砲(FF7)、やまびこの帽子、官能小説2冊、 対人レーダー
 天空の鎧、ラミアの竪琴、血のついたお鍋、ライトブリンガー、ブリザド
 第一行動方針:あわよくば邪魔なギードとアーヴァインをティーダに悟られないように葬る
 基本行動方針:脱出の可能性を密かに潰し、ティーダを優勝させる】
【共通行動方針:デスキャッスルへ向かう】
【現在位置:南東の森】

47 :Philosophers Alchemy 訂正:2008/08/25(月) 19:32:20 ID:TjmTt4A10
5レス目

「御仁らは……何処へ向かうのじゃ?」 →「そなたらは……何処へ向かうのだ?」

「成程……道理じゃな」→「成程……道理だな」

寝ぼけて口調間違えてたよスマソorz
よろしくお願いします。

48 :世界への期待:2008/08/26(火) 02:00:09 ID:+Zre01Kz0
デスマウンテン。
闇の世界の中央に位置し、禍々しい力を一身に受ける魔の総本山。
憎しみのあまりに、究極の進化を遂げた魔王が生まれた地。
その者に変わり、今この玉座に鎮座するのは究極の進化を求める者……セフィロス。

セフィロスは、ラムザとリルムを取り逃がしたにも関わらず、上機嫌だった。
この、どこまでも闇に覆われた世界。
辺りに散らばる骨は明らかに通常の進化から外れたものの成れの果て。
よもや、この世界には求める力のヒントが隠されているのではないか、と。

地図を見れば、その推測がさらに強固なものに変わる。
この山を中心にした、明らかに対称を為している島。その四方に位置する祠。
この配置に意味がないとは到底思えない。
なんらかのエネルギーをこの山に送り込むのが四方の祠なのだろう。
となれば、中央の城や祠はその研究所・制御施設ではないか。

口元から、思わず笑みがこぼれる。
もちろん、過度な期待は禁物なのだが、否が応でも期待は膨らむ。
調べてみる価値はある。もし推測が正しければ、それだけ力の完成に近付くのだから。

そうとなれば、行動は早いほうがいい。
大きな期待を内に秘め、セフィロスは山を駆け下りていった。

【セフィロス
 所持品:村正 ふういんマテリア いかづちの杖 奇跡の剣 いばらの冠 プレデターエッジ
 基本行動方針:黒マテリア、精神を弱体させる物を探す
 第一行動方針:デスキャッスルに向かい、闇について調べる
 最終行動方針:生き残り力を得る】
【現在位置:デスマウンテン】

49 :久方振りの弧絶 1/4:2008/08/26(火) 18:53:38 ID:JAQvZmqL0
「なんだったんだ、今のは……?」

最初に口を開いたのはバッツだった。
背負っていたヘンリーを下ろすと、吐き気を催したように膝に手をついて屈む。
そしてもう一度、同じ台詞を繰り返した。

「なんだったんだ、今のは?」

ソロも同じようにしてスコールを下ろすと、
先程出会ったばかりの少年がいないことに気がつく。
「はぐれてしまったようですね……」と溜め息をついた。
心配ではあるが、彼は子供ながらにモンスターマスターと名乗っていた。
ただの子供ではない。大丈夫だ、と自分に言い聞かす。

リュックの方とは言えばやはり不安気な面持ちで
「なんだったんだろねアレ?」と呟いている。
それに反射的に「知るか」と答えながら、スコールは眉間に皺を寄せた。
頭の中では「アレ」の原因を目まぐるしく考えている。
しかし、「おいっ!」とサイファーが思考を遮った。

「おいっ、イザの妹もいねえぞ!?」

漫画だったら、全員の頭上に大きな雲のような吹き出しが浮かび上がったろう。
一同は同時に思った。

(あっ、やばい)


50 :久方振りの孤絶 2/4:2008/08/26(火) 18:56:14 ID:JAQvZmqL0
++++++

少し気を失っていたようだ。
ターニアは地面の硬い感触で目を覚ました。
周囲を窺ってみるが、誰もいない。
まだ昼間のはずなのに辺りは薄暗く、一人ぼっちであることに強く不安を感じた。

(もしかして、見捨てられた?)

そう思ったのは不信感からか、劣等感からか。
しかしターニアはすぐにかぶりを振った。
あの時誰かが、はぐれないように気をつけろと言っていたのを覚えている。
いけないのは自分だ。
ターニアはあの異様な状況の中、
恐怖で足が竦んでリュック達から少し離れてしまったのだ。
ターニアはたしかに歴戦の戦士達ほどのタフさはないが、
それでも自分の臆病を人のせいにするほど落ちぶれてはいない。
しかし……

不意に目の前に少女が現れた。
闇の海底から浮かびあがってきたかのような、唐突で静かな現れ方だった。
自分よりもおそらく年下の、小さな女の子。
それなのにターニアは何故か、その場から逃げ出したい衝動に駆られた。
緊張でからからに渇いた咽を震わせ、ターニアはどうにか声を押し出した。

「「あなたは誰?」」

図らずも相手と声が重なった。
暗い森の中、2人の少女が遭遇した。

51 :久方振りの弧絶 3/4:2008/08/26(火) 18:58:16 ID:JAQvZmqL0
【サイファー(右足軽傷)
 所持品:破邪の剣、G.F.ケルベロス(召喚不能) 白マテリア 正宗 ケフカのメモ ひそひ草
      マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
      レオの支給品袋(アルテマソード 鉄の盾 果物ナイフ 君主の聖衣 鍛冶セット 光の鎧)
      スコールの支給品袋(吹雪の剣、ガイアの剣、ビームライフル、セイブ・ザ・クイーン(FF8)
      貴族の服、オリハルコン(FF3)、炎のリング)】
 第一行動方針:休める場所を探す?
 第二行動方針:はぐれた仲間、協力者を探す/ロザリーと合流
 基本行動方針:マーダーの撃破(セフィロス、アリーナ、サックス優先)
 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【マッシュ(気絶、重症、右腕欠損) 所持品:なし】
 第一行動方針:―
 第二行動方針:アーヴァインと緑髪(緑のバンダナ)の男、及びエドガーを探す
 第三行動方針:ゲームを止める】
【ソロ(HP3/5 魔力少量)
 所持品:ラミアスの剣(天空の剣) 天空の盾 さざなみの剣
      ジ・アベンジャー(爪) 水のリング 天空の兜
 第一行動方針:休める場所を探す?
 第二行動方針:はぐれた仲間を探す
 基本行動方針:PKK含むこれ以上の殺人を防ぐ+仲間を探す
※但し、真剣勝負が必要になる局面が来た場合の事は覚悟しつつあり】
【スコール (HP2/3、全身に浅い切り傷、軽度の毒状態、疲労)
 所持品:ライオンハート ひそひ草 エアナイフ
     G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)、G.F.パンデモニウム(召喚×)
 第一行動方針:治療、休息
 第二行動方針:はぐれた仲間を探す
 第三行動方針:アーヴァインと緑髪(緑のバンダナ)の男を探す/緑髪を警戒/サックスを警戒
 基本行動方針:ゲームを止める】

【リュック(パラディン)
 所持品:メタルキングの剣 ロトの盾 刃の鎧 クリスタルの小手 ドレスフィア(パラディン)
     チキンナイフ マジカルスカート ロトの剣
 第一行動方針:休める場所を探す?
 第二行動方針:はぐれた仲間を探す
 基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す
 最終行動方針:アルティミシアを倒す】
【バッツ(HP3/5 左足負傷、魔力微量、アビリティ:白魔法)
 所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ 静寂の玉 ティナの魔石(崩壊寸前)
 第一行動方針:休める場所を探す?
 第二行動方針:スコールらの治療
 基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【ヘンリー(気絶、後頭部にコブ)  
 所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク
     キラーボウ、グレートソード、デスペナルティ、ナイフ
 第一行動方針:???
 基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【現在位置:南東の平原】


52 :久方振りの弧絶 4/4:2008/08/26(火) 19:00:26 ID:JAQvZmqL0
【ターニア(血と銃口への恐怖、完治していない 僅かに人間不信,不安)
 所持品:スタングレネード×4 ちょこザイナ&ちょこソナー
 第一行動方針:目の前の少女に?
 第二行動方針:リュック達と合流したい】
【タバサ(HP2/3程度 怪我はほぼ回復)
 所持品:E:普通の服、E:雷の指輪、ストロスの杖、キノコ図鑑、
     悟りの書、服数着 、魔石ミドガルズオルム(召喚不可)
 第一行動方針:目の前の少女に?
 基本行動方針:ビアンカとレックスを探す
 ※リュカとピエールと共に二人を探しているというストーリーを組み立てました。】
【現在位置:北東の森】

53 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/27(水) 00:41:51 ID:IyV1DL7d0
訂正
>>51のサイファーの所持品、スコールの支給品袋の中から
オリハルコン(FF3)の削除をお願いします。

54 :誇りは死なない1/4:2008/08/28(木) 01:08:21 ID:9Yh90+Ml0
「――っ!」

旅の扉に入った途端、ぐるりと周りの景色が暗転する。
めまいにも似た感覚のあと新たな戦いの舞台の地に立っていた。
ザックスは自分の五感を確認するとその場で身を低くして近くに生えている木の根元に滑り込んだ。

息を潜める。気配を完全に消して、周囲の様子を伺う。
ここはどこだ?やけに薄暗い。もうこの世界はすでに夜なのだろうか。
やがて近くに誰の気配もないことを確認すると
それまで張り詰めていた緊張が少しとけ、一気に汗が噴き出したのが判った。

「――ふう」

思わず漏らしたため息のあと、ザックスはあることに気づき口元に手をやる。

「…口が使える」

浮遊大陸でのピエールとの戦い以後、口を使う行為全てを封じられていたがどうやらその効果は切れたようだ。
そのせいだろうか、ふいに襲ってきた脱力感の後、頭に思い浮かんだのは浮遊大陸にいた最期の記憶。

人を信じることを拒絶したギルガメッシュの瞳。
内部から爆ぜ燃えるアルスの身体。
屈託なく子供らしく笑う金髪の少女の顔…。
あの少女が二人を殺した。
笑顔で自分たちに近づき欺いた。

55 :誇りは死なない 2/4:2008/08/28(木) 01:09:18 ID:9Yh90+Ml0
許さない、絶対に。必ずあの少女を殺してやる。
いや、もしかしたらあいつを先に殺すのは他の参加者だろうか。
それならそれでいい。あいつだけが敵じゃない。
自分が殺るべき奴は他にもいる。このゲームの黒幕を必ず根こそぎに──。

そう、そんな風にいっそ狂えてしまったら楽なのに。
そんな考えさえよぎってしまう。
しかし、それは許されなかった。
背中に背負うバスターソードが、それを許さなかった。



──夢を抱きしめろ

それは師であり友であった男の言葉。

──誇りを忘れるな

それは遠い昔に、心に刻んだこと。
その志を持ってなったソルジャークラス1st。
でも、そこは思い描いていたものては必ずしもなくて。



そこまで思いをめぐらせた所で、ある事にふと気付く。
すっと指を滑らせた。
痛みが無いために ── 傷口の発熱による熱さならあるが ──
ほとんど忘れかけていた肩の傷を今更ながらに見やる。
凝固しかけていた血がソルジャー1stの証である黒の戦闘服に同化して、赤黒く滲んでいた。

56 :誇りは死なない 3/4:2008/08/28(木) 01:10:33 ID:9Yh90+Ml0
「痛覚って大事だな」

ふと、当たり前のことを思う。
痛みがあるから人は臆病になる。
痛みが死に対する恐れを抱かせ、向こう見ずな行動に出ることを抑制している。
そしてゲームを壊すと言う目的。
それを思う事でザックスの脳は冷静な思考と生き残る為の思考を再開する。

「まずは…」

グゥ〜──

唐突にお腹が鳴った。
そういえば時間にして一昨日の朝以来、
アリアハン北部を発つ前にパンを齧ってから食べ物はおろか水すら摂取していない。
本来ならば一日二日位絶食したところでなんてことはない身体をしているが、
この異常な緊張感の中にあっては想像以上にエネルギーを消費しているようだった。

「…腹が減ってはなんとやら、か」

ひとまず、この場で小休止することにした。
ザックから支給品のパンを取り出して一口齧った。
よほど空腹だったのか、思いのほか美味しかった。

57 :誇りは死なない 4/4:2008/08/28(木) 01:11:52 ID:9Yh90+Ml0
【ザックス(HP3/8程度、左肩に矢傷、右足負傷、一時的に耐性減)
 所持品:バスターソード 風魔手裏剣(16) ドリル ラグナロク 官能小説一冊 厚底サンダル 種子島銃 デジタルカメラ
 デジタルカメラ用予備電池×3 ミスリルアクス りゅうのうろこ
 第一行動方針:休憩がてら空腹を満たす
 第二行動方針:金髪の少女(タバサ)を始末
 基本行動方針:同志を集める
 最終行動方針:ゲームを潰す】
【現在位置:北西の森】

58 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/08/29(金) 20:19:42 ID:QA1mRfBp0
保守

59 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/01(月) 21:33:17 ID:fgeXsENZ0
九月最初の保守

60 :疼き 1/3:2008/09/03(水) 03:20:06 ID:nHob1IA00
サックスは重い、疲れた気分で歩いていた。
彼とエリアの現在地は平原地帯。
見晴らしが良すぎるため、前方に暗くそびえる森を目指している。
サックスの右手は羨ましいことに同伴者・エリアの左手と繋がれており、
傍目には場違いに呑気なカップルのようにも見えるが、
実際のところそれは「逃げないように」と笑顔で、それでいて強引にされたことだった。
そのため今の彼からしたらエリアの温かい掌や細い指先も、
囚人にかけられた手錠とさして違いがない。
サックスは彼女の手に先導され、いささか自棄気味に足を進める。

――どこで間違えてしまったんだろう?

サックスはふとそう思い、
思った次の瞬間には、そんな自分を嘲笑った。
どこで間違えたかだって?
お前は間違えなかったことの方が少ないじゃないか。
フルートを守れず、レオンハルトの綺麗言にほだされ利用され、
殺し合いに乗っても小さな子供さえ仕留め損ない……。

61 :疼き 2/3:2008/09/03(水) 03:22:23 ID:nHob1IA00
――その程度で本当に優勝できると思っているのか?

頭の中で、スコールの声が言った。
それは空想ではなく、記憶の中そのままに投げられた辛辣な言葉。
その台詞がサックスの注意を引くためのただの挑発だったのか、
それともスコールなりの回りくどい説得という面もあったのか、
真相は当人以外の者には知る由もない。
しかし言われたサックスからすれば、それはまさしく正しい「批評」だった。
判断の甘さ。つめの甘さ。戦闘力の不足……。

――その程度で本当に優勝できると思っているのか?

スコールの声が、もう一度言った。
それはギルダーの声のようにも聞こえた。
あるいはサラマンダーの、ルカの、レオンハルトの、ゼルの……。
サックスは全てを拒むかのように目を瞑ると、彼らのその声に小さく反駁する。

――じゃあ、どの程度なら優勝できるんです?
――例えば、目の前にいる彼女を……


62 :疼き 3/3:2008/09/03(水) 03:24:20 ID:nHob1IA00
そこで不意に、エリアが立ち止まった。
心が読み取られたような気がしてサックスは一瞬動揺するが、
勿論そんなはずはなく、突然の停止の理由は別にあった。
つい先程まで誰もいなかったはずの場所。
そこに、一人の男が忽然と現れていた。
……カイン=ハイウィンドが、立っていた。
先日遭遇した、”やる気”になっている男。
サックスは彼を見て、左肩の傷が疼き始めるのを感じた。


【エリア(体力消耗、下半身の怪我は回復気味)
 所持品:スパス スタングレネード 水鏡の盾 ねこの手ラケット ビーナスゴスペル+マテリア(スピード)
      天使のレオタード 拡声器 ポーション
 第一行動方針:サックスに注意しつつ現状に対処
 第二行動方針:サックスから離れない
 第三行動方針:内から少しずつサックスを矯正する
 基本行動方針:サックスより先に死なない/サックスに殺させない/サックスを捕らえさえない】
【サックス (HP7/10、微度の毒状態、左肩負傷。後頭部にコブ)
 所持品:スノーマフラー
 第二行動方針:カインに対処
 第一行動方針:成り行きに任せる、エリアのことは先延ばし
 最終行動方針:優勝して、現実を無かった事にする】

【カイン(HP1/5、左肩負傷、肉体疲労、精神的に極度に疲労)
 所持品:ランスオブカイン、ミスリルの篭手 プロテクトリング レオの顔写真の紙切れ ドラゴンオーブ
     ミスリルシールド
 第一行動方針:この場を切り抜ける
 最終行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】
【現在位置:南の平原】

63 :人を脅すのはいけないことです 1/11:2008/09/04(木) 01:47:44 ID:xHqU4obM0
『ようこそ、デスキャッスルへ。
 このポーションはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

 うん、賢者の石はないんだ。済まない。
 仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

 でも、バリアを超え、探り当てた隠し通路の先でこの宝箱を見たとき、
 君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
 殺伐とした世界で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って偉い人に内緒で仕込んだんだ。

 じゃあ、回復したところで殺し合いを続けてもらおうか』


「……ふざけてるのかッ!」
俺は読んでいたメモをぐるぐると丸め、全力で放り投げる。
バリアも、隠し通路も、賢者の石とやらも、知ったこっちゃない。
旅の扉を潜り抜けて降り立った場所がこのテラスで、目の前に宝箱があった、それだけのこと。
けれども、丸めたメモの内容が自分をおちょくるものであるということだけは理解できた。
ポーションはひとまずザックに仕舞い、空っぽになった宝箱を蹴り飛ばしてから、城の中に入る。
石造りの城内は薄ら寒く、どんよりとした空気で満ち溢れていたが、苛立ちを鎮めるほどの力はなかった。

階段を上がり、幾つかの扉が並ぶ通路を通り、また階段を上る。
扉の中が気にならないわけじゃあないが、まずは出入り口を見つけないとマズい。
出会い頭に殺人者と出会った場合や、城そのものが崩れかかるほどの極大魔法を使われた場合。
そういう時に逃げ道を知っているのと知らないのとでは、生存率に大きな差が出てくる。
だから俺は、とりあえず道なりに歩き続けた。

「……ん?」
けれど、すぐに行き止まりに突き当たる。
周囲を見回すと、通路の途中に、不自然に壁が途切れている場所があった。
そちらに行ってみると、ちょうど人一人が通れそうな隙間を、何かの石像の後姿が塞いでいる。

64 :人を脅すのはいけないことです 2/11:2008/09/04(木) 01:48:55 ID:xHqU4obM0
「なるほどな。隠し通路、か」
石像につけられていた取っ手を掴み、横にスライドさせる。
どういう仕組みになっているのか、石像は引き摺る痕跡すら残さず、滑らかに移動した。
(知らなければ見つけられないってワケか……って、像の並びがあからさまにおかしいぞ。
 相当のアホだな、この城を作った奴は)
そう思いながら、一歩二歩と足を進めた、その時だった。

バチィッ!!
「―-―ッ!???」
突如、痺れるような痛みが全身を駆け抜ける。
下り階段は目の前だったが、反射的に後ろに逃げてしまった。
バリア、という単語が頭を掠めたのは数秒後だ。
よく見ると、階段を取り囲むように床の色が違っている場所があった。
水晶のような輝きを放つそのタイルから、何がしかの魔力が放たれていることは間違いない。
「くそっ!」
石像を元に戻し、俺はその場にへたりこむ。
たった一歩踏み込んだだけでも、低レベルの魔導師が使うサンダーぐらいのダメージを受けた。
迂闊にあのバリアの上を歩き回れば、いずれは屈強な戦士だって力尽きてしまうだろう。
途中で見た小部屋のどこかに、バリアを中和する道具か、発生装置そのものがあるのかもしれないが……
万が一、やる気の奴と鉢合わせになったら厄介だ。少し休んでからにしよう。

――

二、三十分ほど休息に費やしただろうか。
それなりに回復した俺は、階段を駆け下り、通路に出た。
すると――最初に見た時は全て閉じていたはずの扉が、一つだけ開いていた。
誰かいるのか、と思う間もなく、白魔導師姿の男が出てくる。
男は俺に気づいた様子もなく、そのまま反対側の壁際に歩み寄り、片手をついて寄りかかった。
何故か、肩が小刻みに震えている。
「……っ……っっくっく…………く……っ」
一体何があったというのか。問い質すべきか隠れるべきか。
そんなことを悩んでいる間に、男はいきなり、大声で笑い出した。

65 :人を脅すのはいけないことです 3/11:2008/09/04(木) 01:50:48 ID:xHqU4obM0
「ぎゃーーーーっはっはははははは……!! ダメ、もーだめ、我慢できないよ!
 有り得ねー……ひひっ、ひゃはははー! あいつ、人望なさすぎだって!」
どんどんと壁を叩き、狂ったように嘲笑を続ける。
「公私混同とか色ボケとかKYとかヌケサクとか! 本当のこと書いちゃ可哀想だから!!
 ていうか研究記録なのに落書きの方が多いし! 記録とみせかけてえっちい本まで混じってるし!
 部下も酷いけど、こんなん気づかないとかどんだけ足元お留守にしてたんだよ!」
「………」
「あー……笑い死にそう。
 女勇者は、まー別人っぽいし、アリかなって感じだけど、女魔王のですぴーちゃんとか…誰が考えたんだよ。
 これは絶対にソロに見せないと……くくく」
「………」

何がそんなに面白いのかさっぱり理解できないが、幾つかわかることがある。
こいつがバカだってことと、バカと関わると確実に不愉快になれるってことだ。
俺はこの場を離れようと思い出した矢先、男が不意に面を上げた。

「あれ?」
野郎は間抜けな声を上げ、俺を見つめる。
「えーと……ねえ、いつからそこにいたの?」
「たった今だ」
しれっと答えてやると、男は左手で胸を撫で下ろした。
「あー良かった。ピサロにチクられたらどーしようかと思った」
「……ピサロだと?」
あまり聞きたくなかった名前だった。
何せ散々焚き付け煽った挙句、戦場に取り残してきた相手だ。
単独で会えば、それこそ逆上されて切られかねない。
「ああ、怪我してたから、ちょっと手当てしてこの部屋に寝かしてるんだ。
 知り合いなら起こしてくるけど」
「ふざけんな!」
冗談じゃない、という思いが、反射的に叫び声を出させた。
しかし、一時間前の激戦を知らない男は、怪訝そうな表情を浮かべるばかりだ。

66 :人を脅すのはいけないことです 4/11:2008/09/04(木) 01:52:39 ID:xHqU4obM0
「……ま、重傷だから、無理させない方がいいかな。
 それよりさ。互いに乗る気がないなら、他の部屋で情報交換でもしない?」
こんなバカに交換できるような情報があるのか。
そんな考えが過ぎったが、しかし、意外な奴が意外な情報を握っていることもあると思い直す。
「いいだろう。情報は多い方がいいからな」
まともな情報ならな、と心の中で付け加えながら答えると、男はにかっと笑った。
「話が早くて助かるよ〜。
 警戒心バリバリの人って多いからさ。僕もだけど」
殺し合いの最中にいきなり爆笑し出す間抜けのどこに警戒心があるのか、俺には全くわからないが。
「じゃ、とりあえず向こうの部屋に移動しよう。
 本棚ばっかりで狭苦しいけど、椅子、二個あったし」
男は二つ隣の扉を指し示す。
狭い場所はあまり好きではないが、贅沢は言っていられない。俺は「わかった」と頷いた。

それから俺たちは、互いに名乗り、これまでの経緯を端的に話した。
男の、アーヴァインという名前にはどこか聞き覚えがあったが……
思い出せないってことは、大して重要なことでもないんだろう。

「なんだ。あの亀、お前と一緒にいたのか。
 ちっとは研究とやらも進んだのか?」
「まーね。僕にはわかんないけど、それなりにやってるみたいだよ。
 エドガーが生きていたら、もーちょっと形に残る成果が出せたかもしれないけどね」
「チッ。どこのバカだか知らないが、余計なことをしてくれたもんだぜ」
参加者リストをめくり、奴と行動していたという七人の名前に○をつけながら、言葉を交わす。
「バカとか言うなって。殺した人にだって理由があるもんさ」
ふん、偽善者ぶったこと言いやがって。
「理由があれば許されるのか? それに、まるで犯人を知ってるような口ぶりじゃないか」
「うわー、キッツいなあ。サイファーみたい」
「あんな野郎と一緒にするなッ!」
苛立ち紛れに横の本棚を殴りつけると、アーヴァインは「怖いなあ」と言って身を引いた。
不愉快だ。全く以って不愉快だ。
多少の収穫はあったといえ、正直、とっとと話を打ち切りたくなってきた。

67 :人を脅すのはいけないことです 5/11:2008/09/04(木) 01:54:25 ID:xHqU4obM0
「お前みたいな偽善者のアマちゃんがどうして生き延びてこられたのか、不思議でたまらないね」
「偽善者? アマちゃん? 僕が?」
アーヴァインはきょとんとした表情で首を傾げた。
自覚がないとはタチが悪い。いや、自覚がないからタチが悪いのか。
「あの凶暴な銀髪が死にかけてたのに、わざわざ手間暇かけて助けたとかな。
 そういうのが偽善だってんだよ」
俺が言うと、アーヴァインは心外だと言わんばかりに口を尖らせる。
「ギブアンドテイクを実行……いや、どっちかっていうとテイクしただけだけどさ。
 そんなにピサロが嫌いなのかい、あんた」
「当たり前だ! いきなり殴りかかってくるわイザは殺されるわ……
 ってさっきも話しただろうがよ! 人の話はちゃんと聞け!」
「わかった、わかったってば。
 もー、そこまで言うなら殺してくればいいじゃんか」
「ふざけ……」
ふざけるな、と言おうとして、俺は言葉を失った。
この、目の前でむくれている男は、今、なんと言ったのだ?

「護衛兼仲介役なんてさ、別にピサロじゃなくてもいいんだ。
 僕がしたの、包帯で傷口巻いただけだし。
 重傷なのは変わってないから、簡単に殺せるよ」
どこかで見たような眼差しをこちらに向けて、アーヴァインは言葉を続ける。
激情や狂気など一片も見せず、ただ、普通の世間話をするように。
「あんた、剣持ってるんだしさ〜。
 手でも足でも顔でも好きなだけ切り刻んで、心臓でも脳みそでもはらわたでも抉れるだろ〜よ」
……ああ、そうか。カマをかけているつもりなんだ、こいつは。
俺が危険な存在かどうか見極めるために、煽っているだけだ。
そうでもなければ、こんな涼しい顔で、人を殺せなどと口にできるものか。
「ぐっちゃぐちゃになるまで弄り倒して壊してくりゃいーじゃん。
 人間、好きなことをするのが一番さ。止めるほど野暮じゃないよ、僕は」
……だが、それでも、胸糞の悪さはぬぐえない。

68 :人を脅すのはいけないことです 6/11:2008/09/04(木) 01:56:15 ID:xHqU4obM0
動けない相手を嬲り、虐殺する。それは最早、生きるためではなく、快楽のための行動だ。
殺人への嫌悪感がなくとも、普通の神経の持ち主なら、多少なりとも吐き気を覚えるだろう。
ましてや、そんな行動を"好きなこと"と表現したり容認したりはしない。
目の前の相手に、得体の知れない恐怖を抱きかけた、その時だった。

「――ってね、悪ふざけしすぎたかな〜。ジョーダンだよ、ジョーダン!」
声音を変えながら、アーヴァインは道化じみた仕草で、俺の肩をバンバンと叩いた。
「ピサロさんは僕の命の恩人の知り合いだからね。
 見殺しにしたら、ソロに怒られちゃうんだよ〜」
「………」
半ば予想していた言葉を聴かされても、あまり安心できない。
こいつの本性は、本当に偽善者のアマちゃんなのか。
薄ら寒さに、ここから立ち去った方がいいんじゃないか、そんなことを考え出した矢先――アーヴァインが問いかけてきた。
「ところでさ。あんた、どっか別の場所に行ったりする予定とかあるの?」
聞かれるまでもない、ピサロもいれば、こいつみたいな正体不明の輩もいる。
そんな場所にいつまでも長居するつもりはない。
「ああ」
自分の荷物を手元に寄せながら短く答える。
「それならさ、三つばかりお願いがあるんだけど、聞いてくれない?」
アーヴァインの言葉に、俺はしばし考えを巡らせた後、首を縦に振った。
もしかしたらこちらの利益に繋がるかもしれないし、文字通り"話を聞くだけ"ならタダみたいなものだ。
アーヴァインはぺらぺらと参加者リストを捲り、何人かを指し示しながら、話し出した。
「スコールと……どうしようかなあ、あんまり会いたくないけど、リノアの話も聞きたいから、サイファーも入れとこ。
 二人に会ったら、僕がこの辺りにいるって伝えてほしいんだ。
 あ、あとついでにロザリーってヒトにもね。どうせピサロさん、しばらく動けないだろうし。
 うーん、僕ってやさしーなー」
腕を組んで自分で頷いてりゃ世話が無い。
「んで、ティーダとユウナとテリーとギードとプサンとロック、あとリルムに会ったら、
 僕は城じゃなくて別の場所にいるって伝えてほしいんだ。
 今はあんまり、顔会わせたくないから」

69 :人を脅すのはいけないことです 7/11:2008/09/04(木) 01:57:44 ID:xHqU4obM0
「わかったわかった。スコール、サイファー、ロザリーに会ったら本当のことを伝えて、
 ティーダ、ユウナ、テリー、ギード、プサン、ロック、リルム、この七人には嘘を言えばいいんだな」
話を聞いているというポーズを見せるために、確認を取ってみる。
アーヴァインは満足そうに頷いてから、急に神妙な表情を浮かべて、最後の頼みとやらを口にした。
「そーそー、んで……これは、一人以外は絶対に聞かさないでね。
 リュックってヒトに会ったら伝えて欲しいんだ。
 ユウナは殺し合いに乗ったみたいだ。エドガーを殺したのも、たぶん、彼女だって」

「……は?」
寝耳に水だった。さっき、奴と行動していたからと言って、○をつけたばかりの女。
それが、首輪を研究していたという男を殺した、とは……
「ほ、本当なのか!?」
俺がくってかかると、アーヴァインは寂しげに目を伏せた。
「エドガーはゲームの破壊を望んでいた。
 彼と最後に同行したのはユウナで、彼女にはエドガーを殺す動機がある。
 ……あの、黒いもや……アレはきっと、そういうことなんだ」
最後の言葉の意味はわからない。
だが、何らかの理由で確信を持っていることは間違いなさそうだ。
しかし、それならば――
「そういう情報は他の連中と共有しないと無意味だろ。
 黙ってる間に被害が広がったらどうするんだ?
 次にそいつに殺されるのは、大事なお仲間かもしれないぞ?」
俺がそう言うと、アーヴァインは大きく息を吐いて、「まー、確かにね」と呟いた。
「正直、ユウナがどんどん先走っちゃったらどうしようって、不安にならなくもないよ。
 でも……殺られる前に殺れってヒト、結構いそうだろ?
 ユウナや、彼女を信じてる人の身に何かあったら、って思うとね。
 リュックって人は、ユウナの従姉妹だっていうから……上手くやってくれるんじゃないかって」
「……偽善者め」
仲間さえ良ければいい、殺された奴やその身内の感情などどうでもいい。
アリーナを庇っていた連中と同レベルの考え方だ。反吐が出る。
「わかってるよ。あんたの言うことが正しいってことぐらい。
 だから……このことは、あんたのしたいようにしていいさ」
言われるまでもない。元より、こいつの頼みをバカ正直に聞いてやる義理なんざないんだ。
できるだけ多くの人間に広めてやるさ。脱出の鍵を潰して回る女がいるってな。

70 :人を脅すのはいけないことです 8/11:2008/09/04(木) 02:01:21 ID:xHqU4obM0
顔を伏せるアーヴァインを尻目に、俺は荷物を引っつかんで立ち上がる。
部屋を出ようと、ドアのノブに手をかけた時、奴は思い出したように問いかけてきた。
「そういえば。あんた、朝ご飯とかもう食べたの?」
「だからお前……人の話聞いてないだろッ!? そんな暇があるか!」
朝方にカナーンで起きたことは、それなりに説明している。カインとの同盟は流石に隠したが。
「ごめんごめん。で、目玉焼きとか、好き?」
「別に嫌いじゃないが……こんな場所に卵なんてあるのか?」
アーヴァインは「そう」と呟くと、折れているという右腕をぶらぶらさせながら立ち上がった。
左手には何も握られていない。完全に丸腰だ。殺気も感じない。
「卵っていうか……まあ、似たようなもんじゃないかな」

隣の部屋から持ってくる、そんな雰囲気のまま、奴は扉の――俺の傍へと歩み寄り。
俺の肩を、もう一度だけ、ぽん、と叩いた。
何をするつもりか計りかねた俺は、アーヴァインに顔を向ける。
その視界の左半分を、奴の手が覆っていることに気づいたのは、どうしようもなく不快な感覚と激痛が走った後だった。
骨と肉の隙間に指が潜り込み、ブチィっと濡れた音が頭蓋に直接響く。
さらに悲鳴を上げようと口を開けた瞬間、奴は、何かを掴んだその左手を押し当てた。
舌の上に転がり込んできた、丸みを帯びた、硬いゼリーのようなもの。
それが何なのか、理解したくなかった。けれど、わかってしまった。
「あ、ごめん。焼くの忘れちゃった」
やたらと狭くなった視界の向こうで、先ほどまでと何ら変らない調子で微笑む、男の声が聞こえたせいで。

口を塞がれたまま、壁に押し付けられる。
剣を抜くとか、折れた腕を狙って蹴るとか、振りほどいて逃げるとか、そういう考えは情けないぐらいに綺麗さっぱり吹っ飛んでいた。
「僕さあ。まだ、ティーダのこともユウナのことも好きなんだよ。
 もう一度同じ道を行けるかどうかわかんないし、もしかしたら僕の手で殺す時が来るのかもしんないけど。
 でも、二人には幸せになってほしいし、無理ならせめて仲直りくらいしてほしいんだ」
青い瞳に射竦められ、俺は身を硬くする。
どこかで見た眼差し。その"どこか"を、今になってやっと思い出した。
あの日、金髪の女を笑いながら切り刻んでいた"化物"――目の前の男は、そいつと同じ目をしていた。

71 :人を脅すのはいけないことです 9/11:2008/09/04(木) 02:02:51 ID:xHqU4obM0
「僕は魔女じゃないから、あんたの行動を止める力なんてないもんね。
 いいよ。あんたがしたいように、関係ない奴にまでベラベラ喋っても。
 でも、それで二人の身に何かあったら、僕は許さないから」
込み上げる吐き気を後押しするように、アーヴァインの膝が鳩尾に食い込んだ。
胃酸が咽を焼きながら逆流してくる。
「最初に手足折って、咽潰してから、思いつく手段全部使って痛めつけるよ。
 歯は全部折るし、残った目も針刺すよ。身体は死なない程度に、切ったり潰したりするから。
 そんで殺してくださいお願いしますって大声で叫ぶまで、絶対にラクになんかしてやんないから」
無茶苦茶なことを並べ立て――だが、この"化物"は、その時が来れば全てを実行してみせるのだろう。
顔を何かが伝う。それが血なのか涙なのか、判別するだけの思考さえ、今の俺には残されていなかった。
早くここから逃げたかった。殺されたくなかった。
だから、あいつがようやく手を離した時。
俺は口の中のものを吐き出し、げほげほと咽びながら、必死で叫んだ。

「は、話さない……絶対そいつ以外には話さないッ!」
疼くような痛みと涙で霞む視界に、異臭を放つ液体と白っぽい物体が映る。
俺の左目、だったもの。
それが、アーヴァインの足に踏み潰される。
「そいつって誰? はっきり言ってくれなきゃわかんないよ?」
小さなガキに物を尋ねる口調と表情のまま、奴は俺の髪を掴み、無理やり顔を上げさせた。
「リュ、リュック…リュックだ! そいつ以外には話さない、だから……!」
息も絶え絶えになりながら、それでもどうにか答えると、アーヴァインはにっこりと笑った。
「よかった。僕の話、ちゃーんと聞いてたんだね。
 最初から同じこと話さなきゃいけないかな、とか思ってたよ。
 これでピサロさんと一緒にゆっくりしてても安心できるってもんだね〜」
好き勝手なことを言いながら、奴は俺の手をとり、椅子に座らせる。
こいつに逆らおうなんて気力は、もう、残っていなかった。
「包帯持ってくるから、ちょっと待っててね」
だから、そう言って奴が部屋を出て行っても、俺は立ち上がることさえできなかった。

72 :人を脅すのはいけないことです 10/11:2008/09/04(木) 02:05:36 ID:xHqU4obM0
「…………」
普通なら、こういう時は、運命の理不尽さでも呪うのだろう。
けれど、そこまで考えていられる余裕自体が、無い。
カインやピサロのような強者が持つそれとはまた違う、決定的なまでに違う――"化物"だけが持つ、恐怖。
その前じゃあ、普通の人間は、ガタガタ震えて殺されたくないと願うしかできない。

「おまたせー」
戻ってきた"化物"は、ニコニコ笑いながら、布切れと折り畳んだ紙を俺に手渡した。
「あんたは、運悪く飛んできた流れ矢で目を傷つけちゃったんだ。
 それで左目が使い物にならなくなったから、自分で包帯を巻いたんだよね。ほら」
言われた通りに、自分で布切れを顔に巻き付ける。
「スコールやティーダ達に会ったら、ちゃんと"本当のこと"を説明するんだよ?
 僕が何かしたなんて"ウソ"ついてもいいけど……
 誰にも信じてもらえないだろーし、わかったら目玉焼き食べてもらう程度じゃ済まさないから」
俺は首を縦に振った。それ以外に選択肢などあるはずもない。
「オッケー。それじゃ、あとはよろしくお願いするよ〜。
 そっち、城内の見取り図らしいから、それがあれば早く外に出れると思うし!
 じゃ、頑張って、はんちょー呼んできてね!」
背中を押され、部屋の外に出される。
荷物は奪われはしなかった。
奪われたのは左目と、ちっぽけな自信。
殺人者相手でも口先と道具でどうにか渡り合えるんじゃないかとか、そんなあまっちょろい幻想。
それでもまだ、生きている。
死にたくないという気持ちも、残っている。

「……く、そっ」
ふらつきながら、俺は隠し通路から出て、バリアを突っ切った。
目の疼きと、全身の痛みを堪えて、階段を下りる。
そして途中の踊り場にたどり着いたところで、支給品の地図と、見取り図とやらを広げた。

73 :人を脅すのはいけないことです 11/11:2008/09/04(木) 02:09:30 ID:xHqU4obM0
「こっちで……良かったのか……?」
図面の方を見る限り、呆れるほどに複雑な構成をしている。
しかも、どうやら五階の北側と一階の南にそれぞれ出口があるようだ。
山しかない北に行っても仕方が無い。それに山にはもう登りたくない。
ここは、一階を目指すべき、なのだろう。

「……こんなところで、殺されて、たまるか」

自分に言い聞かせるように一言呟き、俺はまた、歩き出した。

【アルガス(左目失明)
 所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵
  ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ)
  ポーション  デスキャッスルの見取り図
 第一行動方針:アーヴァインの頼み事を聞く
 最終行動方針:脱出・勝利を問わずとにかく生き残る】
【現在位置:デスキャッスル3F→外へ移動】
*頼み事の内容:スコール・サイファー・ロザリーにはアーヴァインとピサロの居場所を伝える。
 ティーダ・ユウナ・ギード・テリー・プサン・ロック・リルムには嘘の居場所を伝える。
 リュックにだけ、ユウナがゲームに乗ってエドガーを殺した(かもしれない)ことを伝える。

【アーヴァイン(変装中@白魔もどき、右腕骨折、右耳失聴、冷静状態)
 所持品:竜騎士の靴 手帳 首輪 コルトガバメント(予備弾倉×3) 弓 木の矢40本 聖なる矢20本 ふきとばしの杖[0]
 第一行動方針:ピサロが起きるまで待つ
 基本行動方針:スコールに会い、行動方針を再考する
 最終行動方針:生還してセルフィに会う
 備考:理性の種を服用したことで、記憶が戻っています】
【現在位置:デスキャッスル内部の一室】

74 :人を脅すのはいけないことです 訂正:2008/09/06(土) 00:52:41 ID:TM/jUdms0
アルガスのステータスを訂正します。

【アルガス(左目失明、HP9/10程度、精神的にダメージ)
 所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵
  ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ)
  ポーション  デスキャッスルの見取り図
 第一行動方針:アーヴァインの頼み事を聞く
 最終行動方針:脱出・勝利を問わずとにかく生き残る】
【現在位置:デスキャッスル3F→外へ移動】
*頼み事の内容:スコール・サイファー・ロザリーにはアーヴァインとピサロの居場所を伝える。
 ティーダ・ユウナ・ギード・テリー・プサン・ロック・リルムには嘘の居場所を伝える。
 リュックにだけ、ユウナがゲームに乗ってエドガーを殺した(かもしれない)ことを伝える。

75 :治癒 1/4:2008/09/07(日) 04:00:04 ID:dU4xSpgE0
ターニアがいない。
そのことに気付いて咄嗟に駆け出そうとした足を、リュックは押しとどめた。
駆け出そうとしたのはターニアを探すため。
止まったのは、「待て」と鋭い声が胸を射抜いたためだ。
振り返ると、スコールがこっちを向いていた。
毒のせいで気だるそうではあったが、その目は力を失っていない。

「ターニアがこの辺りにいないことは一目で分かるだろ?
 地形も把握できていない状態で無闇に探したって見つかりはしない。
 それでなくとも、今この状況で戦力を分散させるのは危険なんだ。
 軽々しく動くべきじゃない」

76 :治癒 2/4:2008/09/07(日) 04:01:53 ID:dU4xSpgE0
無口だと思っていたが、いざとなったら多弁なのかもしれない。
戦況分析する軍人のような、淀みない口振りを聞いてリュックはふとそう思った。
それにしても……スコールの声は誰かに似ている。
(誰だっけ?)
一瞬、赤と黒のイメージが脳裏を走った時、ソロが口を挟んだ。

「ここは……闇の世界ですね。
 僕は以前、訪れたことがあります。
 現在地はたぶん、南東部の平原。少し離れた所に祠があったはずです。
 まずはそこから探すということでどうでしょう?」

相変わらず穏やかで、人を落ち着かせるような響きだった。
スコールとソロ。
強いという点を除けば、ある意味正反対かも、とリュックは2人を見比べた。
……あと、目つきが若干悪いという点を除けば。
失敬なことを思うリュックを余所に、バッツが景気づけるように明るく言った。

「そうしようぜ。
 案外、ルカと2人揃ってそこにいるかもしれないし、
 マッシュを落ち着いて寝かせられるとこも必要だしさ」
「……そうだな。
 それでいいだろ、サイファー?」


77 :治癒 3/4:2008/09/07(日) 04:07:12 ID:dU4xSpgE0
バッツの後に、念を押すように言ったのは再びスコール。
視線は目つきが「かなり」悪い男に向いていた。
どうやら、サイファーも咄嗟に駆け出そうとしたクチらしい。
彼はターニアのことを「はぐれた仲間の妹」と言っていた。
ターニアの兄、つまりサイファーの「仲間」は既に死んでしまったため、
尚更ターニアを守らねばという思いが強いのかもしれない。
案外仲間思い?……とリュックが見つめる中、
サイファーはまるきり不良少年のような目でスコールを睨んでいた。
それから唐突に右手をバッツに向けると、彼から何か青い光を吸い出した。
「ドロー」
対象から魔法を吸い出すものだとスコールが説明し、実演していたことを思い出す。
戸惑う一同を前に、サイファーは今度はスコールに手をかざすと魔力の光を浴びせた。
……白魔法の輝きだった。
静謐なその光とは裏腹の表情で、サイファーは不満をたれるように言う。

「まずはてめえを自力で歩けるようにしてからだ。
 お荷物を何人も抱えてたんじゃ、ちっとも動けねえからな」

唖然と目を見張っていたスコールが、その言葉を聞いて軽く笑った。
そして改めて嘆息するように、「殺されるかと思った」と呟いた。
一瞬の静寂の後、1つの怒りの声と、複数の笑い声が沸き上がった。

78 :治癒 4/4:2008/09/07(日) 04:11:31 ID:dU4xSpgE0
【サイファー(右足軽傷)
 所持品:破邪の剣、G.F.ケルベロス(召喚不能) 白マテリア 正宗 ケフカのメモ ひそひ草
      マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
      レオの支給品袋(アルテマソード 鉄の盾 果物ナイフ 君主の聖衣 鍛冶セット 光の鎧)
      スコールの支給品袋(吹雪の剣、ガイアの剣、ビームライフル、セイブ・ザ・クイーン(FF8)
      貴族の服、オリハルコン(FF3)、炎のリング)】
 第一行動方針:スコールの治療後、南東の祠へ移動
 第二行動方針:はぐれた仲間、協力者を探す/ロザリーと合流
 基本行動方針:マーダーの撃破(セフィロス、アリーナ、サックス優先)
 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【マッシュ(気絶、重症、右腕欠損) 所持品:なし】
 第一行動方針:―
 第二行動方針:アーヴァインと緑髪(緑のバンダナ)の男、及びエドガーを探す
 第三行動方針:ゲームを止める】
【ソロ(HP3/5 魔力少量)
 所持品:ラミアスの剣(天空の剣) 天空の盾 さざなみの剣
      ジ・アベンジャー(爪) 水のリング 天空の兜
 第一行動方針:スコールの治療後、南東の祠へ移動
 第二行動方針:はぐれた仲間を探す
 基本行動方針:PKK含むこれ以上の殺人を防ぐ+仲間を探す
※但し、真剣勝負が必要になる局面が来た場合の事は覚悟しつつあり】
【スコール (HP2/3、全身に浅い切り傷、軽度の毒状態、疲労)
 所持品:ライオンハート ひそひ草 エアナイフ
     G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)、G.F.パンデモニウム(召喚×)
 第一行動方針:治療後、南東の祠へ移動
 第二行動方針:はぐれた仲間を探す
 第三行動方針:アーヴァインと緑髪(緑のバンダナ)の男を探す/緑髪を警戒/サックスを警戒
 基本行動方針:ゲームを止める】
【リュック(パラディン)
 所持品:メタルキングの剣 ロトの盾 刃の鎧 クリスタルの小手 ドレスフィア(パラディン)
     チキンナイフ マジカルスカート ロトの剣
 第一行動方針:スコールの治療後、南東の祠へ移動
 第二行動方針:はぐれた仲間を探す
 基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す
 最終行動方針:アルティミシアを倒す】
【バッツ(HP3/5 左足負傷、魔力微量、アビリティ:白魔法)
 所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ 静寂の玉 ティナの魔石(崩壊寸前)
 第一行動方針:スコールの治療後、南東の祠へ移動
 基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【ヘンリー(気絶、後頭部にコブ)  
 所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク
     キラーボウ、グレートソード、デスペナルティ、ナイフ
 第一行動方針:???
 基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【現在位置:南東の平原】

79 :闇夜に灯火 1/7:2008/09/07(日) 05:24:43 ID:dCHkTq3u0
かつて四天王が守り、君臨していたという結界の祠。
その一角の玉座に、今、派手な道化師がふんぞり返って座っている。
「まーーーったく! なんてヒドイところだ! 野蛮で美意識のカケラもありゃしない! 
 繊細なボクちんの神経が死んでしまうじゃないか!」
ランタンに照らされた地図をバンバン叩きながら、ケフカはボヤキまくっていた。
「オマケにこの椅子! 金ピカなだけの安物が! 堅い上に魔獣臭い! もうシンジランナーイ!」
だが、その不機嫌な声とは裏腹に、ケフカの表情は微笑んでさえ見える。
左右対称な地形、張り出した部分に位置する四つの祠と二つの塔。
それらの対角線が交差する場所は魔王の城、デスキャッスル。
他に目ぼしい建造物がない以上、参加者達がこの城を目指す事はまず間違いない。
「さてさて……ボクちんはどうしましょうか」
この場所で、更に大規模な実験を行うのも悪くはない。
上手くいけば、城もろとも次元の狭間へ送ることも可能かもしれない。
「でもですね、それじゃあツマランのですよ」
名簿を捲り、生存者の数を確認する。残りは四十四名。
だが、新たな脱落者が確定するのは次の放送時であり、これは正確な数ではない。
それでもまだ、三十数名は生き長らえているであろう事は確かだ。
「もう少しオマエらには遊んで貰わないとねぇ。ヒャヒャヒャ!」

80 :闇夜に灯火 2/7:2008/09/07(日) 05:26:21 ID:dCHkTq3u0
ここまで生き残ってきただけあり、残りは歴戦の強者揃いである。
少しは運がいいだけの女子供も混ざっているが、ものの数には入らない。
その中でも、特に警戒すべきはピサロだ。
ケフカの裏側を知る者でもあり、恋人を消された恨みも持っている。
それ故、ケフカを血眼で探している事は間違いないし、醜聞を広められる危険もある。
既に誰かに殺されていればそれに越した事はないが、そうでなければ多少厄介だ。
どうすれば楽に始末できるか、そう考えていた矢先、ふと……
カツン、カツン、と、暗い通路の方から足音が聞こえた。
「誰だ?!」
ケフカは飛び起きてランタンを掲げ、通路に向かい鋭く叫んだ。
すると足音はぴたりと止み、向こうも灯りを掲げてこちらを窺う。
「あなたは……」
ぼんやりとした光の中に、もはや見なれた壮年の男が浮かび上がってきた。
「おや……またお逢いしましたねぇ……どうも、あなたとは余程ご縁があるようだ」
近付いてきた相手がパパスと知るや、ケフカは急いで居住まいを正した。

81 :闇夜に灯火 3/7:2008/09/07(日) 05:28:45 ID:dCHkTq3u0
「……そうですか、息子さんはお気の毒でしたねぇ」
「うむ……その上、孫娘の様子までおかしいのだ」
どんなに屈強な戦士といえど、身内の異変には大分ダメージを受けるものらしい。
多少は怪しんでいたようだが、ケフカが同情する素振りを見せるとパパスは警戒を解き、
身の上に起こった出来事をぽつりぽつりと語り始めた。
「私の孫……タバサは、私の顔を知らない。だから、私を敵として警戒するのはまだ理解できる。
 だが、それより問題なのは……あの子は、死んだ息子達がまだ生きてると思い込んでいるのだ」
タバサの目には、父親のリュカ、仲間のピエールが映っているものらしい。
しかし、彼らは勿論、母のビアンカと兄のレックスも既に亡くなっているのだった。
「一瞬だが、タバサの体から黒い霧のようなものが見えたのだ。
 もしかしたら、あれは息子達の幽霊ではないのか、とも思ったが……」
「ふん、黒い霧ねえ……」
「何れにせよタバサは……幻を見て、それを現実と錯覚しているとしか思えない」
パパスは頭を抱え、深い溜息を吐いた。
「そりゃあ無理もない。そんなガキ……いや、子供がこーんなキチガイ沙汰に巻き込まれたんじゃ、
 おかしくなったって不思議じゃあありませんよ。それは気にしちゃいけません」
「……そうだな」
慰めの言葉を掛けると、パパスは少々落ち着いた様子を見せた。

82 :闇夜に灯火 4/7:2008/09/07(日) 05:31:32 ID:dCHkTq3u0
無論、ケフカがこのように慇懃な態度を取るのは魂胆があっての事だ。
パパスにはまだ利用価値がある。そして、子供のくせに強力な魔法を使うという孫娘も……
「そう言えば……ケフカ殿、お仲間はどうなされたのだ?」
「え?! な、仲間ぁ?!」
出し抜けに聞かれ、思わずケフカの声は裏返った。
「あ……ああ、アイツらね……」
パパスが仲間と言っているのは、昨夜一緒にいたピサロ達の事に他ならない。
咄嗟にどう誤魔化すか考えたその時、突然、ケフカの脳裏に閃くものがあった。
『アヒャ! やっぱボクちん天才!』
その企みに笑い出したくなるのを堪え、ケフカはわざと沈痛な表情を作る。
「その事なんですが……実は……あの、ピサロという男……
 ほら、耳がこーんな感じで長い銀髪の奴がいたのを覚えてるでしょう?
 あの野郎……実はトンだ食わせ者だったんですよ」
ケフカは肩を落とし、大袈裟に溜息を吐いてみせる。
「あの黒いローブの男か……何かあったのか?」
「あったなんてもんじゃあない! ありもアリ、大アリだ!
 なにしろザンデと、事もあろうに自分の恋人まで一緒に消し去ったんですから!」
「何だと?!」

83 :闇夜に灯火 5/7:2008/09/07(日) 05:34:21 ID:dCHkTq3u0
ケフカの話はこうだ。
彼らがカナーンへ到着した時、ピサロの恋人・ロザリーは別の男、イザと一緒だった。
それを見たピサロは有無を言わさず、いきなりイザを惨殺した。
その事がキッカケでピサロとロザリーが険悪な雰囲気となり、
見兼ねたザンデがロザリーに魔法を掛けて縮小し、彼女を保護した。
するとピサロはザンデを襲い、ロザリーもろとも魔法でどこかへと消し去った。
ピサロは、目撃者である自分も消そうと迫ってきたので必死で逃げ回ったところ、
運のいい事に、隠れた先の民家に旅の扉があり、そこに飛び込んで事なきを得た……
「いやあ、男の嫉妬ってコワイコワーイですねぇ〜」
「ふむ……そんな感じには見えなかったが……」
パパスはどこか釈然としない様子だが、話の大枠は信じたようだ。
「消し去る魔法……ニフラムか」
「ニフ……そうそう、確かそんな呪文でしたよ」
ケフカでも聞いた事のない魔法だったが、取り敢えずは同調してみせる。
「もう一人いたと思うが……頭に角のある……」
「ああ、アイツなら、アリーナを追っていくと言うので別れました。それっきりです」
その後のマティウスについてはケフカも知る由がない。パパスも大きく頷く。
「そうか……ケフカ殿も苦労されているようだな」
「ああ、マッタクだ! ……いや、全くです」

84 :闇夜に灯火 6/7:2008/09/07(日) 05:38:24 ID:dCHkTq3u0
一通り会話が終わると、パパスはザックを背負い直して立ち上がった。
「さて……私はそろそろここを出ねばなるまい。
 早くタバサを見つけねば……あの子自身にも、関わった者にも危険が及ぶ。
 ケフカ殿はどうされるおつもりか?」
「そうですねぇ……」
ケフカは一旦考える振りをし、ポン、と手を叩いた。
「そうだ! 私も一緒にお孫さんを探してあげましょう!
 相手はガ……子供でしょう? だったら私の出番じゃないですか!」
ケフカは道化師然として、わざとおどけて見せる。
「しかし、タバサは正気では……」
「ボクち……私に任せなサーイ! なにしろ、子供はみんなピエロがダーイ好きなんですから!
 ……その代わり……と言ってはナンなんですが……」
「うむ、前にレオという男を取り逃がした手前もあるしな。
 今度こそ、ピサロという男については、私が何とか対処してみよう」
「ヒャヒャ! 頼みましたよ、パパスさん!」

85 :闇夜に灯火 7/7:2008/09/07(日) 05:40:53 ID:dCHkTq3u0
話もまとまり、二人は前後して祠の中の歩き始めた。
灯りのない通路は曲がりくねっており、抜け出すのに思いの外時間が掛かったが、
その先の階段を上がっていくと、ようやく出口が見え始めてきた。
『ヒャヒャヒャ、筋肉ダルマが単純バカなのはどこの世界でも一緒ですねぇ!
 せいぜい、ボクちんの盾として頑張って貰いましょうか。アーヒャヒャヒャ!』
先導するパパスの持つ灯りを見つめながら、ケフカは心の中で高笑いを続けた。


【パパス(軽度ダメージ)
 所持品:パパスの剣、ルビーの腕輪、ビアンカのリボン
 リュカのザック(お鍋の蓋、ポケットティッシュ×4、アポカリプス(大剣)、ブラッドソード、スネークソード)
 第一行動方針:タバサを探す/ピサロを警戒する
 第二行動方針:別れた仲間を探し、新たな仲間を探す
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【ケフカ(MP3/10程度)
 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 魔法の法衣  アリーナ2の首輪
 第一行動方針:パパスを(見つかればタバサも)利用する、あわよくばピサロと戦わせる
 第二行動方針:「できるだけ楽に殺す方法」を考えつつ全員を殺す
 最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】
【現在位置:南西の祠】

86 :前途多難 1/4:2008/09/08(月) 04:49:59 ID:9kcWjTpn0
旅の扉を抜けた瞬間、目の前には二人の人物がいた。
こちらからすれば不意を突かれた状況だ。それは向こうも変わらないだろうが。
二日目、カズスにて一悶着あった騎士と一日目、レーベにて襲いかかった女。
別にこいつら二人の関係について詮索するつもりはないが、
これがカップルだとしたら、随分妙なカップルもあったものだ。

「一度見た顔だな。確かサックスと……………済まんな、
 これだけ人が多いと全員は覚え切れんのだ。だがまあ、健康そうでなによりだ」
多少皮肉を交えた形式的な挨拶。挑発ともいう。
サックスのほうはあからさまにこちらに敵意をむき出し、
女のほうは名前を呼ばれなかったことにムッとする。

「…そう怖い顔をするな。正直なところ、俺には今戦う気はないのだが…。
 ここは穏便に済ませようといっても、そうはいかんのだろう?」
体力は心もとない。ここで無理に戦わず、休憩時間にしたいというのも本音だ。
だが、この二人がそう簡単に見逃してくれるだろうか?
サックスに関しては襲いかかった上に罪を全部なすりつけているし、
女に関しては同行者を殺害している。
実際にそれをおこなったのはアーヴァインだが、そのようなことは言い訳にもならない。
となると、戦闘は避けられないのだろう。
どちらかに手傷を負わせて逃げるくらいがちょうどいい。
カズスを発ってから、戦闘に次ぐ戦闘、カエルとしての生活、寝坊、
妙に荒れていた旅の扉、厳しい気候と経て、色々と磨り減ってしまっている。
先制を取れず、数も体力も向こうが上。精神面で優位に立つしかない。
サックスは守りに特化した騎士だったが、女のほうは分からない。
非戦闘員かもしれないが、魔術師、もしかすれば剣士である可能性もないわけではない。
どちらもそれなりの体力はあったと記憶している。

87 :前途多難 2/4:2008/09/08(月) 04:50:58 ID:9kcWjTpn0
サックスが一歩前へ踏み出る。
「気は進まんが、少しばかり付き合ってもいいぞ」
軽口とは裏腹に、脳内ではあらゆる撤退のシミュレーションをしている。
だが、意外にも女は手を伸ばしてサックスを制止した。
「いえ、こちらも戦う気は……ありません」

苦々しげな表情を浮かべてはいるが、女からは停戦に応じる答えが返ってくる。
殺人者を野放しにしておけないだとか、仲間の仇などといって戦うことになると思っていたが。
まあ、戦わなくてすむのならそれにこしたことはない。
それで少し気を緩めたのが仇となった。
「サックス!?」

気が付けば顔に鈍い衝撃。
次に気が付いたときは、サックスに組み敷かれていた。
「くそ、まんまと騙された。
 油断を誘っておいて奇襲とは、なかなか小賢しい手を使うものだな」
盾と篭手こそ付けてはいるが、槍は少し離れた場所に転がり、ザックは背中の下、取れない。
サックスは、落としたそのザックに手を伸ばし、掴み取る。

「エリアは戦わないと言いましたが、僕はまだ何も答えていない。
 それに、あなたに小賢しいなどと評価されたくはない」
「詭弁を弄するようになったな? それがフリオニールを欺いた手腕か?
 それでよくもまあ恥ずかしげもなく、騎士を名乗れるものだ」
馬乗りのまま殴りつけてくるサックスを、足で蹴り飛ばす。
さすがにジャンプ攻撃ほどではないものの、人間一人吹っ飛ばす程度の威力はある。

「ぐっ、なんとでも言うがいいさ。僕は優勝することに決めた。だから、どんな手段でも使う。
 それに、エリアがなんと言おうと、あなたを見逃すなど僕の中ではありえない」
中から武器を取り出そうとして、つかみ出したのは丸い宝玉、それだけ。

88 :前途多難 3/4:2008/09/08(月) 04:52:18 ID:9kcWjTpn0
「フッ、加速装置か、それとも使っていたあの剣がなくて弱っているのか?
 優勝を望むといった割には、随分と無計画だな」
落とした槍を拾い上げ、くるりと一回転させ、突きつける。
殺人者なら、手を組むことはあっても支給品の受け渡しなどないとでも思っていたのか。
それとも、ただの感情的な行動だったのだろうか?
これでは、連れにも嫌われるだけだろうに。
ちらと呆れているであろう女のほうを見る。
だが、浮かぶ表情は哀れみや悲しみを耐え忍ぶようなもの。

「感情に任せて武器も持たずに襲い掛かり、無駄に体力を浪費する。
 それでは実力のほども高が知れる。連れの女のほうがまだ見込みがあるというものだ」
女の手にはザックから取り出したらしい何かがあるようだ。
確か、サックスが一度使っていた、声を増幅させる機械。

「この場でその息の根止めやってもよいのだが、今回は見逃してやる。
 先ほど言ったとおり、俺は今あまり戦う気がないのでな。
 さ、俺の気が変わらぬうちに、立ち去るがよい」
戦意は大方挫いたとはいえ、あの器械を使われると厄介だ。
周りの祠、塔、城、どこも人が集まりそうな場所だ。
この狭いフィールド、そこら中から大勢集まってはたまったものではない。

女のほうが一礼をし、宝玉とザックを寄越し、サックスを連れてこの場を後にする。
初めはカップルと称したが、あれでは介護者と患者だ。
女の表情、おぼろげながら覚えがある。
洗脳されていたころに向けられた、セシルやローザの……
…今更何を感傷的になっているのか。

二人は小さな森のほうへ向かう。なら、こちらは必然的に他の場所へ向かうことになる。
地図を一瞥。森がほとんどないものの、茂みと山があるらしい。
「まずは茂みに身を隠すか……」
まだまだ疲れの残る体を引きずって、北へと歩を進めた。

89 :前途多難 4/4:2008/09/08(月) 04:54:31 ID:9kcWjTpn0

うつむいたままのサックス。
カインやアーヴァインを許すなど到底ありえないが、でも戦いは避けたかった。
サックスが落ち着くのを優先したかった。
丸腰にしておけば余計な戦いは避けるかと思っていたが、どうやら見込み違いだったらしい。
もっとも、ギルバートを殺したあの男をやっつけるのを期待しなかったとは言えないが。
だが、サックスはこれほど感情的な性格だっただろうか?
無理をしているというより、自棄になっているというほうが正しいのかもしれない。
あの男への攻撃も、何か八つ当たりのような印象を受けた。
うつむいたサックスの目から、水滴が一つ地へと落ちていった。
「サックスさん、昨日も眠っていなかったですよね? しばらく休みましょう。
 今は動いてもいいことはありませんから」
「………どうして?」
「えっ?」
サックスが何かを言おうとして、結局黙り込む。体が少し震えていた。
サックスの気配が少し薄くなったころ、改めて耳を澄ますと、
捨ててだとか、嫌だとか、分かりそうで分からない言葉が羅列されていた。
どうやら、彼は眠りに落ちたらしい。

【エリア(体力ほぼ回復、下半身の怪我は回復気味)
 所持品:スパス スタングレネード ねこの手ラケット ビーナスゴスペル+マテリア(スピード)
     天使のレオタード 拡声器 ポーション 水鏡の盾
 第一行動方針:サックスからはなれず、周囲とサックスの見張り
 第二行動方針:内から少しずつサックスを矯正する
 基本行動方針:サックスより先に死なない/サックスに殺させない/サックスを捕らえさえない】
【サックス (HP7/10、極微度の毒状態、左肩負傷。後頭部にコブ)
 所持品:スノーマフラー
 第一行動方針:眠る
 第二行動方針:成り行きに任せる、エリアのことは先延ばし
 最終行動方針:優勝して、現実を無かった事にする】
【現在位置:希望の祠北西の森】

【カイン(HP1/5、左肩負傷、肉体疲労、精神的に疲労)
 所持品:ランスオブカイン ミスリルの篭手 プロテクトリング レオの顔写真 ドラゴンオーブ ミスリルシールド
 第一行動方針:目立たないところで休む
 最終行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】
【現在位置:南の平原より北の茂み】

90 :化物 1/2:2008/09/08(月) 15:30:44 ID:M54kA12C0
激しい心臓の動悸が、鼓膜にも伝わる。
人間の視覚を担う眼球が潰される様を残る右目の視神経がしっかりと焼き付けていた。
器官を潰されてしまっては、薬であろうが魔法であろうが回復しようがない。
かつて彼の左の眼球が収まっていた場所から、生温かい血液が流れ出てくる。
アーヴァインに渡された布切れに体液と赤黒い血がにじむ。
半分になった視野と掴めなくなった距離感で、彼はデスキャッスルの外を目指していた。
冷たい石造りの床に力ない足音が響く。

彼――アルガス・サダルファスは壁を伝いながら息も絶え絶えに、
三階から二階へ続く階段を降りていった。
複雑な城の構造は、それだけでも彼の体力を奪っていった。

「全く、情けないやらなんやら」
彼得意の嘲笑交じりの口調で、己の不運を嘆く。
このゲームとやらに巻き込まれたのも不運だが、ここまで生き残って、
よもや左目を失うなんて。
先程の「化物」の顔がふと頭をよぎる。

彼が産まれた国の、彼が生きた時代は戦乱の渦にあり、
人が簡単に命を落とすなど茶飯の出来事であった。
違う時代の価値観と比較すれば殺人に対しての価値観が麻痺していると言えるかもしれない。
だからこそ彼はこのゲームで人を欺き、生き残ってきたのだ。

91 :化物 2/2:2008/09/08(月) 15:33:38 ID:M54kA12C0
しかし先の「化物」は、明らかに異質だった。
彼が参加した戦争には大義があり、理由があった。
少なくともその下で人が人を殺め、そして死んでいったのだ。

アーヴァインは――違う。
あの口元が緩んだ笑顔。まるで狂気を弄んでいるかのような。
その気になれば、人間は快楽で人間を殺めれるのだろうか?
子供をあやすような、いや子供のような口調だった。

『スコールやティーダ達に会ったら、ちゃんと"本当のこと"を説明するんだよ?』


その言葉を思い出した途端、アルガスの残った右目から涙が溢れた。
恐怖や困惑、憎しみといった感情が結晶するやいなや飛沫となってはじけたのだ。
今までに味わったことのない、怪物に対する言い様のない畏れに泣いてしまった。

どうしよう。血より涙が止まらない。

ただ恐ろしい。
籠の中の鳥のように、身震いした。

「殺されて、たまるか。」
―あんな眼をした、あんな笑顔の、化物なんかに!

見取り図を頼りに、なんとかデスキャッスルの入り口まで辿り着いた。
そしてアルガスは、アーヴァインに言伝を頼まれた、あの者がいた。


【アルガス(左目失明)
 所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵
  ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ)
  ポーション  デスキャッスルの見取り図
 第一行動方針:アーヴァインの頼み事を聞く
 最終行動方針:脱出・勝利を問わずとにかく生き残る】
【現在位置:デスキャッスル入口付近】
*頼み事の内容:スコール・サイファー・ロザリーにはアーヴァインとピサロの居場所を伝える。
 ティーダ・ユウナ・ギード・テリー・プサン・ロック・リルムには嘘の居場所を伝える。
 リュックにだけ、ユウナがゲームに乗ってエドガーを殺した(かもしれない)ことを伝える。

92 :訂正:2008/09/08(月) 15:35:02 ID:M54kA12C0
すいません最後の一文
そしてアルガスは、アーヴァインに言伝を頼まれた、あの者がいた。

そしてアルガスは、遠目にアーヴァインに言伝を頼まれた、あの者を見つけた。

93 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/11(木) 03:18:45 ID:1dXgl1pc0
保守

94 :どんなに脅しても無理なものは無理なんです 1/8:2008/09/12(金) 04:36:50 ID:2P1PklJI0
言伝を頼まれた相手。目の前の大集団。
(ここまで来て、伝言をしても、動いてくれるのか?)
一抹の不安がアルガスの中をよぎる。
早くも、しかも集団で出会うとは、完全に予想外だった。しかも、クリムトもいる。
アルガスには、この集団が特大の不幸を運んできたように見えた。

とにかく、ゲームに乗っているらしいユウナに理由つきで攻撃されては困るため、両手を挙げておく。
(とにかく、嘘だ、嘘、嘘を言えばいいんだ)
間違いがないように言い聞かせる。

「クリムトか、無事だったんだな」
仲間に向ける言葉ではない、この先に続くはずの言葉は何故無事なのだと相手を呪う類のもの。
「うむ、気付いたらこの世界に倒れていてな。
 そなたは、何が起こったのか知らぬか?」
「ああ、えーとな、よく分からねえんだ、悪いな」
「そうか、……ならば仕方あるまい。お主が生きていて、何よりだ」

「ところで、その包帯は一体? 以前は付けておらんかったが」
もう一人の顔見知り、ギードが尋ねてくる。
「あ、ああ、これか。これは……」
思い出したくない記憶がフラッシュバックされる。
よろけてしまいそうになるが、ここでそうなるわけにはいかない。
倒れて、この城の部屋に運ばれたりしたら、ゲームオーバーに一気に近付く。
「これは、ちょっと前に流れ矢に当たって、治療したんだ」
「ふむ、まだ血が出ておるな。どれ、少し見せてみい」
ギードが治癒魔法を唱える。回復量は雀の涙ほどではあるが、血は何とか止まる。

95 :どんなに脅しても無理なものは無理なんです 2/8:2008/09/12(金) 04:38:11 ID:2P1PklJI0
だが、アルガスも治療をしてもらうのが目的ではない。
いつアーヴァインが現れるのか分からないのだ、早めに切り上げたい。
挨拶はそこそこにして、早速本題を切り出す。
「あ、ところでお前ら、ティーダとユウナだよな?
 ちょっと前に、アーヴァインとピサロに会ったんだが」
「え、アービン? アービンに会ったんスか!? どこで!??
 どうしてた!!?? 怪我してなかった!!!??」
まるで人が変わったかのようにアーヴァインのことを問い詰め始めるティーダ。
少し離れただけだというのに、あるいは目が届かなくなると急に不安になる、そういう心理。
「ね、ティーダ、落ち着いて! そんなにいっぺんに聞いても困ってるって」
ユウナがアルガスに掴みかからんとするティーダを抑える。

ティーダは落ち着いたものの、アルガスの不愉快メーターはもはや止まらない。
別に心配されたいわけでもないが、アルガスの目の傷や体よりもアーヴァイン。
「くそッ、俺を殺す気か? これだから仲間のことしか頭にないやつは……!」
「…悪かったッス。つい、頭に血が昇っちまって。そ、それでアービンは…?」
「具体的な目的地は言ってなかったが、西のほうに行くっつってたぜ。
 もっとも、本当にそっちに向かったか保証はできないがな」
とりあえず、アルガスは約束通り嘘は教えた。あとはそっちに行って貰うだけなのだが。
「すぐに追いかけようよ! アービン兄ちゃんに追いつけるかもしれないし」
「そうッスね、今すぐにでも」
追いかけることを主張するテリーとティーダ。
だが、他のメンバーはちょっと違う。

96 :どんなに脅しても無理なものは無理なんです 3/8:2008/09/12(金) 04:39:15 ID:2P1PklJI0
「すみませんねえ、私たちは城に残ろうと思うんです」
「な、何故だ? こちらとしても、アーヴァインと約束をかわした手前、
 それを破りたくはないんだが……」
「この城の設備に興味がありましてね。察していただければ幸いです」
「設備? 何するつもりなんだ? 研究とやらの続きか? そういや、どこまで……」
「わ、ちょっと、ストレー…むぐっ……」
「バカ、お前が騒いでどうすんだ」
このタイミングで騒ぐのは、研究をしていることをバラすに等しい行為。
慌てたティーダの口をロックが無理矢理塞ぐ。

「なんか言っちゃマズいことでもあるのか?」
プサンが、盗聴とだけ書かれた紙きれをアルガスに見せる。
もう研究くらいならバレバレだろうと思えなくもない。
一日目にすでに口に出して言っているのだから。
「この程度、今更だろ……それにしても、本当に追いかけねぇのか?」
「折角のチャンスですからねえ。二手に別れれば、十分用は足せるでしょう」
アルガスの心臓の鼓動はどんどん速くなっていく。
ギードたちを引き止めるのは難しすぎる、かといっていい考えは浮かばない。


「……この城の見取り図だ。時間も惜しいんだろ? 持っとけ。
 ただでくれてやるから、必ず結果を残せよ? 俺はこんなところ、長くいたくはないからな」
一応の弥縫策。城の見取り図を渡しておくことにした。
あちこち動き回られてアーヴァインと接触されるのは厄介。
見取り図さえあれば、とりあえず余計なところを動き回られることはないだろう。
出くわすのが遅ければ遅いほど、なんとか誤魔化せる。
結局は運まかせなのだが。

97 :どんなに脅しても無理なものは無理なんです 4/8:2008/09/12(金) 04:42:39 ID:2P1PklJI0
また、城に残ると言うのはギード、クリムト、プサン。
強さを知らないアルガスにしてみれば、若干、戦闘力に不安が残る。
「あ、私残ります。護衛とか見張りも必要だろうし」
ユウナが見張り役を買って出てはいるが、
ある筋から前情報を得ているアルガスにとっては、内心まったく穏やかではない。
「おいおい、本当にこれでいいのかッ!?」
「何がです?」
「あ、……いや、え〜と、な、女一人で大丈夫なのかって……」
「心配無用です。これでも、私それなりに戦えますから」
「いや、そこじゃなくってだな…」
「じゃ、どこなんです?」
「それは……」

ロックがティーダを背中から軽く小突く。テリーもちらちらとティーダを見る。
ようやく気付いたティーダが言葉を発する。
「ま、待って。できればユウナには一緒に来て欲しいッス。
 そりゃあアービンのことも心配だけど、なんていうかな、また誤解されるのも嫌だしさ」
昨日の夜、さんざんアーヴァインやロックに指摘されたことだ。
絶対にカマをかけている、と。ティーダとしても、さすがに何度も同じ過ちを繰り返したくはない。
護衛も直ちにロックが変更を申し出た。こうなってはユウナも従わざるを得ない。

「ではティーダ、ユウナ、テリーよ。我々はここに留まるが……。くれぐれも早まるな。
 特にティーダよ、一人にとらわれすぎて、盲目になってはならぬぞ」
「??? どういう意味ッスか?」
「お前がアーヴァイン探しに熱を入れすぎて、他の三人を放っておくなってことだよ。
 ちゃんと三人とも守ってやれよ」
「…余計なお世話ッス!」

98 :どんなに脅しても無理なものは無理なんです 5/8:2008/09/12(金) 04:45:24 ID:2P1PklJI0
結局、ティーダ、テリー、ユウナが城から離れ、
ギード、クリムト、ロック、プサンが城に残ることになる。
とりあえず、アルガスとしては研究チームをユウナと引き離せただけでも救いだが。

「アーヴァイン君に会ったら、ひとまずここで落ち合いましょう。
 ピサロ殿もできれば連れてきていただきたい」
「OKッス、二人を連れてくればいいわけッスね。じゃあ行ってくるッス」
「待ってください!」
ティーダが出発しようとした矢先、どこかから声が聞こえてきた。

「今、ピサロ様と申されましたか…?」
アルガスが耳を澄ませば、何もないところから、かすかに聞き覚えのある声が聞こえる。
見えにくい目で声のする方向を辿り、凝視する。
全体的に黒系の色が目立つ中で、一際目を引く白と桃の何か。
よく見れば、それは人型。よく見れば、何度も見た姿。
(……おいおい、勘弁しろよ!? なんでこんなとこにいんだよ!?)
ロザリー。アーヴァインから真反対の伝言を頼まれていた相手。
小人にとっては険しい道のりをひたすら歩き続けていたためか、
耳が破れたり、ドレスが千切れていたりでボロボロだ。
ギードの魔法で、ロザリーが小人からようやく元の大きさに戻る。

アルガスの心労がものすごいことになってしまっている。
普段なら悪態の一つもつくところだが、今回はそんな余裕はない。
驚かすな、だとか、なんで話を聞いてないんだ、だとか、言葉は出てくるものの、
普段のようにはいかない。心中決して穏やかではない。
結局、開き直るしかなかった。
(少なくともロザリーがこっちに向かわなかったことにすれば…
 いや、ダメだ、カメの野郎がいる…! 話されれば絶対バレる。どうする、どうすればいい!?
 ……くそ、こうなりゃもうとことん誤魔化すしかない!)

99 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/12(金) 05:10:59 ID:xzKL/ox10
 

100 :代理投下 6/8:2008/09/12(金) 09:39:57 ID:cA3VszhW0
テリーと知り合いでもあったロザリーの同行をティーダは快諾し、話はとんとんと進む。
ユウナはあまり面白くなさそうな顔をしていたが。
そうして、ティーダ、テリー、ユウナ、ロザリーは急ぎ城から離れ、
ギード、クリムト、ロック、プサンが城に残って研究を始める。


さて、アルガスはというと…。
もはや約束がどうこうというレベルではない。
不可抗力とはいえ、四人も真逆の行動を取らせてしまった。
もし再度会えば、何をされるか分かったものではない。
いや、本当は分かっているのだ。
一日目のあの女性のように、およそ人とは思えない末路を取らされるに決まっている。
アルガスの脳内には保身の感情のみ。
(逃げるしかない! この城に二度と近付かなければいいんだ!
 東だ、東ならこいつらもあの化け物もまだ来ない! 頼むから、二度と俺に近付いてくれるなよッ!)

【アルガス(左目失明)
 所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵
  ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ) ポーション
 第一行動方針:アーヴァインから逃げる
 第二行動方針:アーヴァインに殺されないようにする方法を考える
 最終行動方針:脱出・勝利を問わずとにかく生き残る】
【現在位置:デスキャッスル南東の茂み】
*頼み事の内容:スコール・サイファーにはアーヴァインとピサロの居場所を伝えてほしい。
 リルムには嘘の居場所を伝えてほしい。
 リュックにだけ、ユウナがゲームに乗ってエドガーを殺した(かもしれない)ことを伝えてほしい。

101 :代理投下 7/8:2008/09/12(金) 09:42:39 ID:cA3VszhW0
【プサン 所持品:錬金釜、隼の剣 (左肩銃創)
 第一行動方針:首輪の解析を依頼する/ドラゴンオーブを探す
 第二行動方針:アーヴァインが心配/首輪の研究
 基本行動方針:仲間を探しつつ人助け】
【ギード(HP2/5、残MP1/3ほど)
 所持品:首輪 デスキャッスルの見取り図
 第一行動方針:ルカとの合流/首輪の研究
 第二行動方針:アーヴァインが心配】
【クリムト(失明、HP1/5、MP1/4、守備力25%UP) 所持品:なし
 第一行動方針:首輪の研究
 基本行動方針:誰も殺さない
 最終行動方針:出来る限り多くの者を脱出させる】
【ロック (左足負傷、MP2/3)
 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード 魔石バハムート 皆伝の証、かわのたて
 魔封じの杖、死者の指輪、ひきよせの杖[0]、レッドキャップ、ファイアビュート、2000ギル
 第一行動方針:ギードらの研究の護衛
 第二行動方針:ピサロ達、リルム達と合流する/ケフカとザンデ(+ピサロ)を警戒
 基本行動方針:生き抜いて、このゲームの目的を知る】
【現在位置:デスキャッスル入り口】

102 :代理投下 ここまで 8/8:2008/09/12(金) 09:44:01 ID:cA3VszhW0
【テリー(DQM)(右肩負傷(9割回復)
 所持品:突撃ラッパ シャナクの巻物 樫の杖 りゅうのうろこ×3 鋼鉄の剣 雷鳴の剣 スナイパーアイ 包丁(FF4)
 第一行動方針:アーヴァインを追う
 第二行動方針:ルカを探す】
【ティーダ(変装中@シーフもどき)
 所持品:フラタニティ 青銅の盾 首輪 ケフカのメモ 着替え用の服(数着) 自分の服 リノアのネックレス
 第一行動方針:アーヴァインを追う
 基本行動方針:仲間を探しつつ人助け/アルティミシアを倒す】
【ユウナ(ガンナー、MP1/3)(ティーダ依存症)
 所持品:銀玉鉄砲(FF7)、やまびこの帽子、官能小説2冊、 対人レーダー
 天空の鎧、ラミアの竪琴、血のついたお鍋、ライトブリンガー、ブリザド
 第一行動方針:ティーダに付いていく
 第二行動方針:あわよくば邪魔なギードとアーヴァインをティーダに悟られないように葬る
 基本行動方針:脱出の可能性を密かに潰し、ティーダを優勝させる】
【ロザリー(プロテス、ヘイスト、リフレク) 
 所持品:守りのルビー、力のルビー、破壊の鏡、クラン・スピネル、E猫耳&しっぽアクセ ウィークメーカー
 ルビスの剣 妖精の羽ペン 再研究メモ、研究メモ2(盗聴注意+アリーナ2の首輪について) 、ザンデのメモ、世界結界全集
 第一行動方針:ピサロを追う
 第二行動方針:脱出のための仲間を探す[ザンデのメモを理解できる人、ウィークメーカー(機械)を理解できる人]
 最終行動方針:ゲームからの脱出】
※ザンデのメモには旅の扉の制御+干渉のための儀式及び操作が大体記してあります。
【現在位置:デスキャッスル南西の茂み】

103 :ひとりでできないもん 1/5:2008/09/12(金) 13:33:25 ID:tLMrF3c10
旅の扉を無気力なままに越えた先。そこには誰もいなかった。
当然だ。自分はたった一人で旅の扉へと入っていったのだ。
たった独り、誰もいない。アルスも、ローグも、フルートも。
タバサやビアンカ、ギルダーもいない。初めての独り旅。
ここまで心細かっただろうか。ここまで静かだっただろうか。
あの強く頼れる勇者がいない。あのか弱く頼ってくれた少女がいない。
ここまで虚しかっただろうか。ここまで切なかっただろうか。

「まぁいいや……アルスを見つければ良い話だし?」

独りが故に言葉は誰にも届くことは無い。だが呟かずにはいられない。
孤独なままに闇の世界へとたどり着いた賢者――セージは、果てしなく無気力だった。

「で……ここ、どこ?」

ザックから地図を取り出して開くと、またも内容が姿を変えている。
浮遊大陸と呼ばれた舞台から次の舞台へ。
旅の扉によって移り変わっていったことを何よりも実感させる。
だがそんなことも最早意に介さずにじっと眺める。

「ん……?」

ふと、自分の眼前に何か黒いものが現れた――ような気がした。
いや、気のせいではない。何かがうねうねと動いているのが微かに見えた。

「邪魔」

靄と言うべきであろうそれを、セージは手で追い払った。

104 :ひとりでできないもん 2/5:2008/09/12(金) 13:36:44 ID:tLMrF3c10
理由は単純――ずばりただの我侭だ。
今のセージはお世辞にも精神的に健康とは言いがたい。
浮遊大陸で、そしてサスーン城で色々なことがありすぎた所為で、正直疲れているのだ。
正直もう一人では何もする気力も起こらないし、孤独に過ごすのも嫌だ。
だからといって知らない誰かと一緒に行動したところで、自分の心の渇きは癒せないだろう。

――――だから、心の拠り所が欲しい。

求めるのは労わり。欲しがっているのは癒し。
抱くのは、どうせ自分みたいなもやし一人が何かしたところで何も変わるはずが無い、という心の奥底での絶望。
だから自分が最も信頼する人間と会いたい。疲れきった体と心を凭れかけられる相手が欲しい。
故に気の置けない相手を求める。それは実は自分の精神を安定させたいだけの独善的な欲望。
セージはただその為だけに、今を生き抜こうとしていた。

「とりあえず……探さないとね」

旅の扉をくぐる直前から、セージの呟きは溜息混じりな物ばかりだった。
今までの舌の動きとはまるで違う。疲弊した喋り方は、心の疲れを思わせる。
俗っぽい言い方をすれば、そう――"テンションが低い"と言うべきか。
だがそれもアルスに出会えば解消されると本人は思い込んでいる。
最早今のセージはただの依存の塊だった。だが彼はその事には気付かない。
無意識下の傲慢さに気付かないまま、アルスを探す為だけに立ち上がり、歩き出そうと一歩踏み出した。

「う、うわっ」

が、その瞬間彼は足を縺れさせて倒れてしまった。
突然の事態。予期せぬ事故とそれを起こした自分自身に対して驚きの声を上げる。

105 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/09/12(金) 13:41:16 ID:tLMrF3c10
失礼、ミスです。投下順を間違えました。
こんがらがるので始めから投下しなおします。

以下、もう一度やりなおし。

106 :ひとりでできないもん 1/5:2008/09/12(金) 13:42:39 ID:tLMrF3c10
旅の扉を無気力なままに越えた先。そこには誰もいなかった。
当然だ。自分はたった一人で旅の扉へと入っていったのだ。
たった独り、誰もいない。アルスも、ローグも、フルートも。
タバサやビアンカ、ギルダーもいない。初めての独り旅。
ここまで心細かっただろうか。ここまで静かだっただろうか。
あの強く頼れる勇者がいない。あのか弱く頼ってくれた少女がいない。
ここまで虚しかっただろうか。ここまで切なかっただろうか。

「まぁいいや……アルスを見つければ良い話だし?」

独りが故に言葉は誰にも届くことは無い。だが呟かずにはいられない。
孤独なままに闇の世界へとたどり着いた賢者――セージは、果てしなく無気力だった。

「で……ここ、どこ?」

ザックから地図を取り出して開くと、またも内容が姿を変えている。
浮遊大陸と呼ばれた舞台から次の舞台へ。
旅の扉によって移り変わっていったことを何よりも実感させる。
だがそんなことも最早意に介さずにじっと眺める。

「ん……?」

ふと、自分の眼前に何か黒いものが現れた――ような気がした。
いや、気のせいではない。何かがうねうねと動いているのが微かに見えた。

「邪魔」

靄と言うべきであろうそれを、セージは手で追い払った。

107 :ひとりでできないもん 2/5:2008/09/12(金) 13:44:12 ID:tLMrF3c10
黒い何かはそれに微かに抵抗するようにうねうねと動くと、溶けるように消えていった。
いや、消えたわけではなくただ見えなくなっただけなのかもしれない。
その前に一体あれは何だったのだ。あんなものは見たことが無い。
少し考えてみるが――どうせ幻覚か何かか、とたかを括った。
そう、今の彼にはどうでも良い。優先すべき事項ではないと判断したのだ。
ため息を一つつき、セージは地図から視線を外して辺りを眺める。

「最北端、なのかな……?」

確認するように呟き、辺りの地形を確認した。
歩くには適さないであろう巨大な岩山が目の前に立ちふさがっている。
さながら壁だ。その正反対を眺めれば、遠くに同じような岩山があった。
もう一度地図を眺め、更に方位磁石をザックから取り出す。
そしてまたもや辺りを見回し、次にまた地図と方位磁石に視線を戻す。
それを何度か繰り返して、彼はやっと理解した。

「……やっぱり一番北、か……アルスもいないなぁ……」

セージは自身が最北端に位置する場所にいる事に気付き
そして今の自分の視界内には、肝心のアルスがいない事を察した。
ならばここに用は無い。すぐに移動しなければ。
今の自分がしたいのはアルスを探す事の一点のみ。
彼らに繋がりが無いであろう場所ならば、留まる理由などあるはずが無いのだ。

アルスを見つけ出し、二人でタバサを探す。

今の目標は、これだ。

108 :ひとりでできないもん 3/5:2008/09/12(金) 13:45:56 ID:tLMrF3c10
理由は単純――ずばりただの我侭だ。
今のセージはお世辞にも精神的に健康とは言いがたい。
浮遊大陸で、そしてサスーン城で色々なことがありすぎた所為で、正直疲れているのだ。
正直もう一人では何もする気力も起こらないし、孤独に過ごすのも嫌だ。
だからといって知らない誰かと一緒に行動したところで、自分の心の渇きは癒せないだろう。

――――だから、心の拠り所が欲しい。

求めるのは労わり。欲しがっているのは癒し。
抱くのは、どうせ自分みたいなもやし一人が何かしたところで何も変わるはずが無い、という心の奥底での絶望。
だから自分が最も信頼する人間と会いたい。疲れきった体と心を凭れかけられる相手が欲しい。
故に気の置けない相手を求める。それは実は自分の精神を安定させたいだけの独善的な欲望。
セージはただその為だけに、今を生き抜こうとしていた。

「とりあえず……探さないとね」

旅の扉をくぐる直前から、セージの呟きは溜息混じりな物ばかりだった。
今までの舌の動きとはまるで違う。疲弊した喋り方は、心の疲れを思わせる。
俗っぽい言い方をすれば――そう、"テンションが低い"と言うべきか。
だがそれもアルスに出会えば解消されると本人は思い込んでいる。
最早今のセージはただの依存の塊だった。だが彼はその事には気付かない。
無意識下の傲慢さに気付かないまま、アルスを探す為だけに立ち上がり、歩き出そうと一歩踏み出した。

「う、うわっ」

が、その瞬間彼は足を縺れさせて倒れてしまった。
突然の事態。予期せぬ事故とそれを起こした自分自身に対して驚きの声を上げる。

109 :ひとりでできないもん 4/5:2008/09/12(金) 13:48:48 ID:tLMrF3c10
――――だがすぐに納得した。そう、単純に疲れていたのだ。
倒れた状態からゆっくりと起き上がり、近くの岩に凭れかかって座り込む。
予想は当たっていたのか、少しだけ気分が楽になった気がした。

「色々、あったもんねぇ……」

呟きながら、旅の扉に入る前を思い出す。
歩いたり走ったり魔法を使ったり、殺されそうになったり。
波乱万丈なことばかりで、アリアハンのときとは違って眠る暇も無かった。
いや、今もアルスを探さなければならない以上それは変わらないのだが……。
こんな自分のあまりのひ弱さに苦笑しながら、セージは暗い暗い空を見上げた。
悔しいが、とりあえずは休息を取ろう。このままでは万一のときに対応が出来ない。
それにこのままアルスに再会したところで自分は足手まといになりそうだ。
時間が惜しい、一刻も早くアルスは探したい。だがこの体たらくでは仕方が無い。

「待っててねアルス……ちょっと休んだら、すぐ探すから。ああ、あとタバサもか……」

結局セージは自分自身の体調とこれからを気遣い、省みた結果休息をとることにした。
だがそれでも、肝心な部分に――精神の疲弊から起こる短絡さと傲慢さには気付かない。
独善的な願いのままに行動を起こそうとしているという事に、思考が辿り付きはしなかったのだった。

孤独な休息。今の彼にはその寂しさが重く圧し掛かった。
元いた世界でアルス達と出会い、この世界でタバサ達と出会ったから。
今では独りが辛い。早く会いたい。孤独に潰れそうになる前に、虚しさに支配される前に。早く。

「女々しいなぁ……こんなだったっけ、僕……あははっ……」

――――アルスがもうこの世にいない事を知ったら、彼はどうするのだろうか。

110 :ひとりでできないもん 5/5:2008/09/12(金) 13:49:57 ID:tLMrF3c10

【セージ(HP2/3程度 怪我はほぼ回復 魔力1/4程度 体力・精神疲弊)
 所持品:ハリセン、ナイフ、ギルダーの形見の帽子、イエローメガホン
     英雄の薬、厚手の鎧、般若の面、釘バット(FF7)、グラディウス、聖なるナイフ、マテリア(かいふく)
 第一行動方針:疲れを取り、魔力も取り戻したいのでまずは休息。
 基本行動方針:アルスと再会し、その後二人でタバサを探す】
【現在位置:フィールド最北端の岩山近く】

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